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第一部 勇者学院に潜入してやろう!
第二話 悪名高い魔法使い・ボースハイト
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魔法科の入学試験は筆記試験である。
試験は勇者学院ブレイヴの教室で行われている。
入学志願者達は皆、席につき、テスト用紙と向かい合っていた。
我が輩もその一人だ。
それにしても、と我が輩は周りに目を向ける。
この試験は魔法使いを希望する者達が集まっているはず。
だが、戦士希望者と同じくらいの魔力量だ。
つまり、とんでもなく少ない。
筆記試験で判断するから魔力量は関係ないのか?
いいや、そんなはずはない。
魔力量は多ければ多いほど強い。
我が輩がそうであるように。
それに、戦士達が魔法使いを魔族だと言ったことも気になる。
この学院……いや、人間の常識が我々魔族の常識とかけ離れているのやもしれぬな。
「初めっ!」
試験官の合図と共に、入学志願者達が一斉にテスト用紙をめくる。
……そんなことより、今は試験だな。
くく、我が輩を唸らせる問題だと良いが……。
我が輩はテスト用紙をめくる。
そして、問題文を読み始めた。
何度も何度も問題文の頭に戻って読み返す。
……わからない……だと……!?
そんな馬鹿な。
この我が輩にわからぬことがあるはずがない!
我が輩が人間達に魔法を伝えたのだぞ!
今の人間の常識が、我々とかけ離れているとは思っていたが、全くわからぬとは思わぬではないか!
我が輩は唸った。
だが、魔王が魔法の試験で満点以外を取る訳にはいかぬ。
仕方がない。
思考を読み取る魔法《思考傍受》で答えを探るか。
魔法科の試験だ。
別に魔法を使っても構わんのだろう?
「カンニングですな」と何処からかバレットの声が聞こえてくる。
人間の倫理観なぞ知るものか。
我が輩は魔王だ。
思考を読めなくする魔法《思考防御》が厄介だが、これほど人がいれば数人は防御が甘い奴がいるだろう。
さて、《思考傍受》発動!
『眠い……』
『ここ、ゼミでやったところだ!』
『合格合格合格合格合格合格……』
入学志願者の焦燥感が頭の中に傾れ込んでくる。
誰も《思考傍受》を使わず、誠実にテストへ臨んでいるようだ。
……というか、読める思考の数が多過ぎやしないか。
まさか、誰も《思考防御》をしてないのではあるまいな。
思考の管理が甘いとかいうレベルではないぞ。
我が輩としては助かるが……。
『くすくす。みんなの焦ってる声が聞こえてくるよ……』
ん?
この思考は……?
『僕に思考が読まれてるとも知らずにね』
我が輩は思わず、後ろを振り向く。
すると、一人の入学志願者と視線が合った。
左右の目の色が違うその男は、我が輩を見てフッと微笑んだ。
「おい! そこ! 前を向け!」
我が輩の後頭部に試験官の叱責が飛んできた。
我が輩は黙って試験官に従う。
ここで騒ぎを起こしたら、我が輩と目が合ったあの男に逃げられるやもしれん。
我が輩はあの男と話す必要がある。
□
筆記試験が終わり、入学志願者達は教室の扉へ向かっていく。
しかし、一人だけ逆方向に歩き出した者がいた。
先程、我が輩と目が合った男だ。
「お前、さっき僕と目が合ったよね?」
紫と桃色の目を持つ赤髪の男は我が輩の前に来てニヤニヤと笑いかける。
