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一陽来復
「どこへでも行きたい」
「銀籠さん、世間体とか俺の立場とか考えずに、素直な気持ちを教えて」
優輝は、銀籠が何を言うのか予想でき、それを防いだ。
逃げ道を封じられ、一度開いた口を閉じる。
むむむっと眉間に皺を寄せ、どう言おうか悩んでしまった。
「…………銀籠さん、素直な気持ち、教えて?」
俯かせている銀籠の顔を覗き込み、上目使いで伝えた。
優しく問いかけられ、銀籠は今まで自分が悩んでいたのが馬鹿らしくなってきてしまった。
素直な気持ちをいつも伝えてくれる優輝に、ここで嘘を言うのは申し訳ない。
もう、ここまで素直に伝えたのだから、ここで何を隠しても意味はない。
自分で自分を納得させ、銀籠は覗き込んでくる優輝の頬を両手で優しく包み込んだ。
「我は、まだ人間が怖い。近づくだけでも、体が震えてしまうだろう。だが、それは優輝がいれば問題はない。優輝がいれば我はトラウマを克服できる。優輝さえいれば、我は何でもできるぞ。それに、優輝と共に生活が出来るのなら、どこへでも行きたい」
銀籠の想いを全て伝えると、自分がどれだけ優輝の事を愛しているのか彼自身やっとわかった。
こんなに愛していたのか、こんなに感情をあふれ出させていたのか。
銀籠は自嘲するように笑い、優輝の水色の瞳を見つめた。
「我は、優輝が思っているよりものすごく重たいが、それでも大丈夫か?」
笑みを浮かべ、言い切った銀籠の言葉に優輝は目を輝かせる。
キラキラと輝く世界が目に映り、思わず優輝の口元には歓喜の笑みが浮かぶ。
「もちろんだよ、銀籠さん。俺も、知っているとは思うけど、凄ーく、重たいよ? 大丈夫?」
「あぁ、問題はない。しっかりと、我を縛りつけておけよ? まぁ、縛られなくても、我が優輝から離れる事はないだろうがな」
優輝は銀籠に抱き着き、銀籠も彼の背中に手を回す。
宝物を抱きしめるように優しく、でも絶対に離さないように抱きしめあった。
幸せを噛みしめていると、銀が時間になったため迎えに来てしまう。
「幸せそうじゃのぉ~」
「っ!? 父上!?」
バッと、銀の声が聞こえた瞬間、反射的に優輝の肩を掴み銀籠は引き剥がしてしまった。
「ち、父上! 今のは違う!! 気のせいだ!」
顔を真っ赤にし、なぜか誤魔化そうとする。
でも、銀はしっかりと二人のイチャイチャは見ていたため、ニヨニヨと笑うのみ。
「もぉぉおおおお!!!」
銀籠が腕をブンブン振り抗議している中、優輝は引き剥がされたことに一人ショックを受けていた。
「幸せそうに見えたのなら、なぜ邪魔をしてきたんですか……」
「時間なのだから、仕方がないじゃろう……。そう睨むでない……」
ギリギリと歯ぎしりを浮かべ、憎しみの込められた瞳を向けられる。
血の涙を流すほどの勢いはあり、あやかしトップクラスの力を持っていた銀でも、優輝から放たれる視線にたじたじ。一番安全だと思っている銀籠の後ろに隠れた。
「怒っている我の後ろに隠れるのか、父上」
「いや、怒っている銀籠と殺気を放っている優輝なら、確実に銀籠の方が安全だからな。悪いが、今は怒りを収めワシを助けろ」
「……これが、あやかしトップクラスの力を持つ、我の父上…………?」
「首を傾げショックを受けたような顔を浮かべながら言うでない、悲しいぞ」
親子の会話を交わしている二人に、優輝は今も殺気を向けている。
どんなに銀籠が大事にしている銀だったとしても、それとこれとは別。
嫉妬の気持ちが渦巻き、銀から離れてほしいという言葉を優輝は何とか抑え込んでいた。
「あ、そうだ。父上」
「ん? なんじゃ?」
「優輝からの提案なんだが、冬の間だけでも九重家で生活できたらと思うのだが、どうだろうか?」
銀籠から聞いた提案に、銀は微かに驚くが、すぐに優輝へと顔を向けた。
「あの時に言っていた事か?」
