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第一章
銀紙に包まれた秘密①
しおりを挟む床に散らばった贈り物を見下ろしながら、くらりと目眩がする。
そんな事しちゃ駄目、あの人を悲しませないで。
なんて声が聞こえる気がして、とうとう頭がおかしくなったのかと自分をせせら笑った。
「…」
ギシッ…。
汚くなった床を片付ける気も起きなくて、そのままベッドに身を投げると、肩に鈍痛が走った。
まだ、ロウに噛まれた所は治っていない。
どうやら食事を取らない日が続いた所為で免疫力も低下しているらしい。
悪夢を見て暴れた時に傷口が少し開き、包帯に血が滲んだのを見たあの人は悲しげに表情を歪めていた。
「αなんて消えてしまえばいいのに…」
あんな表情をされたところで、私の意思は曲がらない。
ポツリと呟いたのは本音であり、決して偽りではない。
この世で一番嫌いなαを許してはいけないと全身が信号を出しているのだ。
それに従わなければ、復讐なんていつまで経っても出来ないままだ。
「…」
ズクン、と肩が痛む。
治り掛けの指先も、何故かチクチクと痛む。
まるでロウの事を思い出させるかのような身体の反応に、溜め息を漏らす。
ロウがどうなったかは知らないけれど、きっとあの男は生きている。
そう、傷口が知らせている気がする。
「…ルビー、なにか物音がしたようだが…」
「…」
「入るぞ、」
仕事を少し抜けた彼は扉を開けて、驚いた表情をした。
少し怠そうにしてベッドに寝転ぶ私を見て心配したのだろうか。
それとも床に散らばったチョコレートを見て、また心が傷ついたのだろうか。
「…」
その日の彼はベッドに近寄り、ただ私の頬を優しく撫でたのだった。
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