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第8章②
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十和の忠告が頭の中でぐるぐると回る。今までの忠告とは声のトーンが違った。冗談だと笑い飛ばせない真剣な声に、俺は少し、いやかなりビビっている。
「奏子さんと出会って、俺……」
電話を切った後、俺は自宅のピアノの前に行き、真っ黒な前板に映る自分の姿を見た。情けない顔だ。
奏子さんと出会う前は、自宅のピアノを弾くどころか視界にも入れないようにしていた。それくらいピアノを自分の生活から切り離していたのだ。それでいい、そうすれば心が乱れることもない、穏やかな日常を過ごしていけると思っていたし、実際に穏やかな日々だった。
ピアノだけしかない生活にもう心が限界だった。どれだけ弾いても評価は上がらず、周りを妬んでしまう自分が情けなくてつらかった。何より、自分が目指すべきものが分からなくて、出口が見えないことが苦しくてたまらなかった。
だからその現況から逃げた。きれいさっぱり生活の中からピアノを切り捨てた。誰かに嫉妬することも無く、自分の才能のなさに打ちひしがれることも無い。重苦しかった呼吸がすっと軽くなった。
ただ、その穏やかな日々が幸せだったかと問われれば、よく分からない。感情が動くことが無く、まるで自分の中の動きが止まっているかのような感覚だった。
そんな停滞した日常が急に動き出したのは奏子さんに出会ったからだ。良くも悪くも奏子さんは俺にとって嵐のような人だ。ピアノに関わりたく無かった俺に、問答無用でピアノを弾かせたのだから。母親に言われても、先生に言われても、ピアノをやっている知人に言われても、全く弾く気になどならなかったのに。無理矢理弾かせようとしてくる気配がしたら、速攻逃げていたし、偶然先生と久しぶりに会ったときなんか蕁麻疹が出たくらい体も拒否していた。
でも、怖々とだがあのストリートピアノで弾いた。ちゃんと弾けた。もちろん技術的には現役時よりも酷いものだったが。奏子さんに背中を押されるように、ちょっと脅されていたような気もするけれど、清美さんのためにも弾いた。文字通り死ぬ気で『喜びの島』を練習した。その甲斐あって清美さんは成仏出来た。俺なんかの演奏で成仏してくれるなんて、今思っても、逆に俺がお礼を言いたいくらいだ。
清美さんのために弾いた『喜びの島』が勝手に動画投稿されてしまったが、そこから珠樹や十和とのつながりが出来た。俺の日常がまた賑やかになった。
「全部、奏子さんから始まったんだ」
そう、すべては彼女に引き寄せられたときから、俺の平穏な日常はジェットコースターのような日常に変わってしまった。ジェットコースターって、怖いけれどスリリングで楽しくもあるんだ。高いところから落ちるのは胃が縮むけれど、風を切って突き進むのは気持ちが良い。
やっぱり俺はピアノが好きらしい。あんなに苦しくて逃げたかったのに、それでもやっぱりこうして弾いていたら楽しいんだ。ピアノを習い始めたあの頃の純粋な気持ちを思い出す。
俺にはまだ変えられる未来がある、リベンジできるチャンスがあるのだ。生きている限り何度でもやり直すことも出来る。辞めてしまったのならまた始めれば良い。
普通に考えれば、ピアノを挫折してブランクがあるなんて大きなハンデだ。でもそれは、プロになることを目標にしている人のこと。俺は今となってはプロになりたいと本気で思っていたかどうかも怪しい。ただ弾くのが楽しくて、聞いてくれた人が楽しそうにしているのが嬉しくて、だからピアノを弾くのが好きだった。それだけだったのに、次第に欲が出てきた。
周りの期待に応えたらもっと褒められる、ちやほやされることを知ってしまったのだ。だんだんと周りの期待が自分の目標になり、だから自分自身が本当はどう弾きたいのか分からなくなってしまったんだ。他人の目標なんだから当然と言っちゃ当然だろうなと今なら納得出来る。
俺はまたピアノと一緒に未来を歩んでみたい。生活の中にピアノがある、そんな日常だ。誰かの目標を目指すんじゃ無くて、自分の目標を見つけて進みたいって、心の底から思う。
