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激突!
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魔族の影人、シャルマンは影の中を転移して移動する
闇魔法を駆使して魔族の女王カミュールの元へ舞い戻った。
新魔族の国の王都の中央に、2階建てのシンプルな神殿作りの
王宮があり、その奥の広間にて、カミュールと戦士長達が
待ち構えていた。
「ご報告に上がりました。」
「シャルマンか、どうであった?」
「はっ、相手は黒い犬人族のような姿をした
見聞にない魔法を行使する軍団で、
その数4万。
行軍時の陣形は正方形を4分割にしたような隊列を組み、
こちらを目指してきております。
魔法は光の壁、土の壁と土中を移動する能力を
確認しております。
特にこの移動魔法は危険です。
数キロ先の陣地から一気に背後を取られるほどの
転移能力があり、自分も足を槍で貫かれました。」
「む、そうか、ただの土魔法使いというわけでは
ないようだな。
今はこちらに向けて行軍中ということか?」
「いえ、自分を槍で貫いた相手を
瞬時に切り捨ててくれた方が
単身で迎え撃つと言って
その場に残っておられます。
自分も戻って迎撃戦に加わりたいです。
お許し頂きたく。」
「待て、4万の軍勢と聞いても単身で迎え撃つと
その御仁は申したのか?
ならば、その御仁を抜いてくる相手を
迎え撃つだけに止めよ。
うむ、その御仁の戦いぶり是非にも見たい。
わらわも行くぞ。」
「なりませぬ、カミュール様。
まだこの国は再興したばかりで不安定でございます。
女王様には、この王都の防衛戦の陣頭指揮を
お願い致します。
どうか、我が魔族の国のためとお考え直しください。」
「むぅ、そうは言うがその御仁、おそらく凄まじく強いぞ。
その魔神の如き戦いぶりを我が目で見たいとは思わぬか?」
「なりませぬ、どうかご辛抱をお願い致したく。」
なおも渋るカミュールであったが、広間の柱の影に
異様な気配を感じ、警戒の目を向けた。
「立ち入る無礼をお許し頂きたい。
私はメフィストと申す者。
この魔族の国はとてもきれいな街並みで
住み心地が良さそうだ。
ここに住む者の姿を見る限り、
私のような悪魔族であっても
この国であれば受け入れてもらえそうに見える。
如何だろうか?
この国に住まわせていただく代わりに
その軍勢を消してご覧に入れよう。」
「ふむ、悪魔族か、夢魔の一族も移住してきておる。
空いているところであれば、自由にして良い。
軍勢の方は何とかなろう。
その身なりからして、
そなたも異界からの渡り人であろう。
今は住むところから探すが良い。
難民救済基金というのがあってな、
そなたのような渡り人であっても
無利子で当面の生活資金を貸しておる。」
「それは有難い。
だが、受け取るには対価があるべきではないか。
やはり、その迎撃戦に参戦させて頂こう。
シャルマン殿だったかな?
私をそこへ連れて行ってもらえるだろうか?」
「いや、俺の能力だと肉体は影転移できないんだ。
悪いな。」
「なるほど、では、影であればいいのかね?」
「そうなんだ。」
その言葉を聞くと、メフィストは足元に向けて軽く手を振った。
メフィストの影が足元から切り離され、シャルマンの影がある方へ
移動していった。
「これで良いかね?」
「すごいな、あんた。
こんな魔法見たことないよ。
これなら大丈夫だ。
では、行って参ります。」
その声が聞こえなくなると同時に二つの影が消えていた。
「では、私はこれで失礼を。」
そう言うと影のないメフィストは柱の影に帰っていった。
黒い戦士軍団に向かって卜伝は、
力強く横薙ぎに払う動きを見せた。
光の刃のようなものが広がりながら飛んで行き、
戦士の群れを両断していった。
どうやら光の刃は超高周波数の電磁波が含まれており、
黒い戦士を形作っているナノマシンの行動を止めるようだ。
瞬く間に4万の軍勢を斬り捨ててしまうかに思えたが、
金色の輿に乗った者には刃が通らないようだ。
「ほう、では、これでどうかな。」
卜伝はそう言うと輿を引くライオンの魔物の
額にある石に突きを放ち、そのまま両断してみせた。
魔物はその場に黒い砂のようになって崩れ落ちていった。
もう一頭も手にかけようとした時、
その剣先に紋様が浮かぶ半月刀が払い除けた。
「余の軍勢によくも手をかけたな。
貴様の愚行、思い知るがいい。」
半月刀から紋様が光の輪となって飛び出てくると、
その輪から卜伝に向かって黒い稲妻が走った。
それらもまとめて卜伝が放つ光の刃で
かき消していった。
卜伝が半月刀を持つ男を斬ろうと飛び掛かった時、
突然足元の砂が消え去り、闇が大きな口を開いて
卜伝を飲み込もうとしているようであった。
(まずいぞ、跳躍が足りておらぬ。)
半月刀を持つ男が薄い笑みを浮かべていた。
闇魔法を駆使して魔族の女王カミュールの元へ舞い戻った。
新魔族の国の王都の中央に、2階建てのシンプルな神殿作りの
王宮があり、その奥の広間にて、カミュールと戦士長達が
待ち構えていた。
「ご報告に上がりました。」
「シャルマンか、どうであった?」
「はっ、相手は黒い犬人族のような姿をした
見聞にない魔法を行使する軍団で、
その数4万。
行軍時の陣形は正方形を4分割にしたような隊列を組み、
こちらを目指してきております。
魔法は光の壁、土の壁と土中を移動する能力を
確認しております。
特にこの移動魔法は危険です。
数キロ先の陣地から一気に背後を取られるほどの
転移能力があり、自分も足を槍で貫かれました。」
「む、そうか、ただの土魔法使いというわけでは
ないようだな。
今はこちらに向けて行軍中ということか?」
「いえ、自分を槍で貫いた相手を
瞬時に切り捨ててくれた方が
単身で迎え撃つと言って
その場に残っておられます。
自分も戻って迎撃戦に加わりたいです。
お許し頂きたく。」
「待て、4万の軍勢と聞いても単身で迎え撃つと
その御仁は申したのか?
