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第二章
愛と復讐③
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「時雨……」
「病人に無理をさせるなんて、やっぱりアンタは保護者失格よねぇ。」
「…やっぱりお前には帰ってもらうとしよう。」
「何よ、さっきから浮き沈み激しくしてこっちを振り回してる自覚もないわけ?」
私としては助かったのだけれど、時雨さんがそうして止めた事でまた二人の口喧嘩は再開されてしまったのだった。
またガミガミとギンさんが怒り始め、時雨さんは呆れたように言葉を返す。
ああ、二人の喧嘩を聞いていたら頭が痛くなってきた。
駄目だ…。
薬も飲んだはずなのに、また…。
「う…」
「ルビー!!」
「ルビーちゃん!?」
片手で頭を押え、少し声を上げた瞬間。口喧嘩をしていた二人が即座に反応してこちらに振り向いた。
ピタリと口喧嘩が止んだのはいいものの…。
すぐさまギンさんが左手で私を抱き寄せ、頭痛を和らげる為なのか、額や髪の毛に口付けを落としてくる。
うう、こういう時は寝かして欲しい…。
「…もう、喧嘩…止めて…。」
私は顔の近くでリップ音を奏でる大きな口を眺めながら、小さな声でそう口にした。
それが驚く程に効果を見せ、二人が返事の代わりにブンブンと顔を上下に振っていた。
「ゆっくりお眠り…。」
静かになった部屋の中で、ギンさんが耳元で囁く。
嗚呼、この体勢はギンさんの匂いがする…。
温かい腕に抱き締められるといつも安心して、自分の犯した罪すらも忘れてしまうの。
忘れてはいけないのに…。
甘えてはいけないのに…。
「お前にならどんな事をされても許せる…。それくらいにお前を愛してる…。だから、甘えていい。好きなだけわがままも言って、俺に甘えるんだ…。」
罪の意識を忘れないように頭の中で繰り返している私に対し、彼が呟くのは慈悲深い言葉で。さらに無償の愛も添えられ、聞いているだけで涙が止まらなくなる。
涙を舐め取られる感覚と、抱き締められるこの感覚は久し振りで…。無意識に広い背中に腕を伸ばし、胸元に顔を擦り寄せた。
離れたくない。
離れ難い…。
それは、三年前のあの日に感じた気持ちと同じだった。
「…寝ちゃった?」
「ああ、」
「…やっぱり、この子はギンが居なくちゃ駄目みたいね」
「さっきと言ってる事が180度違ってるが?」
「さぁ、そうかしら」
ギンさんの腕の中で眠った後、二人が穏やかな顔をして話していた事を私は知らない。
「病人に無理をさせるなんて、やっぱりアンタは保護者失格よねぇ。」
「…やっぱりお前には帰ってもらうとしよう。」
「何よ、さっきから浮き沈み激しくしてこっちを振り回してる自覚もないわけ?」
私としては助かったのだけれど、時雨さんがそうして止めた事でまた二人の口喧嘩は再開されてしまったのだった。
またガミガミとギンさんが怒り始め、時雨さんは呆れたように言葉を返す。
ああ、二人の喧嘩を聞いていたら頭が痛くなってきた。
駄目だ…。
薬も飲んだはずなのに、また…。
「う…」
「ルビー!!」
「ルビーちゃん!?」
片手で頭を押え、少し声を上げた瞬間。口喧嘩をしていた二人が即座に反応してこちらに振り向いた。
ピタリと口喧嘩が止んだのはいいものの…。
すぐさまギンさんが左手で私を抱き寄せ、頭痛を和らげる為なのか、額や髪の毛に口付けを落としてくる。
うう、こういう時は寝かして欲しい…。
「…もう、喧嘩…止めて…。」
私は顔の近くでリップ音を奏でる大きな口を眺めながら、小さな声でそう口にした。
それが驚く程に効果を見せ、二人が返事の代わりにブンブンと顔を上下に振っていた。
「ゆっくりお眠り…。」
静かになった部屋の中で、ギンさんが耳元で囁く。
嗚呼、この体勢はギンさんの匂いがする…。
温かい腕に抱き締められるといつも安心して、自分の犯した罪すらも忘れてしまうの。
忘れてはいけないのに…。
甘えてはいけないのに…。
「お前にならどんな事をされても許せる…。それくらいにお前を愛してる…。だから、甘えていい。好きなだけわがままも言って、俺に甘えるんだ…。」
罪の意識を忘れないように頭の中で繰り返している私に対し、彼が呟くのは慈悲深い言葉で。さらに無償の愛も添えられ、聞いているだけで涙が止まらなくなる。
涙を舐め取られる感覚と、抱き締められるこの感覚は久し振りで…。無意識に広い背中に腕を伸ばし、胸元に顔を擦り寄せた。
離れたくない。
離れ難い…。
それは、三年前のあの日に感じた気持ちと同じだった。
「…寝ちゃった?」
「ああ、」
「…やっぱり、この子はギンが居なくちゃ駄目みたいね」
「さっきと言ってる事が180度違ってるが?」
「さぁ、そうかしら」
ギンさんの腕の中で眠った後、二人が穏やかな顔をして話していた事を私は知らない。
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