「そうですよ。銀籠さんが風邪を引いていた時に言っていたことです。今だったら聞いてもいいかなって思いまして。ところで、銀籠さん。何で冬限定と言う話になっているのかな? 俺的には、これからの人生共にいたいと思っているんだけど?」
優輝がむぅと怒りながら銀籠へと近づき、下から見上げ睨む。
ウッとたじろぎ、視線に負けすまなかったと謝った。
「いや、だが、さすがに年中は申し訳ないと思って…………」
「俺は銀籠さんの気持ちを優先したいって、いつも言ってる」
「お、怒るな怒るな…………」
「銀籠さんが自分の気持ちより他人の気持ちを優先するからだよ。もっと自分に素直になって」
「む? 他人の気持ちを優先しているわけではない、優輝の気持ちを優先してるのだ」
銀籠がきょとんと目を丸くし、気持ちをそのままに伝える。
「なっ、え、あ、ちょ、ちがっ…………」
彼の天然発言に、今度は優輝が赤面したじたじ。何とか言葉を見つけ、反論した。
「えっと…………。お、俺より銀籠さんの気持ちを優先して」
「それなら、優輝も我より自身の気持ちを優先することを約束してくれるか?」
「無理」
「それなら我も無理だ」
「銀籠さんは駄目。自分を優先して」
「なんでだ…………」
困ったと、銀籠は頭を抱えため息を吐く。
優輝は一度言った事は覆さないため、これ以上言っても無駄だとすぐに諦めた。
二人のゴールのない口論を見ていた銀は、強制的に話を戻す。
「話を強制的に戻すが、これからは九重家で世話になるという話でいいのかのぉ?」
「はい。その話をじじぃに持って行こうと思います。早くて明後日にはこちらの準備が整うと思いますので、銀さん達も準備の方、よろしくお願いします」
「わかった。まぁ、準備と言っても、ワシらの物はそんなにないからな。すぐに整うぞ」
「わかりました。では、明日までに準備が出来るように頑張ります」
「頑張るな」
銀から軽く突っ込まれ、優輝は頭を下げ小屋を後にした。
残された二人はやれやれと呆れながらも、今の幸せを噛みしめ笑い合った。
優輝は、銀籠が何を言うのか予想でき、それを防いだ。
逃げ道を封じられ、一度開いた口を閉じる。
むむむっと眉間に皺を寄せ、どう言おうか悩んでしまった。
「…………銀籠さん、素直な気持ち、教えて?」
俯かせている銀籠の顔を覗き込み、上目使いで伝えた。
優しく問いかけられ、銀籠は今まで自分が悩んでいたのが馬鹿らしくなってきてしまった。
素直な気持ちをいつも伝えてくれる優輝に、ここで嘘を言うのは申し訳ない。
もう、ここまで素直に伝えたのだから、ここで何を隠しても意味はない。
自分で自分を納得させ、銀籠は覗き込んでくる優輝の頬を両手で優しく包み込んだ。
「我は、まだ人間が怖い。近づくだけでも、体が震えてしまうだろう。だが、それは優輝がいれば問題はない。優輝がいれば我はトラウマを克服できる。優輝さえいれば、我は何でもできるぞ。それに、優輝と共に生活が出来るのなら、どこへでも行きたい」
銀籠の想いを全て伝えると、自分がどれだけ優輝の事を愛しているのか彼自身やっとわかった。
こんなに愛していたのか、こんなに感情をあふれ出させていたのか。
銀籠は自嘲するように笑い、優輝の水色の瞳を見つめた。
「我は、優輝が思っているよりものすごく重たいが、それでも大丈夫か?」
笑みを浮かべ、言い切った銀籠の言葉に優輝は目を輝かせる。
キラキラと輝く世界が目に映り、思わず優輝の口元には歓喜の笑みが浮かぶ。
「もちろんだよ、銀籠さん。俺も、知っているとは思うけど、凄ーく、重たいよ? 大丈夫?」
「あぁ、問題はない。しっかりと、我を縛りつけておけよ? まぁ、縛られなくても、我が優輝から離れる事はないだろうがな」
優輝は銀籠に抱き着き、銀籠も彼の背中に手を回す。
宝物を抱きしめるように優しく、でも絶対に離さないように抱きしめあった。
幸せを噛みしめていると、銀が時間になったため迎えに来てしまう。
「幸せそうじゃのぉ~」
