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第二章
愛と復讐⑤
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その日はとても綺麗な月夜だった。
窓の外を見ると丸い月が暗い道を照らしていて、それが道標のようにも見えて、美しかった。
時雨さんが言っていた、謝るタイミングを作る事を考えるには最適な夜だった。
「…ギンさん、どうしたの?」
「…グルルル」
…少し落ち着かない様子の彼を除いて。
何故か、ギンさんが夕食を食べる前から毛を逆立て唸り声を上げ続けている。
いつも傍にいる執事やメイドの人達も今は居らず、二人だけの食事になったのだけれど、先程からギンさんの様子がおかしく、私は不安を抱いた。
ギンさんの目の前にあるのは高級なステーキ。さぞ美味しいであろうそれを無視して私を捉えている彼は、どう見たって普通じゃない。
ギンさん…、どうしたの?
「グルルル…っ、」
そう思う度に何かを察知した彼が唸り声を上げ、口から涎を垂らす為、私に原因があるのでは無いのかと考えた。
「ルビー、発情期は…来ているのか、」
「…来て、無い」
ようやく話したと思えば発情期の事を聞かれ、益々困惑する。
どうして今発情期の話なんて…。
発情期なんでまだ先のはず、ギンさんだってそれを分かっているのに…。
「ギンさん…」
疑問に思いながら彼の傍に近付いた時だった。
突如、彼の手によってテーブルクロスが引かれ、ガシャンという音と共に高級な料理が下に落ちていく。
ああっ、勿体ない…!
そう思ったのも束の間、皿の破片が私の足や腕に当たり、切り口に沿って血の線が浮き出てきた。
「…いたっ、ぎ、」
右手の骨が治り掛けの彼は加減を知らずにテーブルもひっくり返し、私を料理が落ちている床に押し倒す。
お風呂に入って綺麗になった身体も、洋服も全て料理のソースでめちゃくちゃになり、悲しい気持ちでギンさんを見上げると…。
「今日…は、満月で狼の血が入っている者は少し興奮しやすい。その上、お前から特に濃いフェロモンが…出ている。」
「…え?」
「すまない…。少し抱かせてくれ、」
「……や、」
ギンさんが少し残った理性で今の状況を話してくれたおかげで私からフェロモンが出ている事が判明した。
フェロモンなんて出したつもりはない。
なんでそんな急に…。
「…怪我をさせてしまったな。」
「怖いよ、やだ、ギンさ…」
「大丈夫だ。痛くはしないから…、」
私は動揺した気持ちを抱いたまま彼に引っ張られ、食器やガラスが落ちた場所から少し離れたテーブルにうつ伏せで転がされた。
「やだ、やだ…っ、」
後ろから抱かれるのは初めてではないけれど、顔が見えない状況で繋がるのが怖くて、テーブルクロスに両手でしがみつきながら、彼に訴える。
謝れると思ったのに…。
瞼をギュッと閉じて唇を噛み締めていると、すかさず彼の指先が口の中に入り込んで、舌に絡んでくる。
くちゅ、くちゅ…と音を立てる口はだらしなく涎を垂らし、テーブルクロスを濡らしていく。
「…っ、んぅ」
ギンさんはしばらくすると、大量の唾液が絡み付いた指を引き抜いて、秘部にそれを塗り込んだ。
自分の唾液を肉壁に刷り込まれ、濡れた状態にまで解されるのは初めてで。恥ずかしくて顔を隠すと、彼の胸板が背中に乗ってくる。
背中に硬い筋肉の感触があった時、ああ、来るーー、と思った。
「…んっ、ぁっ、痛っ、やだっ、」
「力を抜け」
「あぁっ、ぁーーっ…」
太くて硬いモノが勢いよく中心を割き、奥を穿つ。
テーブルクロスを握る手に重なってきた彼の大きな手は私が逃げないように拘束する手錠のように絡み、中に侵入してきた肉杭が律動を始めた為、前にも後ろにも逃げられない。
「いっその事。お前を孕ませたい…。」
「…んっ、くっ、うぅっ、」
「愛してる…っ、絶対に離さない…」
シュッと衣服の擦れる音と肌と肌がぶつかり合う音が耳に届く中、私はギンさんに耳元で重たすぎる愛の言葉を囁かれていた。
窓の外を見ると丸い月が暗い道を照らしていて、それが道標のようにも見えて、美しかった。
時雨さんが言っていた、謝るタイミングを作る事を考えるには最適な夜だった。
「…ギンさん、どうしたの?」
「…グルルル」
…少し落ち着かない様子の彼を除いて。
何故か、ギンさんが夕食を食べる前から毛を逆立て唸り声を上げ続けている。
いつも傍にいる執事やメイドの人達も今は居らず、二人だけの食事になったのだけれど、先程からギンさんの様子がおかしく、私は不安を抱いた。
ギンさんの目の前にあるのは高級なステーキ。さぞ美味しいであろうそれを無視して私を捉えている彼は、どう見たって普通じゃない。
ギンさん…、どうしたの?
