真実の愛なんてクソ喰らえ

月宮雫

文字の大きさ
181 / 204
第二章

愛と復讐⑤

しおりを挟む
その日はとても綺麗な月夜だった。

窓の外を見ると丸い月が暗い道を照らしていて、それが道標のようにも見えて、美しかった。

時雨さんが言っていた、謝るタイミングを作る事を考えるには最適な夜だった。





「…ギンさん、どうしたの?」

「…グルルル」




…少し落ち着かない様子の彼を除いて。

何故か、ギンさんが夕食を食べる前から毛を逆立て唸り声を上げ続けている。

いつも傍にいる執事やメイドの人達も今は居らず、二人だけの食事になったのだけれど、先程からギンさんの様子がおかしく、私は不安を抱いた。

ギンさんの目の前にあるのは高級なステーキ。さぞ美味しいであろうそれを無視して私を捉えている彼は、どう見たって普通じゃない。

ギンさん…、どうしたの?




「グルルル…っ、」




そう思う度に何かを察知した彼が唸り声を上げ、口から涎を垂らす為、私に原因があるのでは無いのかと考えた。




「ルビー、発情期は…来ているのか、」

「…来て、無い」




ようやく話したと思えば発情期の事を聞かれ、益々困惑する。

どうして今発情期の話なんて…。 

発情期なんでまだ先のはず、ギンさんだってそれを分かっているのに…。



「ギンさん…」



疑問に思いながら彼の傍に近付いた時だった。

突如、彼の手によってテーブルクロスが引かれ、ガシャンという音と共に高級な料理が下に落ちていく。

ああっ、勿体ない…!

そう思ったのも束の間、皿の破片が私の足や腕に当たり、切り口に沿って血の線が浮き出てきた。






「…いたっ、ぎ、」





右手の骨が治り掛けの彼は加減を知らずにテーブルもひっくり返し、私を料理が落ちている床に押し倒す。

お風呂に入って綺麗になった身体も、洋服も全て料理のソースでめちゃくちゃになり、悲しい気持ちでギンさんを見上げると…。





「今日…は、満月で狼の血が入っている者は少し興奮しやすい。その上、お前から特に濃いフェロモンが…出ている。」

「…え?」

「すまない…。少し抱かせてくれ、」

「……や、」






ギンさんが少し残った理性で今の状況を話してくれたおかげで私からフェロモンが出ている事が判明した。

フェロモンなんて出したつもりはない。

なんでそんな急に…。





「…怪我をさせてしまったな。」

「怖いよ、やだ、ギンさ…」

「大丈夫だ。痛くはしないから…、」





私は動揺した気持ちを抱いたまま彼に引っ張られ、食器やガラスが落ちた場所から少し離れたテーブルにうつ伏せで転がされた。




「やだ、やだ…っ、」




後ろから抱かれるのは初めてではないけれど、顔が見えない状況で繋がるのが怖くて、テーブルクロスに両手でしがみつきながら、彼に訴える。

謝れると思ったのに…。

瞼をギュッと閉じて唇を噛み締めていると、すかさず彼の指先が口の中に入り込んで、舌に絡んでくる。

くちゅ、くちゅ…と音を立てる口はだらしなく涎を垂らし、テーブルクロスを濡らしていく。




「…っ、んぅ」




ギンさんはしばらくすると、大量の唾液が絡み付いた指を引き抜いて、秘部にそれを塗り込んだ。

自分の唾液を肉壁に刷り込まれ、濡れた状態にまで解されるのは初めてで。恥ずかしくて顔を隠すと、彼の胸板が背中に乗ってくる。

背中に硬い筋肉の感触があった時、ああ、来るーー、と思った。




「…んっ、ぁっ、痛っ、やだっ、」

「力を抜け」

「あぁっ、ぁーーっ…」




太くて硬いモノが勢いよく中心を割き、奥を穿つ。

テーブルクロスを握る手に重なってきた彼の大きな手は私が逃げないように拘束する手錠のように絡み、中に侵入してきた肉杭が律動を始めた為、前にも後ろにも逃げられない。




「いっその事。お前を孕ませたい…。」

「…んっ、くっ、うぅっ、」

「愛してる…っ、絶対に離さない…」




シュッと衣服の擦れる音と肌と肌がぶつかり合う音が耳に届く中、私はギンさんに耳元で重たすぎる愛の言葉を囁かれていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

背徳のミラールージュ(母と子 それぞれが年の差恋愛にのめり込んでいく鏡写し)

MisakiNonagase
恋愛
24歳の市役所職員・中村洋平には、自慢の恋人がいた。2歳年上の小学校教師、夏海。誰もが羨む「正解」の幸せの中にいたはずだった。 しかし、50歳になる母・美鈴が21歳の青年・翔吾と恋に落ちたとき、歯車は狂い出す。 ​母の恋路を「不潔だ」と蔑んでいた洋平だったが、気づけば自分もまた、抗えない引力に引き寄せられていた。  その相手は、母の恋人の母親であり、二回りも年上の柳田悦子。 ​純愛か、背徳か。4年付き合った恋人を捨ててまで、なぜ僕は「彼女」を求めてしまうのか。 交差する二組の親子。歪な四角関係の果てに、彼らが見つける愛の形とは――。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

わたしたちの庭

犬飼ハルノ
恋愛
『夜明けになるまで絶対に寝室の扉を開けないで』  未来の義母が告げたのは奇妙な夜の掟だった。  父に売られる形でブルーノ伯爵子息の婚約者になったフィリスの物語。  ヒロインのフィリスが自らの力と周囲の人々に支えられて幸せをつかむ話ですが、しばらくは暗く重い展開です。  タグを途中から追加します。   他サイトでも公開中。

世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない

二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。 ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。 当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。 だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。 ――君の××××、触らせてもらえないだろうか?

処理中です...