無敵少女の意のままに

CHABO

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13.Magical mystery tour

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【previously on 無敵少女の意のままに】
マァナの真の目的が発覚、誘惑に負けたソフィーは仲間入りを容認するw
だが彼女含め家族の曲者っぷりに頭を悩ますソフィーだった。

「エメリー、話がある...」
マァナの加入を認める代わりに、人体実験の件はちゃんとエメリーの許可を取ろう...という話になった。
「実はな...」
わたしはエメリーに詳細を説明した。
「ん~、良く分からんが別にいいぞ。毎日おいしいジュース飲めるしな」
「きゃ~~、ありがとうエメリーちゃん!!頑張っておいしいジュース作るからね!!」
相変わらず軽い軽いw
だがこれで戦闘力と金策の2つを同時に手に入れた。
しかし...こいつ本当に強いのか??
そんな事を考えていると突然入り口のドアが開く。
「エヴァンズさん、大変だ!!魔物の大群が町の北方から迫ってる!!」
「またか...数は??」
「正確には不明だが300以上はいるかと...」
さ、300だと!?
軍隊が出動するレベルの危機ではないか!!
「はぁ~しょうがない、マァナ行ってやってくれ」
「え~~、父さんが行けばいいじゃない」
「今日は腰の状態が悪い。それにお仲間さん2人の経験値にもなるだろ?」
「ん~~、まぁそうだけど。はぁ、分かったわ、行きましょソフィーちゃん、エメリーちゃん」
「おっ、おいちょっと待て!!300体の大群にお前1人でどうやって...」
「だ~いじょうぶ!!信じて付いてきて~」
わたしとエメリーは半ば強引に現地に連れて行かれた。

ウルズの町、北の平原。
「な、何だこいつらは...下級モンスターが隊列を組んでいる、だと??」
下級モンスターは本来、知能が低く好き勝手暴れることしか出来ない。
「ここの下級モンスターは中位の天使ドミニオンが知力向上のバフを掛けてるのよ。それでも隊列組むくらいが精一杯みたいだけど」
ドミニオン、上級クラスのモンスターだ、3英傑様でも苦戦するだろうな。
「で、この300体をどうやって処理するんだ?」
「ん~~、この位の数なら半日は覚悟かな~...」
??どういう意味だ??
「まぁそこで見てて、サクっと終わらせるから」
そう言うとマァナは両腰の魔銃に球状の弾を込める。
「この魔銃は特別製でね、調合した液体の入った弾にわたしのMPを銃のグリップから流し込んで特殊な効果を撃ち出せるの」
通常の魔銃は予め様々な効果の弾を込めてMP消費なしで撃ち出せるものだ。
ダンカーの特殊アイテムといったところか。
「いっくよ~~、ビハインド・ジ・アーク!!」
上空に撃ち出した2発の弾が弾け飛ぶ。
すると、真っ黒い雲がモンスターの上空を覆い尽くした。
「何だこれは!!な、何をする気だ??」
その瞬間...
「ギィヤァァァ~~~!!」
雲からは無数の雷が降り注ぎ、みるみるモンスターを黒焦げにしていく。
その間数秒...あっという間に全てのモンスターを駆逐してしまった。
「マァナ姉ちゃんすっげぇ~~~!!」
とんでもない能力だ、こんな真似3英傑様でも不可能だろう...。
「お、お前すごい奴だった...ん??」
マァナがいない...代わりに見慣れない女の子が立っている。
「はぁ~、半日このままかぁ~...」
「お、お前、マァナ、か??」
「そうよ。あの魔銃使うと消費したMPと比例した時間、縮んじゃうのよ~」
「うちと同じくらいの大きさになったな~、へへへかわいいかわいい」
そうか、だからあんなに短いスカート履いてたのか、縮んだ時の事も想定して。
「このデメリットは各ダンカーで違うのよ~、うちのお父さんはヘルニアが爆発するみたい」
な、なるほど、そりゃマァナに押し付けたい気持ちもちょっと分かるw
「と、いうわけ。MPもほとんど空っぽだからおんぶして家まで連れてって~~」
「エメリーがおんぶするぞ!!」
「あら、ありがとうエメリーちゃん!!」
とはいえ凄いものを見た、世界は広いな...。
「あなた達にもかなり経験値入ったでしょ?」
「あ、あぁ。傭兵時代の1ヶ月分くらいの経験値だ、ありがとう」
無敵のエメリー、化け物じみた能力の使い手マァナ、わたしも強くならないとな...。

