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神聖なる水魔法の使い手
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神龍様のお山の麓までケットシーのクロと共に
ホバーユニットで移動してきたセブン達は
不可視の壁に阻まれた。
セブンが外に出たところで、龍人族の戦士の
一団に前方を阻まれ、長と見られる戦士から
大音声の問い掛けを受けた。
「あー、自分は運命の女神様ノルン様に、
この世界へ召喚されたメタルゴーレムの
セブンと申します。」
片膝をついた状態でそう話し出すと、
いつぞやの様に武装展開をして、
生身の肉体がないことを見せた。
「この世界の人族に似た体つきですが、
このように全身が機械で出来ております。
おこがましいかと存じますが、今この世界では
水不足で獣人族、魔族、人族の方々が
苦しまれておられる様子。
この大陸の海を守っておられる海竜様、
ヨルムンガンド様にお話を聞き、
この天候を変えられるとすれば
神龍様を措いて他はないとの事。
神龍様には、雨も降る日がある天候に
変えて頂きたくお願いに参った次第です。」
頭を下げたままで、
そう一気に話をしたセブンであった。
「ノルン様の神徒と申すか。
頭をあげて立たれよ、セブン殿。
我は龍人族の戦士長のベンゼルである。
見た目は確かに、この世界では見ぬ機械で
出来ておるようだが、ふむ、そうであるな、
ノルン様の神徒であるとの証が何かあれば
見せてみよ。」
最初程の大音声ではなくなったが、
それでも大きめの声でそう要求された。
「ノルン様より授かりし、加護の力がございます。
枯れた湖であれば、ほぼ満水に出来うるほどの
大雨を降らせることができます。
何処か大雨を降らせてよいところがありましたら、
お示しください。」
「うむ、その神聖なる水魔法の加護の力があるのなら
皆を救えるのではないのか?」
「自分が対応できるのは限られた狭い範囲であり、
その場凌ぎに過ぎません。
野に生きるもの全てに、水は必要不可欠であり、
天からもたらされる雨は命の水と言えます。
継続的に雨を降らせて頂くことが、
とても重要なのです。」
「そうであるか、確かにセブン殿の言う通りであるな。
実は、かく言う我らも水不足で困窮しておるのだ。
その奥に開けた草の生えておらぬ平原が見えておろう。
そこは元々湖であったのだが、見ての通り、
ほぼ干上がってしまっておる。
ノルン様のご加護のお力で水を張れるというのであれば
是非にお願い申したい。」
そう言うと、ベンゼルは片膝をついて頭を垂れた。
後ろの戦士達も綺麗に一糸乱れることなく同じ礼の姿勢をとった。
(すごい練度の戦士達だな。見事過ぎて見惚れるな。)
「いえ、頭をお上げください。これはノルン様のお力であって
自分の力ではございませんので、
ノルン様にお礼をお願い致します。
では、雨を降らせますが、よろしいでしょうか?
参ります。 天空の瀑布 !」
セブンがいつものように両手を組んで
水魔法を発動させた。
ベンゼルの示した平原にしか見えない湖の上空に
突如として黒い雲が沸き立ち、爆音としか言いようのない
激しい音と共に滝が叩き落され始めた。
今回セブンは下流域のことも考えて、
あえて20分間降らせてみることにした。
滝が消えると同時に雲も消え去り晴れ間が戻ってきた。
呆然と煌めく湖面を見つめる龍人族の戦士達が立ち尽くしていた。
(やべっ、20分間は長すぎたか、
溢れすぎてる嫌な予感がする。)
変に緊張するセブンであった。
ネコ獣人族の村に残ったサラとカイは、拠点の二階で
カーラを交えて対応策を練り、セブンの連絡を待っていた。
(それにしても、因果なものね。
元々私とセブンは、日本の地下の隠里で水神様を祀り、
水の流れを引き寄せることのできる陰陽術を司る
天道神社の本家を継ぐ予定だったのに、
この世界に来ても水に絡むことばかりね。
我が一族は本当に水神様と結びつきが強い運命に
あるのだと思えるわね。
セブンは、武人は、私達のことは知らないようね。
武人は、血の薄い親戚筋の孤児だったのだけれど、
陰陽術の力の強さを感じた父が、
私の許嫁として引き取ってきたのだけれど。
最初はかわいい弟が出来たようで
嬉しかったのだけれど、陰陽術の訓練で才能を
発揮し始め出した辺りから、
少し妬ましくも思っていたわね。
今思えば懐かしい思い出なのだけれど、
あのノルン様のご加護のお力を使う時に、
気付かずに印を結んで、引水の陰陽術も
重ね掛けしているのだわ。
行使する度に、運命の女神様も威力の強さに
驚かれているかもしれないわね。
あらっ?
