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冒険者編
え、私はスパルタ教師ですよ?
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…深淵の如き暗闇の中を、ハディは潜り続けていた。
闇の神殿の門を潜ってから、どれくらいが経ったのか。行けども行けども見えるものは何もなく、ただ無明の如き暗闇を鼻先で掻い潜りながら辿っていく。
伸ばした腕の先に何かが触れることはない。
もはや聴覚が機能しているのかすらわからない。
進む歩の先がまっすぐなのかすら、わかろうはずもない。
只人ならば、とうに気が狂っていたかもしれない、そんな暗闇の中で、しかしハディは疲労しながらもしっかりと歩を進めていた。
「…酷い場所だな…まだ出口は見つけられないのか?」
『そう急くな。急いだところで体力をすり減らすだけだぞ、ハディ』
ハディは一人ではない。彼の中にいるレビが話しかけてくれるお陰で、ハディの精神は平常を保つことが出来ていた。居なかったら退屈で死んでいたかもしれない。なにより、レビは暗闇を恐れるような感性は持っていない。その人外の精神が、今はありがたかった。
「はぁ…いい加減、多めに休憩を入れるべきか?ずっと歩きづめで流石に疲れた…」
『それも已む無しだな。勇者の試練、しかもあの性悪…いや、神が作った試練ならば、この程度で終わるはずがないからな』
「…なんでもいいから、何か起こってほしいよ」
何も起こらないというのも辛いものがある。気を張り続けるにも限界があり、疲労したところで奇襲を仕掛けてくるのは、もはや戦いでは定番だろうか。
本当に座り込んでしまおうか、とハディが再びため息を吐いたとき。
…前方に、何かが、初めて闇以外の何かが見えたのだ。
「お、おいレビ!なにかあるぞ!」
『気をつけろ、アレが罠だった場合が一番危険だからな…って、言っても聞かぬなお前は』
流石に逸る気を抑えることは出来ずに、ハディは警戒しつつもダッシュでそこへと向かう。
…そこは暗闇にもかかわらず、何故か普通に視認することが出来た。ハディの暗視と違ってモノクロの世界ではない。色づいているくせに、光彩が不自然な空間。
その場所は、町だった。
見知った町並み…ケンタックだ。
「な、なんだ、ここ…ケンタック?なんでこんな場所に…」
『油断するなハディ、これは幻影だ』
レビの言葉にハッとなりながら、ハディは剣を抜いて警戒する。
偽りのケンタックに人の気配は無く、しかしどこかざわついている。不自然な空気。
その見慣れた都市をそろそろと進んでいくと、彼方からの歓声が上がったのを耳が拾った。
何事か、と町並みを疾駆して通り過ぎ、中央広場…常では噴水が目立ち、市場が広がるそこへとたどり着き…そして、目にする。
広間の中央、騎士が整列し、観衆が輪を成してそれへ怒声を上げている。
そして、その中央には…
「…俺?」
血に塗れ、木に縛り付けられ、今まさに火刑に処されようとしている、ハディの姿。
ボロボロになり、体は杭を打ち付けられ、口からは血を吐いている。ピクリとも動かぬそれは、まるで死んでいるかのよう。
呆然とする合間にも、眼前では出来事が目まぐるしく進んでいく。
「この者、ハディール・ヴェシエント・セラヴァルスは、吸血鬼である!人の生き血を啜り、何の罪もなき無辜の民を食い殺す怪物そのものである!故に、火刑に処すこととなった!」
人々の歓声が広がる。
まるで楽しい見世物を見ているかのように、楽しげに、悪意を持たぬ笑みで、それを見ている。
ヒソヒソガヤガヤ、人々のざわめき声が、ハディの耳へ否応なく流れてくる。
「あぁ、あんな子供が化物だなんて恐ろしいわ」
「子供のフリをして近づいて人間を食べるんでしょう?怖い怖い…」