じゃあ、そう思わせてくれた奏子さんとこのまま別れても良いのか。十和に危険だと忠告され、自分でも正直怖い気持ちはある。でも、俺は奏子さんにもらってばかりだ。
「奏子さんを助けたい」
多分、奏子さんは俺の中のピアノに対する未練に気がついていた。むしろ、十和が波長の向きが一緒と言っていたことから察するに、ピアノに対する未練が俺たちを結びつけたんだ。俺がピアノに対して未練があったように、奏子さんもずっと完成しない曲を弾き続けるくらいに未練を持っていた。同じ未練を持つもの同士だからこそ、姿が見えて、声も交わせて、ピアノという媒介があれば触れられるほど存在が近しくなれたのだろう。
俺は未練を自覚し、それを解決するための時間がある。前を向く気持ちが足りなかっただけだ。
じゃあ奏子さんは? 彼女自身の時間はたくさんあるかもしれない。でも、未練を昇華させるまでのタイムリミットはあまりないかもしれない。だって、奏子さんを知る人はおそらく妹の松永さんだけ。彼女が寿命を迎えてしまったら、現世に残した未練を繋ぐ人がいなくなってしまう。それに何より、怨霊化してしまうかもしれないのだ。
清美さんが言っていた、体が痛くて意識が飛びそうになるって。自我を保っていられる内に思い出の『喜びの島』を聞きたいのだと。つまり、奏子さんも怨霊化したら自我を無くして、きっとピアノを弾くこともなくなってしまうのだろう。そんなのは嫌だ。奏子さんにはずっと生き生きとピアノを弾いていて欲しい。幽霊に対して生き生きとしてて欲しいというのもちょっと変かもしれないけれど。
「どうすればいいんだろう」
俺は必死に考える。分からないで終わらせてはいけないし、終わらせたくもない。
あと数日で確実に奏子さんには会えなくなるのだ。この短い間に俺は何を伝えられるのだろう。
***
「文晶……やっぱりいた」
演奏会が行われる日曜日、俺は珠樹との打ち合わせ通りにストリートピアノに来ていた。少しだがパイプ椅子を設置したり、通行人が足を止めることも考慮して、事前に立ち止まって聴くエリアを紐で区切ったりなど準備をしていると、十和がやってきた。
「十和、ちゃんと考えての行動だから。でも、心配してくれてありがとう」
「なっ、別に心配なんかしてないし。ただ知っているのに忠告しないと後味が悪いなって思っただけ!」
十和が顔を真っ赤にして言い返してきた。十和は大人っぽいと思っていたけれど、ムキになっている様子はやっぱり中学生だ。ちょっとほっこりしてしまう。
「そうだとしても、十和は優しいと思うよ」
「やめてよ、生ぬるいこと言うの。キモ!」
照れ隠しに必要以上にとんがる様子も微笑ましく思える。
「そういえば、奏子さんの姿が見えないんだ。どこかに隠れているのかな? 十和は分かる?」
そう、奏子さんが姿を現さないのだ。俺に対してもう来るなと言ってきた以来、奏子さんとは会えていない。このまま演奏会が始まってしまうかと思うと少々不安だった。
「えー、確かに見えないけれど。でもちゃんと『いる』よ。幽霊の気配はあるもん」
言い方怖いな……幽霊の気配が分かるって、どういうことなんだ。
「じゃあどうして見えないんだろ」
「気まずいんでしょ。別に実体を持っているわけじゃ無いんだから、ピアノの中にでも潜んでるんでるんじゃない」
「実体かぁ……でも俺、奏子さんに触ること出来るよ?」
「……はぁ? なにそれ、初耳だよ。幽霊が実体化とかどういうこと。ちょっと文晶、あんたって本当に人間?」
酷い言われようだな。正真正銘、まだ生きてる人間だよ。
「普段は通り抜けるんだけど、ピアノを俺か奏子さんのどちらかが触っていれば、実体として触れるんだ」
俺が説明をすると、十和はしばらくかたまってしまった。だが、結論が出たのか大きなため息を吐き出した。
「分かった。それは本当に幽霊が実体化してるわけじゃない。けど、ピアノを媒介とすることで瞬間的に結びつきが強くなるから、お互いの感覚の結びつきも強くなってるのよ」
「……? えっと、ピアノが媒介で?」
「だからぁ、ピアノがブーストの役割をして二人のつながりを強くしてるから、お互いが触れた感触があるのよ」