このタイミングで圧縮メッセージがくるなんて。
ノルン様ね。)
圧縮メッセージを解凍すると、
サラの眼内モニターに内容が展開された。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
送信者:*&%$#‘@+
コメント:やっほー!紗良!
やっぱり気付いてたんだね~。
種明かしするけど彼には内緒だよ。
紗良も知ってたように、彼にはもともと
水神様の加護の力があったんだよ。
私の方で魔力を付与して増幅している感じかな。
ふっふっふ、二人のこともしっかり知ってるんだけど。
実は二人が入るあの調整機には干渉出来るんだよね~
何でかわかるかな~?
あれ、実は私が作り直したノルンお手製の神器なんだよ。
大事に使ってね~。
頑張ったらご褒美があるかもねぇ~。
じゃあ、武人と楽しく仲良く長生きしてね~
バイバーイ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(えっ!?あの電脳兵専用調整ポッドが神器?
いいのかしら?内緒にしておくしかないわね。
ステータスに表示されているこの体のことも含めて、
まだ全てを話すわけにはいかないわね。)
さらの眼内モニターにはステータスが
表示されていた。
天道 紗良
種族:電脳化人族 年齢:110万時間
性別:女性
職業:運命神の巫女
テイマー ・バグドローンのマスター
・カーラのマスター
・カイのマスター
身長:160cm
体重:180kg(標準装備時)
攻撃力:S
生命力:S
魔力:A
俊敏性:S
耐久性:S
スキル:聖魔法 1審判の閃光 2浄化
氷魔法 1氷結 2氷壁
アイテムボックス共有(セブン:天道 武人)
電脳兵らしからぬ柔らかな体を、愛おしそうに
抱きしめるサラであった。
ホバーユニットで移動してきたセブン達は
不可視の壁に阻まれた。
セブンが外に出たところで、龍人族の戦士の
一団に前方を阻まれ、長と見られる戦士から
大音声の問い掛けを受けた。
「あー、自分は運命の女神様ノルン様に、
この世界へ召喚されたメタルゴーレムの
セブンと申します。」
片膝をついた状態でそう話し出すと、
いつぞやの様に武装展開をして、
生身の肉体がないことを見せた。
「この世界の人族に似た体つきですが、
このように全身が機械で出来ております。
おこがましいかと存じますが、今この世界では
水不足で獣人族、魔族、人族の方々が
苦しまれておられる様子。
この大陸の海を守っておられる海竜様、
ヨルムンガンド様にお話を聞き、
この天候を変えられるとすれば
神龍様を措いて他はないとの事。
神龍様には、雨も降る日がある天候に
変えて頂きたくお願いに参った次第です。」
頭を下げたままで、
そう一気に話をしたセブンであった。
「ノルン様の神徒と申すか。
頭をあげて立たれよ、セブン殿。
我は龍人族の戦士長のベンゼルである。
見た目は確かに、この世界では見ぬ機械で
出来ておるようだが、ふむ、そうであるな、
ノルン様の神徒であるとの証が何かあれば
見せてみよ。」
最初程の大音声ではなくなったが、
それでも大きめの声でそう要求された。
「ノルン様より授かりし、加護の力がございます。
枯れた湖であれば、ほぼ満水に出来うるほどの
大雨を降らせることができます。
何処か大雨を降らせてよいところがありましたら、
お示しください。」
「うむ、その神聖なる水魔法の加護の力があるのなら
皆を救えるのではないのか?」
「自分が対応できるのは限られた狭い範囲であり、
その場凌ぎに過ぎません。
野に生きるもの全てに、水は必要不可欠であり、
天からもたらされる雨は命の水と言えます。
継続的に雨を降らせて頂くことが、
とても重要なのです。」
「そうであるか、確かにセブン殿の言う通りであるな。
実は、かく言う我らも水不足で困窮しておるのだ。
その奥に開けた草の生えておらぬ平原が見えておろう。
そこは元々湖であったのだが、見ての通り、
ほぼ干上がってしまっておる。
ノルン様のご加護のお力で水を張れるというのであれば
是非にお願い申したい。」
そう言うと、ベンゼルは片膝をついて頭を垂れた。
後ろの戦士達も綺麗に一糸乱れることなく同じ礼の姿勢をとった。
(すごい練度の戦士達だな。見事過ぎて見惚れるな。)
「いえ、頭をお上げください。これはノルン様のお力であって
自分の力ではございませんので、
ノルン様にお礼をお願い致します。
では、雨を降らせますが、よろしいでしょうか?