「この間、あいつは人のいい笑顔で近づいて、荷物運びを手伝ってきやがった…あれだってひょっとしたら、ウチの嫁さんを食おうとしたもかもしれねぇ!今までだってそうやって人を食ってきやがったに違いねえぜ!」
「この老人を助けてくれたが、あの笑みの下で何を考えてるかわからぬわい…おお、恐ろしい恐ろしい…おぞましい化物じゃ…」
「さっさと死んじゃえ!この化物!」
「はやく殺せー!」
「嬲りものにしろ!!化物は一匹残らず殺し尽くせ!!」
なんだこれは、とハディは呟く。
目の前のこれは、まさに…、
「さらに!吸血鬼を庇い立てし、助けていた裏切り者たちがいる!この者たちも等しく刑に処されるべきである!!」
その言葉にハッとなって顔を上げれば、いつの間にか、縛られるハディの横には別の処刑台があった。
処刑人がギラリと輝く斧を掲げ、斬首台の前で佇んでいる。
そして合図と同時に、その台に連れてこられるのは、見知った人々。
「ガル・ミンシェーレのゲッシュ!」
宿の親父はいつもの赤ら顔を歪ませながら、悪態をつきつつ台へと引きずられていく。群衆はそれへと罵詈雑言、そして石を投げつけ、せせら笑い、汚物を見るような目で値踏みする。
悪意の前でゲッシュは項垂れながら、斬首台へうつ伏せにされる。
「ああ、すまねぇ、ハディ…」
それだけを合図に、処刑人の斧が振り下ろされる。
「…やめろ」
飛び散る血しぶき、舞い飛ぶのは丸い首。
ごろりと転がり、苦悶の表情を貼り付けるそれを掲げながら、司祭は続けた。
「裏切り者は皆、死すべきである!さぁ、次の罪人をここへ!」
次に引っ張られてきたのは、ミライアだ。
彼女は抵抗することもなく寝かされ、呟いた。
「…ああ、ジャド。またアンタに会えるなら…」
振り下ろされる音。
「…やめ、ろ…!!」
「次!」
次に連れられたのはライド。
「………」
何も言わずに、ライドはただ無言で目を伏せた。
振り下ろされる音。
「…やめろ」
「次!」
次に連れられたのは、ダーナ。
「や、やめて…やめてよ!アタシは…死にたくない…死にたくなんかない…!!助けてよぉハディ!!」
振り下ろされる音。
「やめろぉっ!!」
咄嗟に走り出そうとして、気づく。
今、ハディは火刑台に張り付けにされているのだ、と。
藻掻いて引き千切ろうとするも、吸血鬼の怪力に対して、何故か縄はビクともしない。
「次!」
引き摺られてきた人物を見て、ハディは顔を歪める。
誰かの投げた石が当たったが、ケルトは気にもせずに静かな表情で、じっとハディを見上げている。
足蹴にされて断頭台に寝かされながら、ケルトは呟く。
「貴方だけでも生きて下さい、ハディ」
振り下ろされる音。
「くそっくそぉぉ!!なんで、どうしてだ…どうして外れない!?どうしてっ!?」
ギリギリと腕に食い込む縄はビクともせず、皮膚を削って血を流しても千切れない。
咆哮を上げながら腕を引きちぎらんばかりに藻掻けど、その全ては無意味に等しかった。
「次!」
無情な宣告の後、引き摺られてきたのは、ハディにとっても最も特別な存在で…、
「メル姉!!」
ハディの悲鳴のような叫び。
それに応えることはなく、メルサディールは静かな表情で、凛とした佇まいのままに歩を進めた。
抗うことをせずに、されるがままの肉親に、ハディは思わず叫ぶ。
「逃げろメル姉!俺の事はいいから…だから逃げて…!メル姉ならこんなの、なんでもないだろ!?」
「…ハディ」
人々の歓声がひときわ大きく聞こえる。
裏切りの勇者、化物の仲間、人種の敵、勇者こそが魔王だ、と。
その自分勝手な罵詈雑言の中でも、常と変わらぬメルはゆっくりと目を向けてから、静かな微笑みを浮かべた。
「さようなら。そして、守れなくて…ごめんなさい」
「っ!!」
ヒュッと息を呑んだ直後の、振り下ろされた音。
目を見開くハディの前で、赤い血しぶきが、宙を舞った。
ドクン、と、心臓が高鳴った。
――――俺のせい?