な、なるほど。細かい理屈は分からないが、ピアノが俺と奏子さんをより強く結ぶってことらしい。だとしたら、俺はこの演奏会で奏子さんに伝えることが出来るかもしれない。そう前向きに捉えることにした。
「奏子さんと出会って、俺……」
電話を切った後、俺は自宅のピアノの前に行き、真っ黒な前板に映る自分の姿を見た。情けない顔だ。
奏子さんと出会う前は、自宅のピアノを弾くどころか視界にも入れないようにしていた。それくらいピアノを自分の生活から切り離していたのだ。それでいい、そうすれば心が乱れることもない、穏やかな日常を過ごしていけると思っていたし、実際に穏やかな日々だった。
ピアノだけしかない生活にもう心が限界だった。どれだけ弾いても評価は上がらず、周りを妬んでしまう自分が情けなくてつらかった。何より、自分が目指すべきものが分からなくて、出口が見えないことが苦しくてたまらなかった。
だからその現況から逃げた。きれいさっぱり生活の中からピアノを切り捨てた。誰かに嫉妬することも無く、自分の才能のなさに打ちひしがれることも無い。重苦しかった呼吸がすっと軽くなった。
ただ、その穏やかな日々が幸せだったかと問われれば、よく分からない。感情が動くことが無く、まるで自分の中の動きが止まっているかのような感覚だった。
そんな停滞した日常が急に動き出したのは奏子さんに出会ったからだ。良くも悪くも奏子さんは俺にとって嵐のような人だ。ピアノに関わりたく無かった俺に、問答無用でピアノを弾かせたのだから。母親に言われても、先生に言われても、ピアノをやっている知人に言われても、全く弾く気になどならなかったのに。無理矢理弾かせようとしてくる気配がしたら、速攻逃げていたし、偶然先生と久しぶりに会ったときなんか蕁麻疹が出たくらい体も拒否していた。
でも、怖々とだがあのストリートピアノで弾いた。ちゃんと弾けた。もちろん技術的には現役時よりも酷いものだったが。奏子さんに背中を押されるように、ちょっと脅されていたような気もするけれど、清美さんのためにも弾いた。文字通り死ぬ気で『喜びの島』を練習した。その甲斐あって清美さんは成仏出来た。俺なんかの演奏で成仏してくれるなんて、今思っても、逆に俺がお礼を言いたいくらいだ。
清美さんのために弾いた『喜びの島』が勝手に動画投稿されてしまったが、そこから珠樹や十和とのつながりが出来た。俺の日常がまた賑やかになった。
「全部、奏子さんから始まったんだ」
そう、すべては彼女に引き寄せられたときから、俺の平穏な日常はジェットコースターのような日常に変わってしまった。ジェットコースターって、怖いけれどスリリングで楽しくもあるんだ。高いところから落ちるのは胃が縮むけれど、風を切って突き進むのは気持ちが良い。
やっぱり俺はピアノが好きらしい。あんなに苦しくて逃げたかったのに、それでもやっぱりこうして弾いていたら楽しいんだ。ピアノを習い始めたあの頃の純粋な気持ちを思い出す。
俺にはまだ変えられる未来がある、リベンジできるチャンスがあるのだ。生きている限り何度でもやり直すことも出来る。辞めてしまったのならまた始めれば良い。
普通に考えれば、ピアノを挫折してブランクがあるなんて大きなハンデだ。でもそれは、プロになることを目標にしている人のこと。俺は今となってはプロになりたいと本気で思っていたかどうかも怪しい。ただ弾くのが楽しくて、聞いてくれた人が楽しそうにしているのが嬉しくて、だからピアノを弾くのが好きだった。それだけだったのに、次第に欲が出てきた。
周りの期待に応えたらもっと褒められる、ちやほやされることを知ってしまったのだ。だんだんと周りの期待が自分の目標になり、だから自分自身が本当はどう弾きたいのか分からなくなってしまったんだ。他人の目標なんだから当然と言っちゃ当然だろうなと今なら納得出来る。
俺はまたピアノと一緒に未来を歩んでみたい。生活の中にピアノがある、そんな日常だ。誰かの目標を目指すんじゃ無くて、自分の目標を見つけて進みたいって、心の底から思う。
じゃあ、そう思わせてくれた奏子さんとこのまま別れても良いのか。十和に危険だと忠告され、自分でも正直怖い気持ちはある。でも、俺は奏子さんにもらってばかりだ。
