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大天狗
氷鬼先輩の兄さんの実力!
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森を進めば進むほど、カラス天狗は道を阻むように現れた。
「よっ!!」
「せい!」
湊は両手に炎がともっているクナイを無限にお札から出し、投げる。
隙を突き、翔は氷で作られている槍を振り回しカラス天狗の急所を一突き。すぐに倒していく。
二人は、司と言った天才と、凛と言った秀才がいる為、かくれてしまうことが多いが、決して実力が低いわけではない。
逆に、司達が高すぎるだけで、二人とも退治屋の中では群を抜いている。
それを証拠に、一気に三体出てきたカラス天狗をものの数分で全滅させた。
森を歩くだけで体力がうばわれる中、肉弾戦を得意とする二人は体を休ませることが出来ない。だが、表情は笑っており、余裕そうに戦う。
一応、いつでも動けるようにしていた司と凛は、二人の戦闘を見て苦笑い。
自分達をほめていた二人の実力を再確認した。
この中で一番おどろいているのは詩織で、ありえないと言いたげに二人の戦闘を見ていた。
「兄さんは、普段はふざけているけど、誰よりも努力して実力を身に着けたって言っていたな」
「え、そうなんですか?」
「実際に僕は、兄さんの修行を見たことないからわからないけどね。母さんが言っていたから本当じゃないかな」
そんな話をしていると、すぐに先に進めるようになり、五人は森を進む。
そんな五人を水晶を通して見ている一体のあやかしがいた。
薄暗い部屋で王様が座るような椅子に座っているのは、カラス天狗のような見た目をしているあやかし。
だが、大きさは、カラス天狗の倍以上。
その後ろには、執事のような雰囲気をまとっているカラス天狗が立っていた。
「――――ほう、ただの人間ではないな」
「はい。大天狗様。あの四人は、退治屋と呼ばれる組織から派遣されたものだとお見受けします」
「なるほど。退治屋か…………」
水晶から五人を見ていたのは、まさに今、司たちがねらっているあやかし、大天狗。
黒い瞳を鋭く光らせ、後で待機していたカラス天狗は首を傾げていた。
「……………………まぁ、よい。今まで来た者よりは手応えありそうだが、所詮人間は人間。ここまではたどり着けんよ」
余裕そうにふんぞり返る大天狗の視線の先の水晶は、いつの間にか違う景色を映し出していた。
それは、青空をはばたく大量の黒い集団。
十や二十ではないカラス天狗が、司たちの元へと向っていた。
※
森を歩いていた五人は、湊が足を止めたことで皆が止まる。
沈黙が続く中、詩織以外の四人は険しい顔を浮かべていた。
唯一何もわかっていない詩織は、近くにいた司を見た。
「あの、司先輩、何が…………」
「ちょっと、体力を温存とか考えられなくなってきたかもしれないなって思って」
司の言葉に、詩織はみんなが視線を向けている空中を見た。
今は、青空が広がり、きれいとしか思えない。
何をそんなに警戒しているのだろうと思っていると鼓膜を揺らす、翼をはばたかせている音に気づいた。
もっと、耳を澄ませると、何が近づいてきているのか徐々にわかり、顔を真っ青にした。
「ま、まさか……」
「うん、そのまさかだよ」
司は汗をにじませ、歯を食いしばる。
そんな彼の視線の先には、とうとう目視できるようになるまで近付いて来たカラス天狗の大群が視界に入った。
「ひっ!?」
詩織の小さな悲鳴と共に、司は一枚のお札を取り出した。
「ヒョウッ――――」
司が持っているお札の中で一番強い式神、雪女であるヒョウリを出そうとすると、翔が手を出し止めた。
「ここは、俺達に任せろ」
強気な翔を見て、司はヒョウリを出すのをやめた。
湊は翔が考えていることがわかり、笑みを浮かべ一枚のお札を出した。
「いいのかい? もしかしたら、俺達は大天狗との戦闘に参加出来なくなるかもしれないよ?」
「構わないだろう。ここには、天才と秀才の二人がいるんだからな。それに、鬼の血少女も」
(なに、その、鬼の血少女って……)
聞こうかどうか悩んでいるうちに、翔と湊は駆けだしてしまった。
凛が「ちょっと!!」と、手を伸ばすが、止まらない。
カラス天狗たちは、しゃくじょうを鳴らし、地上へと一気に降りてきた。
「翔さん、湊さん!!」
詩織が叫ぶ。同時に、炎がまい上がった。
――――ゴォォォオオオオ!!