その通りだ、と脳裏で呟く声がある。
――――こんなのはタダのまやかしだ。
そう呟く言葉に、しかし本能が否定を返した。
――――でも、俺がここに居れば、いつかはこうなる。だって人間は…そういう生き物だって、知っているから。
再度のドクン、と心臓が揺れたかのような衝撃に、ハディは思わず苦悶の声を上げて叫んだ。
「…ぐ、ああぁっ!?」
それは苦痛だったが、同時に身の内から、声が響くのを聞いた。
【無力で無様だな。肉親一人、守れないのか】
体の奥底、胸の内より尚深くから、出せと叫ぶ声が言う。
【弱いお前は邪魔だ、だから、】
メキメキと体が盛り上がり、角が生え、右腕が不自然に捻じれた腕へと変化する。
皮膜の翼、ギラついた牙、血に飢えた赤い瞳。
【後は全部、俺がやる】
本能という名の獣は目覚め、おぞましい咆哮を上げながら、自らを拘束する火刑台を引き千切った。
そこにはもはや、ハディという人としての面影など、欠片もなかった。
※※※
…帝都学園の寮の一室で、少年はキャンバスを前に項垂れていた。
手に持つのは絵筆、されど、それは長いこと動かないまま、虚空に留まっている。
「………」
ようやく腕を動かし、白いキャンバスへ徐々に色彩を乗せていく。
それは神話の一幕。
世界を作る三柱が、腕を合わせて空と大地と月を作り出す情景。
少年は、無心にそれに筆を走らせて…
「…くそっ!!」
ザッ!と、パレットナイフでそれを斬りつける。
ざっくりと表面が抉れたキャンバスには、もはや何が描かれていたかはわからない。
少年は怒りとも悲しみとも言えぬ表情で首を振ってから、持っていた絵筆を放り捨てて座り込んだ。
「違う…こんなんじゃ駄目だ。僕が本当に描きたいのは…こんなものじゃない!」
そう言って蹲る彼の元へ、慰めるように精霊たちが集う。それに答える気力も無いままに、少年はうなだれ続けている。
…少年は、ある侯爵家の子息であった。常ならば彼もまた侯爵家の一員として育ち、家督は兄が継ぐにしても、なんらかの領地を得て富み増やす事を使命とされていた。
しかし、少年は絵が好きだった。画家としての道を歩んでみたいと、幼い頃から夢見ていたのだ。事実、彼には才があった。趣味として許された絵の勉強でもお墨付きをもらい、絵の神童として一部では囁かれていた。
だが彼は既存の絵よりも、もっと新しい描き方を模索していた。その型破りな描き方は頭の固い人々には受け入れ難かったようだが、一部の人達には好評であった。君はきっと未来の画家の先駆者になるに違いない、そう言ってくれた先生もいた。
ならば、自らがどれほどまで行けるのか、彼は試してみたかった。
自らの絵の腕前で、人々の認識をどこまで変えられるのか、芸術の世界に新しい波を引き起こしてみせると、そう意気込んでいたのだ。
だがしかし、彼の父はそれを許さなかった。
三男とはいえ侯爵家の一員ならば、絵描きよりも家の為に尽くしてみせよ、と。
そう言い放ち、少年の絵を全て処分してしまった。
されど彼は諦めず、何度も父とぶつかり合い、勘当覚悟で説得を試みた。
そんな噛み付く彼へ、渋々と言った形で父が提示したのは、自らを感動させる絵を描いてみろ、である。
「…僕の腕で、父上を納得させられるのか?いや、出来ないとは言えない…けど、僕の絵じゃあの人は動かない。動くわけがない…」
子供遊びと切って捨て、少年の言葉に耳を貸さない父ならば。どんな絵を出しても納得などしないだろう、という予想は大いにできた。
ならば、そう言えない程の代物を作ってやろう、と意気込んだは良いものの、絶賛スランプに陥っていたのである。父は翼種の絵を好むので、それに習って宗教画を描こうとしても、どうしても筆が止まってしまう。個人のために描く絵は初めてで、しかもそれが苦手な相手なのだ。悩めば悩むほど、彼は何を描くべきかわからなくなっていった。
何より、大事な友を描くと父が嫌がるので、友を描くことが出来ないでいる事もまた、スランプに拍車をかけていた。
「どうして、君たちの存在を信じてくれないんだろうな…僕には見えるのに、他には誰も見えてない。けど、居るのは確かなのに」