マァナの骨とう品屋に戻ってきた。
「おかえりマァナ、どうだった?」
「うん、問題なし!!ちょっと加減間違えて半日は戻れないわ」
「MP回復の薬とかはないのか?」
「今のところ未開発ね~、まぁいずれ作ってみせるけど」
この世界、HPの回復ポーションはあるがMPの回復は時間経過しか出来ない。
「あっ、そうだ。おじいちゃんは家にいる??」
「あ、あぁ、いるけど...今日は行かないほうがいいぞ」
「どうせジャンマーでしょ?かわいい孫娘が帰ってきたんだから顔見せてくるわ」
「まぁ、好きにしなさい」
今度は噂のイカれたじいさんに会う事になった。
宗教勧誘などされないか心配だ...。

「着いた、ここよ」
デカイ屋敷だ、入り口には信者だろうか?見張りがいる。
「おぉマァナちゃん、お帰りなさい。聞いてるよ、300体のモンスター処理ご苦労さん!!」
「ありがと。おじいちゃんいる?」
「えっ!今は取り込み中だからまた後にした方が...」
「かわいい孫娘が会いたがってんだから大丈夫よ」
マァナはわたし達を連れて強引に家の中に入る。
「お、お邪魔しま~~す」
すると廊下まで聞こえる声がする。
「リーチだ!!トドメ刺してやるクソ天使が!!」
「ふん、それだクソジジイ!!」
「なっ、てめぇズルいぞ!!男ならリーチして来やがれ」
「だからお前は俺に勝てないんだよ、なっはっは」
うわ~~、もう完全にいるな、神話級の天使が...w
「おじいちゃん!!」
マァナが勢いよく部屋の扉を開ける。
「おぉマァナ、帰っておったんか。おかえり!!ちょっと待て、このクソ天使に今度こそ引導渡してやるからの」
「久しぶりだなマァナ、おや、その後ろの2人は...えっ、まさか!!」
「おぉ~ホントに天使がいる!!うちはエメリーよろしくな!!」
「やっぱり!!ひいぃぃ…」
おいおい、神話級の天使が出していい声じゃないぞw
「じょ、嬢ちゃん、この事は他の誰にも言わないでくれないか?」
「お前、エメリーの正体を知ってるんだな?」
「あ、あぁ、キュクロープスから話は聞いている。だが今の俺は何というか、オフというか、その~...」
「わしとこのクソ天使が友人なのは一部の者しか知らん。一応、崇拝対象として祀ってることになってるからのぅ」
「そ、そういうことなんだ。だからこの事は内密に...特にキュクロープスなんかには特に...」
はぁ、神話級のモンスターはどうしてこう人間臭い奴らばっかりなんだw
「分かった。ところでモンスター共はエメリーをどうするつもりだ?」
「残念だが答えられん。俺は今プライベートだからな、ごめんな嬢ちゃん」
オンとオフがハッキリしてるモンスターなんて初めて見たよw

所変わって魔王城。
「ステンノー、ケルビムには連絡してやったか?」
「いえ、部屋にお伝えにあがったらこんなものが...」
「なになに...休暇を取るので探さないでね...あいつ、この前も長期休暇取ってたよな?」
「ですが魔王様の方針は、休暇は各人自由に!というものですので...」
「まぁな~、まぁ無敵少女と会うとも限らんし放っとけ放っとけ」
その日、神話級モンスター大天使ケルビムは徹夜でジャンマーを打ち続けた...w
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