無情の電脳傭兵 異世界で再起動する

graypersona

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vs 神の戦士

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電脳兵のセブンは南の港街の惨状を見てから、
ロフテッド軌道経由で西の街に降り立った。

 「カーラ、俺はここからは錬成したバーニアで移動するよ。
  サラが着くまで上空警戒モードでバグドローン多めに
  展開しておいてくれ。
  サラが着いたら、指示に従ってくれ。」

カーラとのジョイントを解除したセブンは
錬成したバーニアを装着すると、
ステルスモードで何処かへと消えていった。


 「しかしフェイズよ、帝国は何故しつこく
  攻め込んで来るのだ?

  サラ、ガトーショコラをもう一欠片いいか?」

およそ開戦前とは思えないお茶会の雰囲気の中で
獣王ドゥルガーが紅茶片手に疑問を口にした。

 「さて、正直なところ、先の南の街も
  ただ蹂躙し破壊したのみで占領する気は
  微塵もない様子。
  ただ滅ぼそうと思っているのであれば、
  もっと大軍で攻め込んで来ておるでしょう。
  何がしたいのか分かりかねます。」


 「であろう。我もそれが気になっておるのじゃ。
  まぁ、なんであれ、魚人族を使い捨て、
  手駒のように使う遣り口だけは反吐が出る。
 
  我らは戦士の誇りを持って戦場に赴くが、
  連中は魔法で縛られ強いられておるのじゃろう。
  哀れでならん。」

敵兵といえど魚人族の扱いに気を揉む獣王を見て
サラは少し大きめに切り分けたケーキを差し出した。

 「はい、獣王様お召し上がりくださいませ。
  その魚人族に関してですが、セブンの方で
  その根源であるアトランティス帝国に
  鉄槌を下すと連絡受けておりますわ。

  今度という今度は許せなくなったようです。」


セブンがこそっと蘇生させた南の港街の死者の中には
魚人兵も多く含まれていたのだ。
一度死んだことで隷属魔法から解放されたのか
魚人兵達、いや兵でもない魚人族の男達は
何故ここにいるのかすら理解できず混乱する場面があった。

聞けば、魚人族の住む島はアトランティス帝国の
すぐ近くにあり、いつの間にか占領されて魚人族は
皆奴隷の扱いを受けているとのことだった。

奴隷と言ってもアトランティス帝国の土は踏まないように
上陸は許されず、港の牢獄船に集められているのだそうだ。

話を聞くうちに同情したセブンは
ついにアトランティス帝国本土への攻撃を決め
今回の襲撃に合わせて鉄槌を下すことにしたのだった。

 「獣王様、戦闘が始まってセブンがその攻撃を
  アトランティス帝国に向けて実行した場合、
  今いるこの辺りまで大波が来る可能性があります。

  この後、向こうの小山の上の砦まで移動致しましょう。」

 「大波じゃと?
  それほどまでに苛烈な攻撃を加えるということか?」

 「はい、おそらく帝国の島が消えることになるかと。」

 「なんじゃと!それは誠か!?
  見たいな、見れんものか?」

 「大変危のうございますので
  ご容赦のほどお願い致します。」

静かに頭を下げるサラは酷く悲しげな顔をしていた。

この攻撃について、セブンと激しく言い合いをしたが、
傭兵として生きると決めた時に、自らの手にかける
彼らと共に地獄に落ちる覚悟を決めているセブンを
翻意させる事はできなかった。

 (無差別に殺すからといってやり返すというのは
  死の呪いの連鎖に飛び込むことなのに、
  私は無力だわ。
  すでに引き金を引いてしまったセブンを
  私は責められない・・・。
  私のためにセブンは・・・。)

落ち込むサラの肩をカミュールが抱きしめて来た。

 「これは戦争だ、サラ。
  報復戦と思えば、妥当であろう。
  気に病むな、セブンにそんな顔を見せるな。
  それにおそらく帝国は
  思うほど柔ではないやもしれん。
  うまくいくかどうか怪しいやもしれぬな。」

新しい魔族の国の開拓は順調なので、家臣に任せて
魔族の女王のカミュールが攻撃魔法部隊を率いて
参戦してくれていた。

カミュールは何かもう一言
サラの耳元で囁いた。

 「あ、ありえません。私達は姉弟ですから。
  そんなことは・・」

 「そうか?では、わらわが代わりに・・」
  
 「ダメです!!」

 「ほぅ、何がダメなのだ?姉弟なのであろう?」

 「もう、カミュールさん!!」

サラとカミュールが姉妹のように戯れ合っているのを
ドゥルガーが混ざりたそうに見つめていた。。


その数刻後、港の上空に背に煌めきを纏った
黒い甲冑姿の戦士が浮かび上がり、
あたりに不思議とはっきりと聞き取れる声が響いた。

 「我はシグルーン!
  バルキュリヤを統べる王である!
  これより貴様達には死を与える。
  この世に選ばれぬ命は消え去るがいい!」

その声を聞き終えた瞬間、アサルトライフルの音が響き、
戦士は頭から血を流してのけぞった。

だが、次に瞬間、青い炎がその身を包み込み、
血の跡は掻き消え、当然の顔をした戦士がいた。

 「無駄なことである!
  我は神に選ばれし者、死を超越した神の戦士である!
  滅び去れ、亜人共よ!」

次の瞬間、甲冑の戦士の体に光が走り、
その身は縦に二つに分かれた。

その半身の状態で光の槍を振るい、
背後にいたセブンを海中に向けて叩き落とした。

海中に落とされる寸前のセブンは
笑みを浮かべていた。


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