チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~

桜桃-サクランボ-

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試練の間

この二人、油と水なの??

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 エトワールさんが察知した場所に向かうため、今は三人で廊下を走っている。

 勝手に移動していいのかなぁ……。
 待機していた方がいいと思うんだけど……。

 私の前を歩く二人は、なにやら話している。
 私には聞こえないような小声で話しているみたい。

 …………エトワールさん、絶対にビジョンさんをからかっているな。
 ビジョンさんの顔が赤い。何を言われたんだろう?

 あれ、こっちを振り向いた?

「…………わかったよ」
「ならよし」

 ────え?
 私の顔を見て何かを納得したみたい?
 な、なんだろう。聞いてもいいのかな?

 も~、二人で内緒話なんてずるい。
 私も混ぜてほしいよ。

「リヒトちゃん、怒らないで怒らないで。仲間外れにされたとか思っているんでしょ?」
「そこまで思ってないですよ。ただ、私は混ぜてもらえないのかぁって思っただけです」
「同じことじゃない」
「同じじゃないです!」

 怒っていると、ビジョンさんが足を止めた。

「なんか、気配が濃くなってないか?」
「んー、たしかに。もう少しで現れるかもね。今回はどんな魔獣かなぁ??」

 エトワールさん、本当に楽しそう。
 戦うこと、本当は好きなのかな?

「――――ん?」

 なにかが足元に触れる。
 下を見ると、そこには小さな鼠が一匹、私を見上げていた。

 侵入してきたのかな?
 …………可愛い。

「ここにいると危ないから外に逃がしてあげようかな」

 手のひらに乗せようと伸ばすと、エトワールさんが急に大きな声を上げた。

「リヒトちゃん! だめ!!」
「え?」

 エトワールさんの声に反応するように、鼠が大きな口を開き、私の手を噛み千切ろうとしてきた。

「きゃぁぁああ!!」

 すぐに引っ込め、勢いのままに後ろに倒れ込んでしまった。

 しりもちをつきながらも前を見ると、さっきまで可愛く見えていた鼠の口が、ありえない程に大きく開かれていた。

 自分の身体すら呑み込みそうな程に大きな口。
 牙も鋭く、あんなのに噛まれてしまったらひとたまりもない。

 さっき、エトワールさんからの声が無ければ、私の手は今頃なくなっていた。

「大丈夫?」
「は、はい……」

 ビジョンさんが心配そうに声をかけてくれた。

 驚いただけだから大丈夫ではあるんだけど……。

 この鼠、もしかして魔獣??

「鼠か。小さい分、すばしっこい。けど、防御力はそこまで高くないはず…………」

 私の肩を掴んでいる手が震えている。
 ビジョンさんも、怖いんだ。

 私も、しっかりしないと。
 なんでここまで来たのかわからなくなってしまう。

 立ち上がり、杖を握り直した。

「リヒトさん?」
「大丈夫、私も戦えるから」

 鼠はすばしっこい。
 それならまず、捕まえた方がいいよね。

 動けないようにしてから攻撃をしないと、逃げられてしまう。

「――――chainチェイン!!」

 床から鎖を放ち、普通に捕まえようとしたけど、流石鼠ちゃん。

 小さいし、逃げ足が速い。
 しかも、壁や天井にも逃げられるみたい。

 追いかけても、鎖のスピードと同じくらいの逃げ足。
 これも、もしかしたら手を抜いているのかもしれない。

「まっ。そうだとしても、chainチェインは私の得意魔法になりつつあるの。一番使っているからね」

 拘束しか出来ない、使い物にならない魔法。
 そう思っていたけれど、違った。

 今まで、鎖魔法は色々な使い方をされてきた。
 普通に捕まえたり、足場にしたり。

 私の魔法を、他の人が生かしてくれた。
 それでよく使うようになって、私は鎖魔法を好きになってきた。

「いつまで逃げられるかしら!!」

 鎖の量を増やし、全方位から向かわせる。
 焦ったのか、鼠は空中にジャンプ。すかさず捕まえた。

「す、すげぇ」
「感心していないで、炎の基本魔法で燃やして。すぐに逃げられるわよ」
「…………お前がやれよ。はぁ……。flameフレイム

 私が捕まえた鼠に、すぐビジョンさんがflameフレイムを放って消滅。

 現れた時はいきなりすぎて驚いてしまったけど、戦てみると、そうでもなかった。

 なんか、管理者と戦ったり捕まったりしていると、他のモンスターや魔獣はそこまで怖く感じない。

 まぁ、私だけでは絶対に戦えないし、他の人の力があってこそなんだけど。

「まずは一体ね。このままスムーズに退治していきましょう」

 ウキウキしているなぁ、エトワールさん。

「何もしてねぇくせに」
「私がいなければそもそも食い殺されていたかもしれないのよ? もっと感謝してほしいものだわ」
「は、早く次行きましょう!!」

 この二人、本当に相性最悪!!!
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