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革命
自由
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よしっ。体力、チャージ完了。今日は紫苑さんに話をするところから始めるとしようか。
闇命君は俺の肩で寛いでいるけど、もうこれは日常茶飯事になっているから問題無し。
琴平達と合流し、紫苑さんの元へと向かおうとした時、なぜか前方から慌てた様子で夏楓が走ってきた。しかも、手には大量の資料を手にして……。
…………嫌な予感。
「闇命様!! 紫苑さんから任されていた資料を整理していたのですが、気になるものが!」
「えっと、なに?」
肩で息をし、俺に資料を渡してくる。久しぶりの再会がこんな感じだなんて……。もっと、違う会い方をしたかった。
「えっと……。これって、七人ミサキ?」
一枚目には、大きく七人の男性が描かれている。
姿は、お坊さんが着ているような服に、笠を被っている。手には錫杖が握られ、森の道を進んでいるように見えるな。
「これがどうしたの?」
「はい。この七人ミサキが最近活発に動いているようで、入れ替わりが短期間で何度も行われているようです」
七人ミサキって、確か災害や溺死、事故などで命を失った人間の死霊なんだっけ。そんで、一人が成仏すると、一人が加わる。入れ替わりって……?
『七人ミサキは、出会うと高熱を出し死んでしまう。その際に入れ替わるんだよ。死んでしまうと、七人ミサキの一人は成仏し、後方にその死んでしまった死霊が加わる。だから、七人ミサキの人数はずっと変わらない』
「あ、おはよう闇命君。説明ありがとう」
その七人ミサキが活発に活動を開始したという事は、その分人が死んでしまうという事か。それは、ほっとけない。けど、今は他の事にも手を伸ばしているし、同時に行動を起こすのには無理がある。
早く漆家について解決し、七人ミサキの方に行こう。
『全てに手を伸ばし続けるつもり?』
「やると言ったらやるよ。七人ミサキは、件より危険性が高い。ほっとけないよ」
『違う陰陽寮に頼むとかあるでしょ』
「でも、ここに来た依頼でしょ? なら、少しは情報を集めてからじゃないと駄目だと思うんだ。それに、こうやって色んな物に手を伸ばしていたら、その分様々な情報を手に入れる事が出来るし、俺達も成長出来る。革命を起こす為には、そういう事も大事だと思うんだ」
まぁ、無理しすぎるとどれも中途半端になるから、一つ一つ解決していく予定だけど。
「革命、ですか? 闇命様、もしかして……」
『一度諦めたけどね。もう一度、今度はこいつも加わったし、やってみる事にしたんだ。夏楓ではどうする? 今の話でわかるように、結構無茶ぶりが多いし、馬鹿の相手しながらだから大変になる。無理強いはしないよ』
「誰が馬鹿だこら」
はぁ。まぁ、いいんだけどさぁ。別に……。
夏楓はどうするだろうか。闇命君が言った通り、これからは今まで以上に大変だろう。
女性を巻き込むのは少し気がかりだけど、協力してくれるのならそれに越した事はない。
「もちろん、協力させていただきます。闇命様に仕える者として、必ずお役に立ってみせます」
優しい笑みを浮かべ、胸に手を置き宣言してくれた。
『そう。それなら、今度は途中で投げ出さないように気をつけて進もう』
「はい!!」
すっごく嬉しそうだな。でも、俺も嬉しい。これは、俺の人望じゃなくて、闇命君のだけど。それでも、俺の意思に協調してくれたような気がして、気分が跳ね上がる。すごいなぁ、闇命君。
『僕だけじゃないよ』
「え、何が?」
いきなりなんだ?