「まさかカンニングするなんてねえ。これは模範生として先生に密告しないといけないなあ」
「お互い様だろう。貴様も思考を読んでいた」
「言いがかりだよ。証拠でもあるの?」
「貴様こそ、証拠があるのか?」
「僕と目が合った」
「それだけでは証拠になるまい」
赤髪の男は「うーん」と悩んだフリをした後。
「確かにね。じゃあ、今回は見逃そうかな」
そう言って、カラッと笑った。
密告する気なんて最初からなかろう。
その気なら目が合ったときにしているはずだからな。
「名前」
「ん?」
「名前だよ。お前の」
「我が輩はウィナだ」
「くすくす。我が輩って一人称の奴、本当にいるんだ」
「我が輩が名乗ってやったのだぞ。貴様も名乗れ」
「そうだね。僕は、悪名高い魔法使い、ボースハイト」
ボースハイトはそう言いながら、右足を引いて頭を下げる。
「うむ。よろしくな。ボースハイト」
我が輩がそう挨拶すると、ボースハイトは顔を上げた。
その顔は不機嫌そうに眉根を寄せていた。
「お前、僕のこと知らないの? 名前を出せばわかると思ったんだけどな……」
「有名人だったのか?」
魔王城には届いてないな。
「まあ、いいや。ねえねえ、《思考傍受》なんて上級魔法、何処習ったの? 僕しか使えないと思ってた」
「《思考傍受》ぐらい子供でも使えるぞ」
「は? みんな使えたらカンニングし放題じゃん。思考ダダ漏れ。筆記試験なんてしない」
「魔法で思考を読めないようにすれば良かろう」
「そんなこと出来ないでしょ。僕、嘘は嫌いだよ」
「嘘ではない。実際、貴様は我が輩の思考を読めないだろう」
ボースハイトはじっと我が輩の顔を見た後、肩をすくめる。
「……確かに読めない。どういうカラクリ?」
この発言から察するに、どうやら我が輩の思考が読まれた訳ではなかったらしい。
ボースハイトと話したかったのは、試験のとき我が輩の思考を読んだのか否かを確認するためだ。
あのとき、我が輩は魔王だのどうのと思考していたからな。
我が輩が魔王だとバレたかと思って少々焦ったが、どうやら杞憂だったらしい。
「だから、魔法で思考を読めないようにしている。この魔法こそ、皆が使えなかったらカンニングし放題だろう」
「……《思考傍受》が使えればそれだけで入学試験はパス出来る。それぐらい珍しい魔法なんだよ。そんなことも知らないなんて何処の田舎者?」
魔王城から来た。
とは言えないが。
それにしても、戦士科に比べて魔法科の入学志願者は少なかったな。
もしかして、魔法を使えるだけで魔族扱いするのは勇者学院ブレイヴ特有のものではないのか?
魔王を倒すために魔法は必須なんだが、人間は魔法の価値を低く見ているということか。
通りで我が輩の元に勇者が来ない訳だ……。
魔法を使わなければ、魔王どころか、四天王の中で最弱の【最弱王】ルザすら倒せないだろう。
いや、道中の魔物で全滅するのも想像に難くない。
「……《水の精霊達よ、天を見上げ、我と結びを交わせ》」
ボースハイトが唐突に意味のわからないことを呟き始めた。
「《氷結》」
その言葉が発せられると、我が輩の足下が凍り付く。
言葉通り、《氷結》の魔法か。
「ちょっと、この僕を目の前に何考え込んでんの?」
「今の長ったらしい台詞はなんだ?」
「は? 詠唱だけど?」
「詠唱!?」
ないない!
魔法にそんなの必要ない!
我が輩は人間達にそんなの教えてないぞ!