「っ!? 父上!?」
バッと、銀の声が聞こえた瞬間、反射的に優輝の肩を掴み銀籠は引き剥がしてしまった。
「ち、父上! 今のは違う!! 気のせいだ!」
顔を真っ赤にし、なぜか誤魔化そうとする。
でも、銀はしっかりと二人のイチャイチャは見ていたため、ニヨニヨと笑うのみ。
「もぉぉおおおお!!!」
銀籠が腕をブンブン振り抗議している中、優輝は引き剥がされたことに一人ショックを受けていた。
「幸せそうに見えたのなら、なぜ邪魔をしてきたんですか……」
「時間なのだから、仕方がないじゃろう……。そう睨むでない……」
ギリギリと歯ぎしりを浮かべ、憎しみの込められた瞳を向けられる。
血の涙を流すほどの勢いはあり、あやかしトップクラスの力を持っていた銀でも、優輝から放たれる視線にたじたじ。一番安全だと思っている銀籠の後ろに隠れた。
「怒っている我の後ろに隠れるのか、父上」
「いや、怒っている銀籠と殺気を放っている優輝なら、確実に銀籠の方が安全だからな。悪いが、今は怒りを収めワシを助けろ」
「……これが、あやかしトップクラスの力を持つ、我の父上…………?」
「首を傾げショックを受けたような顔を浮かべながら言うでない、悲しいぞ」
親子の会話を交わしている二人に、優輝は今も殺気を向けている。
どんなに銀籠が大事にしている銀だったとしても、それとこれとは別。
嫉妬の気持ちが渦巻き、銀から離れてほしいという言葉を優輝は何とか抑え込んでいた。
「あ、そうだ。父上」
「ん? なんじゃ?」
「優輝からの提案なんだが、冬の間だけでも九重家で生活できたらと思うのだが、どうだろうか?」
銀籠から聞いた提案に、銀は微かに驚くが、すぐに優輝へと顔を向けた。
「あの時に言っていた事か?」
「そうですよ。銀籠さんが風邪を引いていた時に言っていたことです。今だったら聞いてもいいかなって思いまして。ところで、銀籠さん。何で冬限定と言う話になっているのかな? 俺的には、これからの人生共にいたいと思っているんだけど?」
優輝がむぅと怒りながら銀籠へと近づき、下から見上げ睨む。
ウッとたじろぎ、視線に負けすまなかったと謝った。
「いや、だが、さすがに年中は申し訳ないと思って…………」
「俺は銀籠さんの気持ちを優先したいって、いつも言ってる」
「お、怒るな怒るな…………」
「銀籠さんが自分の気持ちより他人の気持ちを優先するからだよ。もっと自分に素直になって」
「む? 他人の気持ちを優先しているわけではない、優輝の気持ちを優先してるのだ」
銀籠がきょとんと目を丸くし、気持ちをそのままに伝える。
「なっ、え、あ、ちょ、ちがっ…………」
彼の天然発言に、今度は優輝が赤面したじたじ。何とか言葉を見つけ、反論した。
「えっと…………。お、俺より銀籠さんの気持ちを優先して」
「それなら、優輝も我より自身の気持ちを優先することを約束してくれるか?」
「無理」
「それなら我も無理だ」
「銀籠さんは駄目。自分を優先して」
「なんでだ…………」
困ったと、銀籠は頭を抱えため息を吐く。
優輝は一度言った事は覆さないため、これ以上言っても無駄だとすぐに諦めた。
二人のゴールのない口論を見ていた銀は、強制的に話を戻す。
「話を強制的に戻すが、これからは九重家で世話になるという話でいいのかのぉ?」
「はい。その話をじじぃに持って行こうと思います。早くて明後日にはこちらの準備が整うと思いますので、銀さん達も準備の方、よろしくお願いします」
「わかった。まぁ、準備と言っても、ワシらの物はそんなにないからな。すぐに整うぞ」
「わかりました。では、明日までに準備が出来るように頑張ります」
「頑張るな」
銀から軽く突っ込まれ、優輝は頭を下げ小屋を後にした。
残された二人はやれやれと呆れながらも、今の幸せを噛みしめ笑い合った。
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