彼は生まれついて、小さな輝きたちが目に見えていた。小さい頃は虚空ばかり見ている彼を、不思議な子供だと大人たちが思っていたが、大きくなっても見えない何かと話している彼が、病気ではないかと心配し始めた。医者にかかっても改善しない彼の目に関しては、そういうものだと諦めているようだが。
しかし、彼には見えているそれが現実である。
彼らの存在を知ってもらうために絵を書き始めたのが契機だったが、その目論見も上手くいっているとは言い難い。
「…壁の事、絶対に知られるよな」
ある日、絵が描けないストレスから、半ばヤケクソじみた衝動で絵筆を持って落書きをして回った。キャンバスという小さな枠よりはみ出すように、学園のそこら中に絵を描いた。
最初は運が良かっただけだったが、その絵の評判が思いの外悪くなかったので、ならばと次からは実家からこっそり持ち出してきた魔法道具を用いて、隠蔽しつつ描いていった。
絵はすべて消されてしまったが、それでも芸術を愛するわけではない子供らからの反応は悪くない。むしろ、純粋に見られる分、彼らのほうが素直である。小さな光たちの表現も、子供らにとっては幻想的な代物として映っているようで、彼にとってはいい反応であった。
少年は大きなため息を吐いて、抉れたキャンバスの前でうなだれる。
いっそ逃げてしまおうか、と自棄っぱちな思考に偏っていった最中、
コンコン
と、ノックの音が響いた。
「?…誰だろう」
夕刻になりつつある頃合い、こんな時間に来る友人は居ない。みんな食堂へ向かっているからだ。
返事をしつつ扉を開ければ、そこには…、
「御機嫌よう」
「…え、あ、…えっと?御機嫌よう…」
黒髪の麗人が佇んでいた。
メガネで隠されているが、どこか理知的な瞳がこちらを興味深そうに見ているのを察し、少年は思わず上ずった声を上げた。
「し、失礼ですが、どなたでしょうか…?」
「突然の来訪、失礼しましたわ。アタクシは冒険者のメルと申しますの」
「は、はぁ、冒険者…?」
「実は、此度の落書き騒動事件の解決を求められて、調査に来たのですが」
その一言に、少年はさっと顔色を変えた。
バレたのだ。
「おっと少年、逃げようなどとは思わぬことだぞ。そこのメルは容赦ないからなー」
「うわっ!?」
背後の声に驚いて振り向けば、いつの間にか老人が部屋の中に入り込み、壁に掛けられている絵画を眺めていたのだ。
「いつの間に…!?」
「ちょっとおじい様!貴方は礼儀というものを改めて学び直して下さいませんこと?」
「私の中に礼儀という文字はない」
「ほんっとうに無礼な殿方ね!」
女性と軽口を叩きあっていた老人は、不意にゆっくりとこちらへ目を向け、見つめてきた。
黒い瞳が、どこか探るように、薄暗い色合いでこちらを値踏みしている。
それに、少年は言いようのない不安感を抱いた。
思わず身を引く少年を見かねてか、女性が呆れたように指摘する。
「ほら、怖がっていますわよ。おじい様は顔が怖いんですから、もっと笑顔の練習をしてくださいませ」
「何を言う、私の笑顔は悪役笑いだけだとも。あ、ニヤリは私の専売特許だからな、パクるなよ」
「パクりません」
「あ、あのっ!それで貴方達はいったい誰なんですか!?」
再び少年の上ずった声に、二人は目を見合わせてから、メルと呼ばれた女性は微笑んだ。
「ルディス・エシェク・ライマー様。貴方が落書き事件の犯人ですわね?」
「…………は、はい」
否定する余力もなく、少年はがっくりと頷いた。
「ほぅ、素直で大変に宜しい。で、君は君のお父上へ、絵を認めてもらうために事件を起こしたのだろう?あとは、日の目を見たいという承認欲求」
「そ、そうです、けど…あの、このことを父上に…」
「言わないという理屈はないな」
ぐっと詰まる少年へ、しかしメルは視線を合わせながら、口を開いた。
「ルディス様。自らを見てもらえないというその寂しさ、アタクシには理解できます。だからこそ、このようなことを続けてはいけませんわ。それでは事態がややこしくなるだけで、何の解決にもなりませんから」
「…でも…」
「貴方のお父上は、貴方を認めていないのでしょう?でしたら…それを認めてもらえるように、それを成さねばなりません」
「でも、どうすれば良いのか…僕にはわからない!どうすればあの父上を納得させられるのか、わからないんです!」
「なんだ、絵の才能に自信がないのかね?」
「そういうわけじゃ…!」
