無敵少女の意のままに

CHABO

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【previously on 無敵少女の意のままに】
風神アウライに見事な作戦勝ちを収めたソフィー達。
一方、さやかは何かを企んでいるようで...。

「さやか様」
「あら、シュブ=ニグラスじゃない、どうしたの?」
「どうしたのって…指示されていた部隊の編成が整いました」
「あぁ、そうだったわね。じゃあすぐに発ちなさい」
「はっ、直ちに!!」
シュブ=二グラスは転移で消える。
「バブルで盛り上がってるスパールの町、きっと素晴らしい素材が溢れてるはずよ~」
「あいつなら1日あれば攻め落とすだろ。そんな事よりうち、腹減ったぞ」
「あら、じゃあ次の町で食事にしましょう。わたしは食べても意味ないけど、ホムンクルスだから」

一方ソフィー達はスパールの町に戻り、就寝前の会議中だった。
「次の目的地はどうする?」
「そうねぇ~…」
すると突然、目の前に転移空間が現れる。
「ふわぁ~~...あら、お邪魔だったかしら」

「ステンノー。前から聞きたかったんだが、お前の転移魔法どうなってるんだ?ピンポイントでわたし達の側に来られるようだが…」
「どこでもってわけじゃないわ。会いたい人の顔を想像しながら転移すると半分程度の確率で近くに飛べるの」
「そんな真似、あなたにしか出来ませんわ、天才」
「お褒めに預かり光栄です、アン様」
「わたしに様付けはおやめになって。元々は種族間で敵対してたのですから」
「やっぱり悪魔と天使は敵対してたの?」
「表立っての戦いはありませんが、お互い良くは思ってなかったようです。ですが長い歴史の中で偉大なるご先祖様がとある事をキッカケに和解しました」
「ど、どんなキッカケだ?」
「初代アイドル、セーコの熱烈なファンという共通点が…」
「あぁ、もういい、分かったw」
モンスターってオタク気質なのか?ww
「私はあなた様の特異な力、そしてケルビム様を尊敬しております。お孫様であられる貴方様への敬称、どうぞお許しください」
「はぁ、分かりましたわ。お好きに呼んで下さいまし」
ステンノーは自己肯定感の低い天才。
少しでも相手に尊敬する部分があるとへりくだる傾向にあった。
「で、何かあったのか?」
「そうそう、この町にモンスターが侵攻するという情報が入りましたのでそれをお伝えに…」
「何だと、大事おおごとじゃないか!!ルシファーは対応しないのか?」
「基本的に魔王軍は野良モンスターと人間の争いには関わりません。ケルビム様は例外中の例外だと思った方が良いわ」
あいつ、あれでも親身だったんだなw
「いつだ?」
「もう間も無く…」
「モンスターだ~、モンスターが攻めてきたぞ~!!」
外から声がする。
「次からもう少し早く教えてくれ!!行くぞみんな」
「せっかく伝えに来たのに、そんな言い方…」
メソメソしだした、面倒臭い悪魔だなw
「あ~、ごめん、ごめんて~」
「じゃあ後は宜しく~♪」
ステンノーはかわいく手を振り、ウインクして転移空間に消えていった。
マジで手伝わんのかぃw

町の入り口に到着。
「戦況は?」
「あぁ、問題ない。数は多いがほぼ雑魚しかいない。この町の戦力舐めすぎだな」
確かに対応している連中は手練れだ、負けはまずないだろう。
だが、何かおかしい。
「お、おい。何だこいつは??」
人間、モンスター、互いの血が形となっていく。
「メェェェェ~~~」
「こ、この能力は!!」
「山羊か!?ぐぁっ!!」
山羊の形をした血の塊はこちらに向けて攻撃を仕掛ける。

「くそっ!!斬ってもまるで意味がない!!」
「水魔法を使える者は攻撃効果をゼロにして量重視で放ちなさい!!」
アンちゃんが戦士達に指示を出す。
「みんな、この子の言うとおりにしろ!!」
「わ、分かった!!」
周辺に大量の水がまかれる、すると血が薄まり山羊はどんどん小さくなる。
「常に水をかけながら戦いなさい」
「何だ、この能力は?」
「これはクトゥルフ族の特殊能力。おそらく神話級クトゥルフ族、元魔王軍『黒山羊、シュブ=ニグラス』」
クトゥルフ族は希少な種族だが、各々が強力な固有能力を所持しているそうだ。
「まともにやり合って勝てる相手ではありませんが肝心の術者が見当たりませんね。お姉さま、どうお考えですか?」
「陽動か...単純に第1部隊なのか...。目的が分からんから何とも言えんな...」
「そうですね。この町は援軍が呼べるほど他の町と近いわけでもないですし...」
「マァナ!!町の人と協力して非戦闘員を避難させてくれ」
「エラも行く~~」
「いや、エラはいてくれ。水魔法は今現在お前しか使えない」
「あっ、あ~~、そ、そうね、ワカッタワ...」
あっ、こいつ安全な方に行けなくて動揺してるなw
「とりあえずこのまま待機しよう」
「下手に動くよりそれが良さそうですわね」

それから1時間ほど経過...。
「何なん??まさかさっきので終わりか?ww」
「シュブ=ニグラスが近くにいるのは間違いありません。警戒を怠らず...」
何がしたいんだよ、そいつw

一方、シュブ=ニグラス。
「あ、あの。我々の出番はまだですか?シュブ=ニグラス様...」
「...ごめん。ちょっと昔の嫌な事思い出しちゃって...。今はほっといて...」
(黒歴史を思い出しちゃったにしては落ち込むの長すぎない?)
シュブ=ニグラスは繊細だったw
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