参ります。 天空の瀑布 !」
セブンがいつものように両手を組んで
水魔法を発動させた。
ベンゼルの示した平原にしか見えない湖の上空に
突如として黒い雲が沸き立ち、爆音としか言いようのない
激しい音と共に滝が叩き落され始めた。
今回セブンは下流域のことも考えて、
あえて20分間降らせてみることにした。
滝が消えると同時に雲も消え去り晴れ間が戻ってきた。
呆然と煌めく湖面を見つめる龍人族の戦士達が立ち尽くしていた。
(やべっ、20分間は長すぎたか、
溢れすぎてる嫌な予感がする。)
変に緊張するセブンであった。
ネコ獣人族の村に残ったサラとカイは、拠点の二階で
カーラを交えて対応策を練り、セブンの連絡を待っていた。
(それにしても、因果なものね。
元々私とセブンは、日本の地下の隠里で水神様を祀り、
水の流れを引き寄せることのできる陰陽術を司る
天道神社の本家を継ぐ予定だったのに、
この世界に来ても水に絡むことばかりね。
我が一族は本当に水神様と結びつきが強い運命に
あるのだと思えるわね。
セブンは、武人は、私達のことは知らないようね。
武人は、血の薄い親戚筋の孤児だったのだけれど、
陰陽術の力の強さを感じた父が、
私の許嫁として引き取ってきたのだけれど。
最初はかわいい弟が出来たようで
嬉しかったのだけれど、陰陽術の訓練で才能を
発揮し始め出した辺りから、
少し妬ましくも思っていたわね。
今思えば懐かしい思い出なのだけれど、
あのノルン様のご加護のお力を使う時に、
気付かずに印を結んで、引水の陰陽術も
重ね掛けしているのだわ。
行使する度に、運命の女神様も威力の強さに
驚かれているかもしれないわね。
あらっ?
このタイミングで圧縮メッセージがくるなんて。
ノルン様ね。)
圧縮メッセージを解凍すると、
サラの眼内モニターに内容が展開された。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
送信者:*&%$#‘@+
コメント:やっほー!紗良!
やっぱり気付いてたんだね~。
種明かしするけど彼には内緒だよ。
紗良も知ってたように、彼にはもともと
水神様の加護の力があったんだよ。
私の方で魔力を付与して増幅している感じかな。
ふっふっふ、二人のこともしっかり知ってるんだけど。
実は二人が入るあの調整機には干渉出来るんだよね~
何でかわかるかな~?
あれ、実は私が作り直したノルンお手製の神器なんだよ。
大事に使ってね~。
頑張ったらご褒美があるかもねぇ~。
じゃあ、武人と楽しく仲良く長生きしてね~
バイバーイ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(えっ!?あの電脳兵専用調整ポッドが神器?
いいのかしら?内緒にしておくしかないわね。
ステータスに表示されているこの体のことも含めて、
まだ全てを話すわけにはいかないわね。)
さらの眼内モニターにはステータスが
表示されていた。
天道 紗良
種族:電脳化人族 年齢:110万時間
性別:女性
職業:運命神の巫女
テイマー ・バグドローンのマスター
・カーラのマスター
・カイのマスター
身長:160cm
体重:180kg(標準装備時)
攻撃力:S
生命力:S
魔力:A
俊敏性:S
耐久性:S
スキル:聖魔法 1審判の閃光 2浄化
氷魔法 1氷結 2氷壁
アイテムボックス共有(セブン:天道 武人)
電脳兵らしからぬ柔らかな体を、愛おしそうに
抱きしめるサラであった。
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