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夜のカフェテラス
今日はクリスマス
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「寒い所で待たせてごめん。はい、これ。」
「え、あ、すみません、ありがとうございます。」
なるほど、こうやってホットコーヒーの缶をスマートに渡すのが大人の男の余裕か。
冷えた手のひらに缶の熱さがジンジンと浸透して有難い。
今日は車移動のため缶も邪魔にはならないだろう。
苦いのが飲めないんだったら俺のと交換するからとまで言われた。
勉強になるなあ。
あまりのスマートさに変に気を使うのも馬鹿馬鹿しくなり、遠慮することなく甘いコーヒーに変えて貰った。
職員用の駐車場に停めている朝日の白い普通車に乗り込み出発。
学校の敷地内から出たところで甘いコーヒーを口にすると、妙に緊張していた気分が少し和らいだ。
「車には酔う方?」
「いえ、大丈夫です。今日は車まで出して貰ってすみません、ありがとうございます。」
「どういたしまして。こちらこそ誘ってくれてありがとう。」
こちらが半ば無理矢理誘ったようなものなのに。
言葉の選び方が上手いので優しさと気遣いが伝わってきて、この人はとても話しやすい。
雨予報だったけど晴れた、でも寒い、など当たり障りのない会話が全く苦ではない。
運転も穏やかで安心して乗っている事が出来た。
暫く走っていると徐々に視界に広がるクリスマスの街並み。
そうだった。
今日はクリスマスだった。
彩られた街は煌めいている。
「クリスマス一色だなあ…あ、サンタが居る。朝日さん、ほら、トナカイも!」
「そうだな。盛り上がってるな。」
「うん、盛り上がってる!ツリーおっきい、凄いなあ。たくさんキラキラしてる。」
「ん?ああ、確かに大きいな。」
「まだ夜じゃないのにイルミネーション綺麗だなあ…はあ、クリスマスって良いなあ。」
「子供じゃなくてもテンション上がるよな。」
「上がりますよね、やっぱり。俺クリスマス好きだなあ。」
「あそこに体格が良過ぎるトナカイが居るな。」
「え、どこですか?居た!迫力ありすぎて子供怖がって泣いてる!」
サンタやトナカイの格好でケーキを売っている人、大きくてキラキラしたツリー、体格が良すぎてコスチュームを無理矢理着た筋骨隆々なトナカイ。
目まぐるしく通り過ぎて行くクリスマスの景色が本当に綺麗で、何もかもが楽しい。
クリスマス一色の街中を過ぎると直ぐに美術館に到着した。
車を駐車場に停めて館内に入ると、夕方なのに人も多くゴッホ関連のグッズ売り場は特に人が溢れて混雑しているのが分かった。
帰りにあそこで萱島先生へお土産を買って帰ろう。
「チケット拝見致します。」
入口のお姉さんに萱島先生の哀愁チケット二枚を渡し、先生への感謝と共に中へ足を踏み入れた。
「え、あ、すみません、ありがとうございます。」
なるほど、こうやってホットコーヒーの缶をスマートに渡すのが大人の男の余裕か。
冷えた手のひらに缶の熱さがジンジンと浸透して有難い。
今日は車移動のため缶も邪魔にはならないだろう。
苦いのが飲めないんだったら俺のと交換するからとまで言われた。
勉強になるなあ。
あまりのスマートさに変に気を使うのも馬鹿馬鹿しくなり、遠慮することなく甘いコーヒーに変えて貰った。
職員用の駐車場に停めている朝日の白い普通車に乗り込み出発。
学校の敷地内から出たところで甘いコーヒーを口にすると、妙に緊張していた気分が少し和らいだ。
「車には酔う方?」
「いえ、大丈夫です。今日は車まで出して貰ってすみません、ありがとうございます。」
「どういたしまして。こちらこそ誘ってくれてありがとう。」
こちらが半ば無理矢理誘ったようなものなのに。
言葉の選び方が上手いので優しさと気遣いが伝わってきて、この人はとても話しやすい。
雨予報だったけど晴れた、でも寒い、など当たり障りのない会話が全く苦ではない。
運転も穏やかで安心して乗っている事が出来た。
暫く走っていると徐々に視界に広がるクリスマスの街並み。
そうだった。
今日はクリスマスだった。
彩られた街は煌めいている。
「クリスマス一色だなあ…あ、サンタが居る。朝日さん、ほら、トナカイも!」
「そうだな。盛り上がってるな。」
「うん、盛り上がってる!ツリーおっきい、凄いなあ。たくさんキラキラしてる。」
「ん?ああ、確かに大きいな。」
「まだ夜じゃないのにイルミネーション綺麗だなあ…はあ、クリスマスって良いなあ。」
「子供じゃなくてもテンション上がるよな。」
「上がりますよね、やっぱり。俺クリスマス好きだなあ。」
「あそこに体格が良過ぎるトナカイが居るな。」
「え、どこですか?居た!迫力ありすぎて子供怖がって泣いてる!」
サンタやトナカイの格好でケーキを売っている人、大きくてキラキラしたツリー、体格が良すぎてコスチュームを無理矢理着た筋骨隆々なトナカイ。
目まぐるしく通り過ぎて行くクリスマスの景色が本当に綺麗で、何もかもが楽しい。
クリスマス一色の街中を過ぎると直ぐに美術館に到着した。
車を駐車場に停めて館内に入ると、夕方なのに人も多くゴッホ関連のグッズ売り場は特に人が溢れて混雑しているのが分かった。
帰りにあそこで萱島先生へお土産を買って帰ろう。
「チケット拝見致します。」
入口のお姉さんに萱島先生の哀愁チケット二枚を渡し、先生への感謝と共に中へ足を踏み入れた。
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