炎の竜巻。周りには、雪の結晶。
カラス天狗の集団は動きを止める。
いや、止まるしかなかった。
カラス天狗の周りにふぶく雪、囲うようにまい上がる炎。
何が起こるのかと警戒しているカラス天狗達。
だが、その警戒は無意味。
ふぶきは、もう止められない。
大量のカラス天狗のしゃくじょうが凍り始める。
あわてふためき、どよめき合うカラス天狗の隙を突き、今度は足元が凍り始めた。
あわてたとしてもおそい。
ざわざわとうろたえ始めたカラス天狗にとどめを指そうと、湊が動く。
右手を前に出すと、まい上がった炎がカラス天狗達を燃やす。
蒸発することで倍のダメージを与え、大量のカラス天狗は灰になり一体残らずいなくなった。
「す、すごい……」
「今のが、本当の合わせ技?」
司と凛は、尊敬の眼差しを向け、詩織は目をかがやかせている。
でも、カラス天狗を退治した二人は汗をにじませ、その場に倒れ込んでしまった。
「兄さん!?」
すぐに司と凛、詩織がかけ寄り支えた。
「大技を出すと、やっぱり体力がうばわれるねぇ」
「今のはそう簡単に出せるもんじゃないからな。まぁ、ここから大天狗は近いだろう。あとは、任せたぞ」
湊と翔は、苦しそうな笑みを浮かべつつ、期待を込めた瞳を弟と妹に向けた。
頭をなで、二人は立ち上がった。
「俺達は、ここで離脱する。詩織ちゃんのことは任せたぞ」
「離脱って……?」
「一応、ついては行けるが、戦闘には参加できないということだ。いいとこ、結界を張り自分達を守るのが精一杯。足手まといにはならないつもりだが、期待はしないでくれ」
「よっ!!」
「せい!」
湊は両手に炎がともっているクナイを無限にお札から出し、投げる。
隙を突き、翔は氷で作られている槍を振り回しカラス天狗の急所を一突き。すぐに倒していく。
二人は、司と言った天才と、凛と言った秀才がいる為、かくれてしまうことが多いが、決して実力が低いわけではない。
逆に、司達が高すぎるだけで、二人とも退治屋の中では群を抜いている。
それを証拠に、一気に三体出てきたカラス天狗をものの数分で全滅させた。
森を歩くだけで体力がうばわれる中、肉弾戦を得意とする二人は体を休ませることが出来ない。だが、表情は笑っており、余裕そうに戦う。
一応、いつでも動けるようにしていた司と凛は、二人の戦闘を見て苦笑い。
自分達をほめていた二人の実力を再確認した。
この中で一番おどろいているのは詩織で、ありえないと言いたげに二人の戦闘を見ていた。
「兄さんは、普段はふざけているけど、誰よりも努力して実力を身に着けたって言っていたな」
「え、そうなんですか?」
「実際に僕は、兄さんの修行を見たことないからわからないけどね。母さんが言っていたから本当じゃないかな」
そんな話をしていると、すぐに先に進めるようになり、五人は森を進む。
そんな五人を水晶を通して見ている一体のあやかしがいた。
薄暗い部屋で王様が座るような椅子に座っているのは、カラス天狗のような見た目をしているあやかし。
だが、大きさは、カラス天狗の倍以上。
その後ろには、執事のような雰囲気をまとっているカラス天狗が立っていた。
「――――ほう、ただの人間ではないな」
「はい。大天狗様。あの四人は、退治屋と呼ばれる組織から派遣されたものだとお見受けします」
「なるほど。退治屋か…………」
水晶から五人を見ていたのは、まさに今、司たちがねらっているあやかし、大天狗。
黒い瞳を鋭く光らせ、後で待機していたカラス天狗は首を傾げていた。
「……………………まぁ、よい。今まで来た者よりは手応えありそうだが、所詮人間は人間。ここまではたどり着けんよ」