「じゃあ、信じればよかろうに。絵で食っていこうという強い覚悟があるのならば、怖いものなぞ何もなかろう。必要なのは覚悟と、一歩を踏み出す勇気。それだけだ」
否定するでもなく、竹を割ったような返答に、思わず老人を見上げる少年。
そんな子供へ、老人は睥睨するように見下ろす。
「特大のキャンバスを用意してやろう。少年よ、全ての者が目を奪われるほどの、素晴らしい絵を描いてみよ。君のその腕にかけて、すべての力を振るうのだ。さすれば、君の父親は、君の素晴らしい腕を認めることだろう」
「…そんな、僕は、少し変なのが見えるだけで…」
「無知とは恐ろしいな。その才能はとても稀有だというのに。君は君が思う以上に、精霊に愛されている」
自信なさげな少年へ、ニヤリ、と笑みを浮かべる老人。
…少年には、そんな老人の周囲に浮遊する、大きな輝きが目に入った。あまりにも眩く、あまりにも暗い、見たこともない輝き。どこか空恐ろしい程の、まるで夜空のような黒さだったから、思わず彼は呟いた。
「…貴方は、その、人間なのですか?」
「…」
それにも答えず、老人は指を一本立てて、口元を抑えた。
…それが答えだったのだ。
闇の神殿の門を潜ってから、どれくらいが経ったのか。行けども行けども見えるものは何もなく、ただ無明の如き暗闇を鼻先で掻い潜りながら辿っていく。
伸ばした腕の先に何かが触れることはない。
もはや聴覚が機能しているのかすらわからない。
進む歩の先がまっすぐなのかすら、わかろうはずもない。
只人ならば、とうに気が狂っていたかもしれない、そんな暗闇の中で、しかしハディは疲労しながらもしっかりと歩を進めていた。
「…酷い場所だな…まだ出口は見つけられないのか?」
『そう急くな。急いだところで体力をすり減らすだけだぞ、ハディ』
ハディは一人ではない。彼の中にいるレビが話しかけてくれるお陰で、ハディの精神は平常を保つことが出来ていた。居なかったら退屈で死んでいたかもしれない。なにより、レビは暗闇を恐れるような感性は持っていない。その人外の精神が、今はありがたかった。
「はぁ…いい加減、多めに休憩を入れるべきか?ずっと歩きづめで流石に疲れた…」
『それも已む無しだな。勇者の試練、しかもあの性悪…いや、神が作った試練ならば、この程度で終わるはずがないからな』
「…なんでもいいから、何か起こってほしいよ」
何も起こらないというのも辛いものがある。気を張り続けるにも限界があり、疲労したところで奇襲を仕掛けてくるのは、もはや戦いでは定番だろうか。
本当に座り込んでしまおうか、とハディが再びため息を吐いたとき。
…前方に、何かが、初めて闇以外の何かが見えたのだ。
「お、おいレビ!なにかあるぞ!」
『気をつけろ、アレが罠だった場合が一番危険だからな…って、言っても聞かぬなお前は』
流石に逸る気を抑えることは出来ずに、ハディは警戒しつつもダッシュでそこへと向かう。
…そこは暗闇にもかかわらず、何故か普通に視認することが出来た。ハディの暗視と違ってモノクロの世界ではない。色づいているくせに、光彩が不自然な空間。
その場所は、町だった。
見知った町並み…ケンタックだ。
「な、なんだ、ここ…ケンタック?なんでこんな場所に…」
『油断するなハディ、これは幻影だ』
レビの言葉にハッとなりながら、ハディは剣を抜いて警戒する。
偽りのケンタックに人の気配は無く、しかしどこかざわついている。不自然な空気。
その見慣れた都市をそろそろと進んでいくと、彼方からの歓声が上がったのを耳が拾った。
何事か、と町並みを疾駆して通り過ぎ、中央広場…常では噴水が目立ち、市場が広がるそこへとたどり着き…そして、目にする。
広間の中央、騎士が整列し、観衆が輪を成してそれへ怒声を上げている。
そして、その中央には…
「…俺?」
血に塗れ、木に縛り付けられ、今まさに火刑に処されようとしている、ハディの姿。
ボロボロになり、体は杭を打ち付けられ、口からは血を吐いている。ピクリとも動かぬそれは、まるで死んでいるかのよう。
呆然とする合間にも、眼前では出来事が目まぐるしく進んでいく。
「この者、ハディール・ヴェシエント・セラヴァルスは、吸血鬼である!人の生き血を啜り、何の罪もなき無辜の民を食い殺す怪物そのものである!故に、火刑に処すこととなった!」