「驚くのそこじゃなくない? お前の足、凍り付いてるんだけど? ねえ?」
詠唱ってなんだ。
魔法発動に何秒かけるつもりだ。
その間に攻撃されるぞ。
「なんか今の一瞬でドッと汗をかいた……」
ボースハイトは何を勘違いしたのか、嬉しそうにくすくすと笑った。
「お前の足、一生このまま凍り付いて床に張り付いたままだよ。魔族に襲われても、周りが火の海になっても。ずーっと。ずーっと。誰も来てくれない。そのときは僕が来てあげようか? お前の無様な死に様、見ててあげる」
「それも詠唱か?」
「は? 違うよ」
「随分長ったらしいから詠唱の類いかと……」
「はあ!? ってか、足! 足どうすんの! 動けないよ! ほら!」
ボースハイトは地団駄を踏む。
なんだ、そんなこと心配していたのか。
「心配には及ばぬ」
我が輩は軽く片足を上げた。
バキッと根元から氷が折れる。
床にちょっと氷が残ったが、足を守るように氷はついたままだ。
続いてもう片方の足も同じように持ち上げた。
これでボースハイトが心配するようなことはなくなった。
「氷の長靴とはなかなか粋ではないか。我が輩はこの長靴、気に入ったぞ」
ボースハイトは大きくため息をついた。
「……お前、マジでなんなの?」
「さっき名乗っただろう? ウィナだ」
「そうじゃない」
ボースハイトは再び大きくため息をついた。
試験は勇者学院ブレイヴの教室で行われている。
入学志願者達は皆、席につき、テスト用紙と向かい合っていた。
我が輩もその一人だ。
それにしても、と我が輩は周りに目を向ける。
この試験は魔法使いを希望する者達が集まっているはず。
だが、戦士希望者と同じくらいの魔力量だ。
つまり、とんでもなく少ない。
筆記試験で判断するから魔力量は関係ないのか?
いいや、そんなはずはない。
魔力量は多ければ多いほど強い。
我が輩がそうであるように。
それに、戦士達が魔法使いを魔族だと言ったことも気になる。
この学院……いや、人間の常識が我々魔族の常識とかけ離れているのやもしれぬな。
「初めっ!」
試験官の合図と共に、入学志願者達が一斉にテスト用紙をめくる。
……そんなことより、今は試験だな。
くく、我が輩を唸らせる問題だと良いが……。
我が輩はテスト用紙をめくる。
そして、問題文を読み始めた。
何度も何度も問題文の頭に戻って読み返す。
……わからない……だと……!?
そんな馬鹿な。
この我が輩にわからぬことがあるはずがない!
我が輩が人間達に魔法を伝えたのだぞ!
今の人間の常識が、我々とかけ離れているとは思っていたが、全くわからぬとは思わぬではないか!
我が輩は唸った。
だが、魔王が魔法の試験で満点以外を取る訳にはいかぬ。
仕方がない。
思考を読み取る魔法《思考傍受》で答えを探るか。
魔法科の試験だ。
別に魔法を使っても構わんのだろう?
「カンニングですな」と何処からかバレットの声が聞こえてくる。
人間の倫理観なぞ知るものか。
我が輩は魔王だ。
思考を読めなくする魔法《思考防御》が厄介だが、これほど人がいれば数人は防御が甘い奴がいるだろう。
さて、《思考傍受》発動!
『眠い……』
『ここ、ゼミでやったところだ!』
『合格合格合格合格合格合格……』
入学志願者の焦燥感が頭の中に傾れ込んでくる。
誰も《思考傍受》を使わず、誠実にテストへ臨んでいるようだ。
……というか、読める思考の数が多過ぎやしないか。
まさか、誰も《思考防御》をしてないのではあるまいな。
思考の管理が甘いとかいうレベルではないぞ。
我が輩としては助かるが……。
『くすくす。みんなの焦ってる声が聞こえてくるよ……』
ん?
この思考は……?