余裕そうにふんぞり返る大天狗の視線の先の水晶は、いつの間にか違う景色を映し出していた。
それは、青空をはばたく大量の黒い集団。
十や二十ではないカラス天狗が、司たちの元へと向っていた。
※
森を歩いていた五人は、湊が足を止めたことで皆が止まる。
沈黙が続く中、詩織以外の四人は険しい顔を浮かべていた。
唯一何もわかっていない詩織は、近くにいた司を見た。
「あの、司先輩、何が…………」
「ちょっと、体力を温存とか考えられなくなってきたかもしれないなって思って」
司の言葉に、詩織はみんなが視線を向けている空中を見た。
今は、青空が広がり、きれいとしか思えない。
何をそんなに警戒しているのだろうと思っていると鼓膜を揺らす、翼をはばたかせている音に気づいた。
もっと、耳を澄ませると、何が近づいてきているのか徐々にわかり、顔を真っ青にした。
「ま、まさか……」
「うん、そのまさかだよ」
司は汗をにじませ、歯を食いしばる。
そんな彼の視線の先には、とうとう目視できるようになるまで近付いて来たカラス天狗の大群が視界に入った。
「ひっ!?」
詩織の小さな悲鳴と共に、司は一枚のお札を取り出した。
「ヒョウッ――――」
司が持っているお札の中で一番強い式神、雪女であるヒョウリを出そうとすると、翔が手を出し止めた。
「ここは、俺達に任せろ」
強気な翔を見て、司はヒョウリを出すのをやめた。
湊は翔が考えていることがわかり、笑みを浮かべ一枚のお札を出した。
「いいのかい? もしかしたら、俺達は大天狗との戦闘に参加出来なくなるかもしれないよ?」
「構わないだろう。ここには、天才と秀才の二人がいるんだからな。それに、鬼の血少女も」
(なに、その、鬼の血少女って……)
聞こうかどうか悩んでいるうちに、翔と湊は駆けだしてしまった。
凛が「ちょっと!!」と、手を伸ばすが、止まらない。
カラス天狗たちは、しゃくじょうを鳴らし、地上へと一気に降りてきた。
「翔さん、湊さん!!」
詩織が叫ぶ。同時に、炎がまい上がった。
――――ゴォォォオオオオ!!
炎の竜巻。周りには、雪の結晶。
カラス天狗の集団は動きを止める。
いや、止まるしかなかった。
カラス天狗の周りにふぶく雪、囲うようにまい上がる炎。
何が起こるのかと警戒しているカラス天狗達。
だが、その警戒は無意味。
ふぶきは、もう止められない。
大量のカラス天狗のしゃくじょうが凍り始める。
あわてふためき、どよめき合うカラス天狗の隙を突き、今度は足元が凍り始めた。
あわてたとしてもおそい。
ざわざわとうろたえ始めたカラス天狗にとどめを指そうと、湊が動く。
右手を前に出すと、まい上がった炎がカラス天狗達を燃やす。
蒸発することで倍のダメージを与え、大量のカラス天狗は灰になり一体残らずいなくなった。
「す、すごい……」
「今のが、本当の合わせ技?」
司と凛は、尊敬の眼差しを向け、詩織は目をかがやかせている。
でも、カラス天狗を退治した二人は汗をにじませ、その場に倒れ込んでしまった。
「兄さん!?」
すぐに司と凛、詩織がかけ寄り支えた。
「大技を出すと、やっぱり体力がうばわれるねぇ」
「今のはそう簡単に出せるもんじゃないからな。まぁ、ここから大天狗は近いだろう。あとは、任せたぞ」
湊と翔は、苦しそうな笑みを浮かべつつ、期待を込めた瞳を弟と妹に向けた。
頭をなで、二人は立ち上がった。
「俺達は、ここで離脱する。詩織ちゃんのことは任せたぞ」
「離脱って……?」
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