人々の歓声が広がる。
まるで楽しい見世物を見ているかのように、楽しげに、悪意を持たぬ笑みで、それを見ている。
ヒソヒソガヤガヤ、人々のざわめき声が、ハディの耳へ否応なく流れてくる。
「あぁ、あんな子供が化物だなんて恐ろしいわ」
「子供のフリをして近づいて人間を食べるんでしょう?怖い怖い…」
「この間、あいつは人のいい笑顔で近づいて、荷物運びを手伝ってきやがった…あれだってひょっとしたら、ウチの嫁さんを食おうとしたもかもしれねぇ!今までだってそうやって人を食ってきやがったに違いねえぜ!」
「この老人を助けてくれたが、あの笑みの下で何を考えてるかわからぬわい…おお、恐ろしい恐ろしい…おぞましい化物じゃ…」
「さっさと死んじゃえ!この化物!」
「はやく殺せー!」
「嬲りものにしろ!!化物は一匹残らず殺し尽くせ!!」
なんだこれは、とハディは呟く。
目の前のこれは、まさに…、
「さらに!吸血鬼を庇い立てし、助けていた裏切り者たちがいる!この者たちも等しく刑に処されるべきである!!」
その言葉にハッとなって顔を上げれば、いつの間にか、縛られるハディの横には別の処刑台があった。
処刑人がギラリと輝く斧を掲げ、斬首台の前で佇んでいる。
そして合図と同時に、その台に連れてこられるのは、見知った人々。
「ガル・ミンシェーレのゲッシュ!」
宿の親父はいつもの赤ら顔を歪ませながら、悪態をつきつつ台へと引きずられていく。群衆はそれへと罵詈雑言、そして石を投げつけ、せせら笑い、汚物を見るような目で値踏みする。
悪意の前でゲッシュは項垂れながら、斬首台へうつ伏せにされる。
「ああ、すまねぇ、ハディ…」
それだけを合図に、処刑人の斧が振り下ろされる。
「…やめろ」
飛び散る血しぶき、舞い飛ぶのは丸い首。
ごろりと転がり、苦悶の表情を貼り付けるそれを掲げながら、司祭は続けた。
「裏切り者は皆、死すべきである!さぁ、次の罪人をここへ!」
次に引っ張られてきたのは、ミライアだ。
彼女は抵抗することもなく寝かされ、呟いた。
「…ああ、ジャド。またアンタに会えるなら…」
振り下ろされる音。
「…やめ、ろ…!!」
「次!」
次に連れられたのはライド。
「………」
何も言わずに、ライドはただ無言で目を伏せた。
振り下ろされる音。
「…やめろ」
「次!」
次に連れられたのは、ダーナ。
「や、やめて…やめてよ!アタシは…死にたくない…死にたくなんかない…!!助けてよぉハディ!!」
振り下ろされる音。
「やめろぉっ!!」
咄嗟に走り出そうとして、気づく。
今、ハディは火刑台に張り付けにされているのだ、と。
藻掻いて引き千切ろうとするも、吸血鬼の怪力に対して、何故か縄はビクともしない。
「次!」
引き摺られてきた人物を見て、ハディは顔を歪める。
誰かの投げた石が当たったが、ケルトは気にもせずに静かな表情で、じっとハディを見上げている。
足蹴にされて断頭台に寝かされながら、ケルトは呟く。
「貴方だけでも生きて下さい、ハディ」
振り下ろされる音。
「くそっくそぉぉ!!なんで、どうしてだ…どうして外れない!?どうしてっ!?」
ギリギリと腕に食い込む縄はビクともせず、皮膚を削って血を流しても千切れない。
咆哮を上げながら腕を引きちぎらんばかりに藻掻けど、その全ては無意味に等しかった。
「次!」
無情な宣告の後、引き摺られてきたのは、ハディにとっても最も特別な存在で…、
「メル姉!!」
ハディの悲鳴のような叫び。
それに応えることはなく、メルサディールは静かな表情で、凛とした佇まいのままに歩を進めた。
抗うことをせずに、されるがままの肉親に、ハディは思わず叫ぶ。
「逃げろメル姉!俺の事はいいから…だから逃げて…!メル姉ならこんなの、なんでもないだろ!?」
「…ハディ」
人々の歓声がひときわ大きく聞こえる。
裏切りの勇者、化物の仲間、人種の敵、勇者こそが魔王だ、と。
その自分勝手な罵詈雑言の中でも、常と変わらぬメルはゆっくりと目を向けてから、静かな微笑みを浮かべた。
「さようなら。そして、守れなくて…ごめんなさい」
「っ!!」
ヒュッと息を呑んだ直後の、振り下ろされた音。
目を見開くハディの前で、赤い血しぶきが、宙を舞った。
ドクン、と、心臓が高鳴った。
――――俺のせい?