「奏子さんを助けたい」
多分、奏子さんは俺の中のピアノに対する未練に気がついていた。むしろ、十和が波長の向きが一緒と言っていたことから察するに、ピアノに対する未練が俺たちを結びつけたんだ。俺がピアノに対して未練があったように、奏子さんもずっと完成しない曲を弾き続けるくらいに未練を持っていた。同じ未練を持つもの同士だからこそ、姿が見えて、声も交わせて、ピアノという媒介があれば触れられるほど存在が近しくなれたのだろう。
俺は未練を自覚し、それを解決するための時間がある。前を向く気持ちが足りなかっただけだ。
じゃあ奏子さんは? 彼女自身の時間はたくさんあるかもしれない。でも、未練を昇華させるまでのタイムリミットはあまりないかもしれない。だって、奏子さんを知る人はおそらく妹の松永さんだけ。彼女が寿命を迎えてしまったら、現世に残した未練を繋ぐ人がいなくなってしまう。それに何より、怨霊化してしまうかもしれないのだ。
清美さんが言っていた、体が痛くて意識が飛びそうになるって。自我を保っていられる内に思い出の『喜びの島』を聞きたいのだと。つまり、奏子さんも怨霊化したら自我を無くして、きっとピアノを弾くこともなくなってしまうのだろう。そんなのは嫌だ。奏子さんにはずっと生き生きとピアノを弾いていて欲しい。幽霊に対して生き生きとしてて欲しいというのもちょっと変かもしれないけれど。
「どうすればいいんだろう」
俺は必死に考える。分からないで終わらせてはいけないし、終わらせたくもない。
あと数日で確実に奏子さんには会えなくなるのだ。この短い間に俺は何を伝えられるのだろう。
***
「文晶……やっぱりいた」
演奏会が行われる日曜日、俺は珠樹との打ち合わせ通りにストリートピアノに来ていた。少しだがパイプ椅子を設置したり、通行人が足を止めることも考慮して、事前に立ち止まって聴くエリアを紐で区切ったりなど準備をしていると、十和がやってきた。
「十和、ちゃんと考えての行動だから。でも、心配してくれてありがとう」
「なっ、別に心配なんかしてないし。ただ知っているのに忠告しないと後味が悪いなって思っただけ!」
十和が顔を真っ赤にして言い返してきた。十和は大人っぽいと思っていたけれど、ムキになっている様子はやっぱり中学生だ。ちょっとほっこりしてしまう。
「そうだとしても、十和は優しいと思うよ」
「やめてよ、生ぬるいこと言うの。キモ!」
照れ隠しに必要以上にとんがる様子も微笑ましく思える。
「そういえば、奏子さんの姿が見えないんだ。どこかに隠れているのかな? 十和は分かる?」
そう、奏子さんが姿を現さないのだ。俺に対してもう来るなと言ってきた以来、奏子さんとは会えていない。このまま演奏会が始まってしまうかと思うと少々不安だった。
「えー、確かに見えないけれど。でもちゃんと『いる』よ。幽霊の気配はあるもん」
言い方怖いな……幽霊の気配が分かるって、どういうことなんだ。
「じゃあどうして見えないんだろ」
「気まずいんでしょ。別に実体を持っているわけじゃ無いんだから、ピアノの中にでも潜んでるんでるんじゃない」
「実体かぁ……でも俺、奏子さんに触ること出来るよ?」
「……はぁ? なにそれ、初耳だよ。幽霊が実体化とかどういうこと。ちょっと文晶、あんたって本当に人間?」
酷い言われようだな。正真正銘、まだ生きてる人間だよ。
「普段は通り抜けるんだけど、ピアノを俺か奏子さんのどちらかが触っていれば、実体として触れるんだ」
俺が説明をすると、十和はしばらくかたまってしまった。だが、結論が出たのか大きなため息を吐き出した。
「分かった。それは本当に幽霊が実体化してるわけじゃない。けど、ピアノを媒介とすることで瞬間的に結びつきが強くなるから、お互いの感覚の結びつきも強くなってるのよ」
「……? えっと、ピアノが媒介で?」
「だからぁ、ピアノがブーストの役割をして二人のつながりを強くしてるから、お互いが触れた感触があるのよ」
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