「グルルル…っ、」
そう思う度に何かを察知した彼が唸り声を上げ、口から涎を垂らす為、私に原因があるのでは無いのかと考えた。
「ルビー、発情期は…来ているのか、」
「…来て、無い」
ようやく話したと思えば発情期の事を聞かれ、益々困惑する。
どうして今発情期の話なんて…。
発情期なんでまだ先のはず、ギンさんだってそれを分かっているのに…。
「ギンさん…」
疑問に思いながら彼の傍に近付いた時だった。
突如、彼の手によってテーブルクロスが引かれ、ガシャンという音と共に高級な料理が下に落ちていく。
ああっ、勿体ない…!
そう思ったのも束の間、皿の破片が私の足や腕に当たり、切り口に沿って血の線が浮き出てきた。
「…いたっ、ぎ、」
右手の骨が治り掛けの彼は加減を知らずにテーブルもひっくり返し、私を料理が落ちている床に押し倒す。
お風呂に入って綺麗になった身体も、洋服も全て料理のソースでめちゃくちゃになり、悲しい気持ちでギンさんを見上げると…。
「今日…は、満月で狼の血が入っている者は少し興奮しやすい。その上、お前から特に濃いフェロモンが…出ている。」
「…え?」
「すまない…。少し抱かせてくれ、」
「……や、」
ギンさんが少し残った理性で今の状況を話してくれたおかげで私からフェロモンが出ている事が判明した。
フェロモンなんて出したつもりはない。
なんでそんな急に…。
「…怪我をさせてしまったな。」
「怖いよ、やだ、ギンさ…」
「大丈夫だ。痛くはしないから…、」
私は動揺した気持ちを抱いたまま彼に引っ張られ、食器やガラスが落ちた場所から少し離れたテーブルにうつ伏せで転がされた。
「やだ、やだ…っ、」
後ろから抱かれるのは初めてではないけれど、顔が見えない状況で繋がるのが怖くて、テーブルクロスに両手でしがみつきながら、彼に訴える。
謝れると思ったのに…。
瞼をギュッと閉じて唇を噛み締めていると、すかさず彼の指先が口の中に入り込んで、舌に絡んでくる。
くちゅ、くちゅ…と音を立てる口はだらしなく涎を垂らし、テーブルクロスを濡らしていく。
「…っ、んぅ」
ギンさんはしばらくすると、大量の唾液が絡み付いた指を引き抜いて、秘部にそれを塗り込んだ。
自分の唾液を肉壁に刷り込まれ、濡れた状態にまで解されるのは初めてで。恥ずかしくて顔を隠すと、彼の胸板が背中に乗ってくる。
背中に硬い筋肉の感触があった時、ああ、来るーー、と思った。
「…んっ、ぁっ、痛っ、やだっ、」
「力を抜け」
「あぁっ、ぁーーっ…」
太くて硬いモノが勢いよく中心を割き、奥を穿つ。
テーブルクロスを握る手に重なってきた彼の大きな手は私が逃げないように拘束する手錠のように絡み、中に侵入してきた肉杭が律動を始めた為、前にも後ろにも逃げられない。
「いっその事。お前を孕ませたい…。」
「…んっ、くっ、うぅっ、」
「愛してる…っ、絶対に離さない…」
シュッと衣服の擦れる音と肌と肌がぶつかり合う音が耳に届く中、私はギンさんに耳元で重たすぎる愛の言葉を囁かれていた。
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