その通りだ、と脳裏で呟く声がある。
――――こんなのはタダのまやかしだ。
そう呟く言葉に、しかし本能が否定を返した。
――――でも、俺がここに居れば、いつかはこうなる。だって人間は…そういう生き物だって、知っているから。
再度のドクン、と心臓が揺れたかのような衝撃に、ハディは思わず苦悶の声を上げて叫んだ。
「…ぐ、ああぁっ!?」
それは苦痛だったが、同時に身の内から、声が響くのを聞いた。
【無力で無様だな。肉親一人、守れないのか】
体の奥底、胸の内より尚深くから、出せと叫ぶ声が言う。
【弱いお前は邪魔だ、だから、】
メキメキと体が盛り上がり、角が生え、右腕が不自然に捻じれた腕へと変化する。
皮膜の翼、ギラついた牙、血に飢えた赤い瞳。
【後は全部、俺がやる】
本能という名の獣は目覚め、おぞましい咆哮を上げながら、自らを拘束する火刑台を引き千切った。
そこにはもはや、ハディという人としての面影など、欠片もなかった。
※※※
…帝都学園の寮の一室で、少年はキャンバスを前に項垂れていた。
手に持つのは絵筆、されど、それは長いこと動かないまま、虚空に留まっている。
「………」
ようやく腕を動かし、白いキャンバスへ徐々に色彩を乗せていく。
それは神話の一幕。
世界を作る三柱が、腕を合わせて空と大地と月を作り出す情景。
少年は、無心にそれに筆を走らせて…
「…くそっ!!」
ザッ!と、パレットナイフでそれを斬りつける。
ざっくりと表面が抉れたキャンバスには、もはや何が描かれていたかはわからない。
少年は怒りとも悲しみとも言えぬ表情で首を振ってから、持っていた絵筆を放り捨てて座り込んだ。
「違う…こんなんじゃ駄目だ。僕が本当に描きたいのは…こんなものじゃない!」
そう言って蹲る彼の元へ、慰めるように精霊たちが集う。それに答える気力も無いままに、少年はうなだれ続けている。
…少年は、ある侯爵家の子息であった。常ならば彼もまた侯爵家の一員として育ち、家督は兄が継ぐにしても、なんらかの領地を得て富み増やす事を使命とされていた。
しかし、少年は絵が好きだった。画家としての道を歩んでみたいと、幼い頃から夢見ていたのだ。事実、彼には才があった。趣味として許された絵の勉強でもお墨付きをもらい、絵の神童として一部では囁かれていた。
だが彼は既存の絵よりも、もっと新しい描き方を模索していた。その型破りな描き方は頭の固い人々には受け入れ難かったようだが、一部の人達には好評であった。君はきっと未来の画家の先駆者になるに違いない、そう言ってくれた先生もいた。
ならば、自らがどれほどまで行けるのか、彼は試してみたかった。
自らの絵の腕前で、人々の認識をどこまで変えられるのか、芸術の世界に新しい波を引き起こしてみせると、そう意気込んでいたのだ。
だがしかし、彼の父はそれを許さなかった。
三男とはいえ侯爵家の一員ならば、絵描きよりも家の為に尽くしてみせよ、と。
そう言い放ち、少年の絵を全て処分してしまった。
されど彼は諦めず、何度も父とぶつかり合い、勘当覚悟で説得を試みた。
そんな噛み付く彼へ、渋々と言った形で父が提示したのは、自らを感動させる絵を描いてみろ、である。
「…僕の腕で、父上を納得させられるのか?いや、出来ないとは言えない…けど、僕の絵じゃあの人は動かない。動くわけがない…」
子供遊びと切って捨て、少年の言葉に耳を貸さない父ならば。どんな絵を出しても納得などしないだろう、という予想は大いにできた。
ならば、そう言えない程の代物を作ってやろう、と意気込んだは良いものの、絶賛スランプに陥っていたのである。父は翼種の絵を好むので、それに習って宗教画を描こうとしても、どうしても筆が止まってしまう。個人のために描く絵は初めてで、しかもそれが苦手な相手なのだ。悩めば悩むほど、彼は何を描くべきかわからなくなっていった。
何より、大事な友を描くと父が嫌がるので、友を描くことが出来ないでいる事もまた、スランプに拍車をかけていた。
「どうして、君たちの存在を信じてくれないんだろうな…僕には見えるのに、他には誰も見えてない。けど、居るのは確かなのに」
彼は生まれついて、小さな輝きたちが目に見えていた。小さい頃は虚空ばかり見ている彼を、不思議な子供だと大人たちが思っていたが、大きくなっても見えない何かと話している彼が、病気ではないかと心配し始めた。医者にかかっても改善しない彼の目に関しては、そういうものだと諦めているようだが。
しかし、彼には見えているそれが現実である。
彼らの存在を知ってもらうために絵を書き始めたのが契機だったが、その目論見も上手くいっているとは言い難い。
「…壁の事、絶対に知られるよな」
ある日、絵が描けないストレスから、半ばヤケクソじみた衝動で絵筆を持って落書きをして回った。キャンバスという小さな枠よりはみ出すように、学園のそこら中に絵を描いた。