「優夏さんも、これからもよろしくお願いいたします。貴方が加わってくれて、心が少し楽になります。一度、諦めてしまっているので……」
「え、あ、いや。俺は特に……。ただ、やりたいからやるだけだよ。それに、友人を助けたいって気持ちもある。俺の勝手な行動に巻き込んでしまっているだけ……だから……」
こう考えると、俺って何の役にも立ててないけど、口先は一丁前だなぁ。力がないくせに、無理難題を琴平や紅音、夏楓や闇命君に押し付けている。この体も、闇命君の力だし、俺ってなんのために転生してきたのか、分からなくなるなぁ。
「優夏さん。貴方のその気持ちが私達を救っているのです。”助けたい”と思うのは簡単です。ですが、それを実行するのはとても難しいこと。それをしようとしている貴方について行きたいと思うのは当然です。誰でも、心が暖かい方には、付いていきたいものでしょ?」
ふふっと笑いながら、夏楓が言ってくれた。
心が暖かい方にはついて行きたい……か。確かに、そうだな。
俺が心暖かいかは分からないけど、その気持ちはわかるわ。心が冷たい人になんて、ついて行きたくないよな。
「ありがとう、夏楓」
「はい!」
とりあえず、七人ミサキは漆家について解決したら調べるとして、今は紫苑さんに話をしに行こう。
☆
「相変わらずですね……」
「やぁ、待っていたよ。さぁ、座って」
貴方が座っている箇所しか畳が見えていませんけどね。どうやって座ろうか。綺麗そうな半紙や筆などを避けて座るか……。巫女さんの仕事を増やさないでくださいよ。
「漆家についてはもう陰陽助から話を聞いているよ。大変だったみたいだね、お疲れ様」
「あ、話が早いですね。ありがとうございます」
「それで、こちらはこちらでもう話しを進めてある。時間が無いだろうから、直ぐに準備を整えよう」
え、話は進めてる? 準備? なんの話??
「陰陽助の話を元に、陰陽頭には話をつけてある。君達四人は、もう安倍家を出られるよ。ただ、戻ってくる事が難しくなってしまったけれど、それは自由と引き換えとして仕方がない。大目に見てくれると助かる」
「え、自由と引き換えに? と、言う事は、俺達はもうこの安倍家にいなくても良いと?」
「そういう事になる。陰陽頭は納得していないけれど、了承してくれた。君達はもう自由にどこへでも行ける。ただし、安倍家の支援とかは期待しないように」
「あ、ありがとうございます!!!」
やった、自由を手に入れた。それだけで大収穫だ。でも、どうやったのだろうか。それを問いかけようとしても、紫苑さんの事だから上手くかわされるんだろうなぁ。
闇命君も驚いているけど、すぐに話を続け、今後どうして行くか話しあった。
闇命君は俺の肩で寛いでいるけど、もうこれは日常茶飯事になっているから問題無し。
琴平達と合流し、紫苑さんの元へと向かおうとした時、なぜか前方から慌てた様子で夏楓が走ってきた。しかも、手には大量の資料を手にして……。
…………嫌な予感。
「闇命様!! 紫苑さんから任されていた資料を整理していたのですが、気になるものが!」
「えっと、なに?」
肩で息をし、俺に資料を渡してくる。久しぶりの再会がこんな感じだなんて……。もっと、違う会い方をしたかった。
「えっと……。これって、七人ミサキ?」
一枚目には、大きく七人の男性が描かれている。
姿は、お坊さんが着ているような服に、笠を被っている。手には錫杖が握られ、森の道を進んでいるように見えるな。
「これがどうしたの?」
「はい。この七人ミサキが最近活発に動いているようで、入れ替わりが短期間で何度も行われているようです」
七人ミサキって、確か災害や溺死、事故などで命を失った人間の死霊なんだっけ。そんで、一人が成仏すると、一人が加わる。入れ替わりって……?