ならば、その御仁を抜いてくる相手を
迎え撃つだけに止めよ。
うむ、その御仁の戦いぶり是非にも見たい。
わらわも行くぞ。」
「なりませぬ、カミュール様。
まだこの国は再興したばかりで不安定でございます。
女王様には、この王都の防衛戦の陣頭指揮を
お願い致します。
どうか、我が魔族の国のためとお考え直しください。」
「むぅ、そうは言うがその御仁、おそらく凄まじく強いぞ。
その魔神の如き戦いぶりを我が目で見たいとは思わぬか?」
「なりませぬ、どうかご辛抱をお願い致したく。」
なおも渋るカミュールであったが、広間の柱の影に
異様な気配を感じ、警戒の目を向けた。
「立ち入る無礼をお許し頂きたい。
私はメフィストと申す者。
この魔族の国はとてもきれいな街並みで
住み心地が良さそうだ。
ここに住む者の姿を見る限り、
私のような悪魔族であっても
この国であれば受け入れてもらえそうに見える。
如何だろうか?
この国に住まわせていただく代わりに
その軍勢を消してご覧に入れよう。」
「ふむ、悪魔族か、夢魔の一族も移住してきておる。
空いているところであれば、自由にして良い。
軍勢の方は何とかなろう。
その身なりからして、
そなたも異界からの渡り人であろう。
今は住むところから探すが良い。
難民救済基金というのがあってな、
そなたのような渡り人であっても
無利子で当面の生活資金を貸しておる。」
「それは有難い。
だが、受け取るには対価があるべきではないか。
やはり、その迎撃戦に参戦させて頂こう。
シャルマン殿だったかな?
私をそこへ連れて行ってもらえるだろうか?」
「いや、俺の能力だと肉体は影転移できないんだ。
悪いな。」
「なるほど、では、影であればいいのかね?」
「そうなんだ。」
その言葉を聞くと、メフィストは足元に向けて軽く手を振った。
メフィストの影が足元から切り離され、シャルマンの影がある方へ
移動していった。
「これで良いかね?」
「すごいな、あんた。
こんな魔法見たことないよ。
これなら大丈夫だ。
では、行って参ります。」
その声が聞こえなくなると同時に二つの影が消えていた。
「では、私はこれで失礼を。」
そう言うと影のないメフィストは柱の影に帰っていった。
黒い戦士軍団に向かって卜伝は、
力強く横薙ぎに払う動きを見せた。
光の刃のようなものが広がりながら飛んで行き、
戦士の群れを両断していった。
どうやら光の刃は超高周波数の電磁波が含まれており、
黒い戦士を形作っているナノマシンの行動を止めるようだ。
瞬く間に4万の軍勢を斬り捨ててしまうかに思えたが、
金色の輿に乗った者には刃が通らないようだ。
「ほう、では、これでどうかな。」
卜伝はそう言うと輿を引くライオンの魔物の
額にある石に突きを放ち、そのまま両断してみせた。
魔物はその場に黒い砂のようになって崩れ落ちていった。
もう一頭も手にかけようとした時、
その剣先に紋様が浮かぶ半月刀が払い除けた。
「余の軍勢によくも手をかけたな。
貴様の愚行、思い知るがいい。」
半月刀から紋様が光の輪となって飛び出てくると、
その輪から卜伝に向かって黒い稲妻が走った。
それらもまとめて卜伝が放つ光の刃で
かき消していった。
卜伝が半月刀を持つ男を斬ろうと飛び掛かった時、
突然足元の砂が消え去り、闇が大きな口を開いて
卜伝を飲み込もうとしているようであった。
(まずいぞ、跳躍が足りておらぬ。)
半月刀を持つ男が薄い笑みを浮かべていた。
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