最初は運が良かっただけだったが、その絵の評判が思いの外悪くなかったので、ならばと次からは実家からこっそり持ち出してきた魔法道具を用いて、隠蔽しつつ描いていった。
絵はすべて消されてしまったが、それでも芸術を愛するわけではない子供らからの反応は悪くない。むしろ、純粋に見られる分、彼らのほうが素直である。小さな光たちの表現も、子供らにとっては幻想的な代物として映っているようで、彼にとってはいい反応であった。
少年は大きなため息を吐いて、抉れたキャンバスの前でうなだれる。
いっそ逃げてしまおうか、と自棄っぱちな思考に偏っていった最中、
コンコン
と、ノックの音が響いた。
「?…誰だろう」
夕刻になりつつある頃合い、こんな時間に来る友人は居ない。みんな食堂へ向かっているからだ。
返事をしつつ扉を開ければ、そこには…、
「御機嫌よう」
「…え、あ、…えっと?御機嫌よう…」
黒髪の麗人が佇んでいた。
メガネで隠されているが、どこか理知的な瞳がこちらを興味深そうに見ているのを察し、少年は思わず上ずった声を上げた。
「し、失礼ですが、どなたでしょうか…?」
「突然の来訪、失礼しましたわ。アタクシは冒険者のメルと申しますの」
「は、はぁ、冒険者…?」
「実は、此度の落書き騒動事件の解決を求められて、調査に来たのですが」
その一言に、少年はさっと顔色を変えた。
バレたのだ。
「おっと少年、逃げようなどとは思わぬことだぞ。そこのメルは容赦ないからなー」
「うわっ!?」
背後の声に驚いて振り向けば、いつの間にか老人が部屋の中に入り込み、壁に掛けられている絵画を眺めていたのだ。
「いつの間に…!?」
「ちょっとおじい様!貴方は礼儀というものを改めて学び直して下さいませんこと?」
「私の中に礼儀という文字はない」
「ほんっとうに無礼な殿方ね!」
女性と軽口を叩きあっていた老人は、不意にゆっくりとこちらへ目を向け、見つめてきた。
黒い瞳が、どこか探るように、薄暗い色合いでこちらを値踏みしている。
それに、少年は言いようのない不安感を抱いた。
思わず身を引く少年を見かねてか、女性が呆れたように指摘する。
「ほら、怖がっていますわよ。おじい様は顔が怖いんですから、もっと笑顔の練習をしてくださいませ」
「何を言う、私の笑顔は悪役笑いだけだとも。あ、ニヤリは私の専売特許だからな、パクるなよ」
「パクりません」
「あ、あのっ!それで貴方達はいったい誰なんですか!?」
再び少年の上ずった声に、二人は目を見合わせてから、メルと呼ばれた女性は微笑んだ。
「ルディス・エシェク・ライマー様。貴方が落書き事件の犯人ですわね?」
「…………は、はい」
否定する余力もなく、少年はがっくりと頷いた。
「ほぅ、素直で大変に宜しい。で、君は君のお父上へ、絵を認めてもらうために事件を起こしたのだろう?あとは、日の目を見たいという承認欲求」
「そ、そうです、けど…あの、このことを父上に…」
「言わないという理屈はないな」
ぐっと詰まる少年へ、しかしメルは視線を合わせながら、口を開いた。
「ルディス様。自らを見てもらえないというその寂しさ、アタクシには理解できます。だからこそ、このようなことを続けてはいけませんわ。それでは事態がややこしくなるだけで、何の解決にもなりませんから」
「…でも…」
「貴方のお父上は、貴方を認めていないのでしょう?でしたら…それを認めてもらえるように、それを成さねばなりません」
「でも、どうすれば良いのか…僕にはわからない!どうすればあの父上を納得させられるのか、わからないんです!」
「なんだ、絵の才能に自信がないのかね?」
「そういうわけじゃ…!」
「じゃあ、信じればよかろうに。絵で食っていこうという強い覚悟があるのならば、怖いものなぞ何もなかろう。必要なのは覚悟と、一歩を踏み出す勇気。それだけだ」
否定するでもなく、竹を割ったような返答に、思わず老人を見上げる少年。
そんな子供へ、老人は睥睨するように見下ろす。
「特大のキャンバスを用意してやろう。少年よ、全ての者が目を奪われるほどの、素晴らしい絵を描いてみよ。君のその腕にかけて、すべての力を振るうのだ。さすれば、君の父親は、君の素晴らしい腕を認めることだろう」
「…そんな、僕は、少し変なのが見えるだけで…」
「無知とは恐ろしいな。その才能はとても稀有だというのに。君は君が思う以上に、精霊に愛されている」
自信なさげな少年へ、ニヤリ、と笑みを浮かべる老人。
…少年には、そんな老人の周囲に浮遊する、大きな輝きが目に入った。あまりにも眩く、あまりにも暗い、見たこともない輝き。どこか空恐ろしい程の、まるで夜空のような黒さだったから、思わず彼は呟いた。
「…貴方は、その、人間なのですか?」
「…」
それにも答えず、老人は指を一本立てて、口元を抑えた。
…それが答えだったのだ。
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