『七人ミサキは、出会うと高熱を出し死んでしまう。その際に入れ替わるんだよ。死んでしまうと、七人ミサキの一人は成仏し、後方にその死んでしまった死霊が加わる。だから、七人ミサキの人数はずっと変わらない』
「あ、おはよう闇命君。説明ありがとう」
その七人ミサキが活発に活動を開始したという事は、その分人が死んでしまうという事か。それは、ほっとけない。けど、今は他の事にも手を伸ばしているし、同時に行動を起こすのには無理がある。
早く漆家について解決し、七人ミサキの方に行こう。
『全てに手を伸ばし続けるつもり?』
「やると言ったらやるよ。七人ミサキは、件より危険性が高い。ほっとけないよ」
『違う陰陽寮に頼むとかあるでしょ』
「でも、ここに来た依頼でしょ? なら、少しは情報を集めてからじゃないと駄目だと思うんだ。それに、こうやって色んな物に手を伸ばしていたら、その分様々な情報を手に入れる事が出来るし、俺達も成長出来る。革命を起こす為には、そういう事も大事だと思うんだ」
まぁ、無理しすぎるとどれも中途半端になるから、一つ一つ解決していく予定だけど。
「革命、ですか? 闇命様、もしかして……」
『一度諦めたけどね。もう一度、今度はこいつも加わったし、やってみる事にしたんだ。夏楓ではどうする? 今の話でわかるように、結構無茶ぶりが多いし、馬鹿の相手しながらだから大変になる。無理強いはしないよ』
「誰が馬鹿だこら」
はぁ。まぁ、いいんだけどさぁ。別に……。
夏楓はどうするだろうか。闇命君が言った通り、これからは今まで以上に大変だろう。
女性を巻き込むのは少し気がかりだけど、協力してくれるのならそれに越した事はない。
「もちろん、協力させていただきます。闇命様に仕える者として、必ずお役に立ってみせます」
優しい笑みを浮かべ、胸に手を置き宣言してくれた。
『そう。それなら、今度は途中で投げ出さないように気をつけて進もう』
「はい!!」
すっごく嬉しそうだな。でも、俺も嬉しい。これは、俺の人望じゃなくて、闇命君のだけど。それでも、俺の意思に協調してくれたような気がして、気分が跳ね上がる。すごいなぁ、闇命君。
『僕だけじゃないよ』
「え、何が?」
いきなりなんだ?
「優夏さんも、これからもよろしくお願いいたします。貴方が加わってくれて、心が少し楽になります。一度、諦めてしまっているので……」
「え、あ、いや。俺は特に……。ただ、やりたいからやるだけだよ。それに、友人を助けたいって気持ちもある。俺の勝手な行動に巻き込んでしまっているだけ……だから……」
こう考えると、俺って何の役にも立ててないけど、口先は一丁前だなぁ。力がないくせに、無理難題を琴平や紅音、夏楓や闇命君に押し付けている。この体も、闇命君の力だし、俺ってなんのために転生してきたのか、分からなくなるなぁ。
「優夏さん。貴方のその気持ちが私達を救っているのです。”助けたい”と思うのは簡単です。ですが、それを実行するのはとても難しいこと。それをしようとしている貴方について行きたいと思うのは当然です。誰でも、心が暖かい方には、付いていきたいものでしょ?」
ふふっと笑いながら、夏楓が言ってくれた。
心が暖かい方にはついて行きたい……か。確かに、そうだな。
俺が心暖かいかは分からないけど、その気持ちはわかるわ。心が冷たい人になんて、ついて行きたくないよな。
「ありがとう、夏楓」
「はい!」
とりあえず、七人ミサキは漆家について解決したら調べるとして、今は紫苑さんに話をしに行こう。
☆
「相変わらずですね……」
「やぁ、待っていたよ。さぁ、座って」
貴方が座っている箇所しか畳が見えていませんけどね。どうやって座ろうか。綺麗そうな半紙や筆などを避けて座るか……。巫女さんの仕事を増やさないでくださいよ。
「漆家についてはもう陰陽助から話を聞いているよ。大変だったみたいだね、お疲れ様」
「あ、話が早いですね。ありがとうございます」
「それで、こちらはこちらでもう話しを進めてある。時間が無いだろうから、直ぐに準備を整えよう」
え、話は進めてる? 準備? なんの話??
「陰陽助の話を元に、陰陽頭には話をつけてある。君達四人は、もう安倍家を出られるよ。ただ、戻ってくる事が難しくなってしまったけれど、それは自由と引き換えとして仕方がない。大目に見てくれると助かる」
「え、自由と引き換えに? と、言う事は、俺達はもうこの安倍家にいなくても良いと?」
「そういう事になる。陰陽頭は納得していないけれど、了承してくれた。君達はもう自由にどこへでも行ける。ただし、安倍家の支援とかは期待しないように」
「あ、ありがとうございます!!!」
やった、自由を手に入れた。それだけで大収穫だ。でも、どうやったのだろうか。それを問いかけようとしても、紫苑さんの事だから上手くかわされるんだろうなぁ。
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