『僕に思考が読まれてるとも知らずにね』
我が輩は思わず、後ろを振り向く。
すると、一人の入学志願者と視線が合った。
左右の目の色が違うその男は、我が輩を見てフッと微笑んだ。
「おい! そこ! 前を向け!」
我が輩の後頭部に試験官の叱責が飛んできた。
我が輩は黙って試験官に従う。
ここで騒ぎを起こしたら、我が輩と目が合ったあの男に逃げられるやもしれん。
我が輩はあの男と話す必要がある。
□
筆記試験が終わり、入学志願者達は教室の扉へ向かっていく。
しかし、一人だけ逆方向に歩き出した者がいた。
先程、我が輩と目が合った男だ。
「お前、さっき僕と目が合ったよね?」
紫と桃色の目を持つ赤髪の男は我が輩の前に来てニヤニヤと笑いかける。
「まさかカンニングするなんてねえ。これは模範生として先生に密告しないといけないなあ」
「お互い様だろう。貴様も思考を読んでいた」
「言いがかりだよ。証拠でもあるの?」
「貴様こそ、証拠があるのか?」
「僕と目が合った」
「それだけでは証拠になるまい」
赤髪の男は「うーん」と悩んだフリをした後。
「確かにね。じゃあ、今回は見逃そうかな」
そう言って、カラッと笑った。
密告する気なんて最初からなかろう。
その気なら目が合ったときにしているはずだからな。
「名前」
「ん?」
「名前だよ。お前の」
「我が輩はウィナだ」
「くすくす。我が輩って一人称の奴、本当にいるんだ」
「我が輩が名乗ってやったのだぞ。貴様も名乗れ」
「そうだね。僕は、悪名高い魔法使い、ボースハイト」
ボースハイトはそう言いながら、右足を引いて頭を下げる。
「うむ。よろしくな。ボースハイト」
我が輩がそう挨拶すると、ボースハイトは顔を上げた。
その顔は不機嫌そうに眉根を寄せていた。
「お前、僕のこと知らないの? 名前を出せばわかると思ったんだけどな……」
「有名人だったのか?」
魔王城には届いてないな。
「まあ、いいや。ねえねえ、《思考傍受》なんて上級魔法、何処習ったの? 僕しか使えないと思ってた」
「《思考傍受》ぐらい子供でも使えるぞ」
「は? みんな使えたらカンニングし放題じゃん。思考ダダ漏れ。筆記試験なんてしない」
「魔法で思考を読めないようにすれば良かろう」
「そんなこと出来ないでしょ。僕、嘘は嫌いだよ」
「嘘ではない。実際、貴様は我が輩の思考を読めないだろう」
ボースハイトはじっと我が輩の顔を見た後、肩をすくめる。
「……確かに読めない。どういうカラクリ?」
この発言から察するに、どうやら我が輩の思考が読まれた訳ではなかったらしい。
ボースハイトと話したかったのは、試験のとき我が輩の思考を読んだのか否かを確認するためだ。
あのとき、我が輩は魔王だのどうのと思考していたからな。
我が輩が魔王だとバレたかと思って少々焦ったが、どうやら杞憂だったらしい。
「だから、魔法で思考を読めないようにしている。この魔法こそ、皆が使えなかったらカンニングし放題だろう」
「……《思考傍受》が使えればそれだけで入学試験はパス出来る。それぐらい珍しい魔法なんだよ。そんなことも知らないなんて何処の田舎者?」
魔王城から来た。
とは言えないが。
それにしても、戦士科に比べて魔法科の入学志願者は少なかったな。
もしかして、魔法を使えるだけで魔族扱いするのは勇者学院ブレイヴ特有のものではないのか?
魔王を倒すために魔法は必須なんだが、人間は魔法の価値を低く見ているということか。
通りで我が輩の元に勇者が来ない訳だ……。
魔法を使わなければ、魔王どころか、四天王の中で最弱の【最弱王】ルザすら倒せないだろう。
いや、道中の魔物で全滅するのも想像に難くない。
「……《水の精霊達よ、天を見上げ、我と結びを交わせ》」
ボースハイトが唐突に意味のわからないことを呟き始めた。
「《氷結》」
その言葉が発せられると、我が輩の足下が凍り付く。
言葉通り、《氷結》の魔法か。
「ちょっと、この僕を目の前に何考え込んでんの?」
「今の長ったらしい台詞はなんだ?」
「は? 詠唱だけど?」
「詠唱!?」
ないない!
魔法にそんなの必要ない!
我が輩は人間達にそんなの教えてないぞ!
「驚くのそこじゃなくない? お前の足、凍り付いてるんだけど? ねえ?」
詠唱ってなんだ。
魔法発動に何秒かけるつもりだ。
その間に攻撃されるぞ。
「なんか今の一瞬でドッと汗をかいた……」
ボースハイトは何を勘違いしたのか、嬉しそうにくすくすと笑った。
「お前の足、一生このまま凍り付いて床に張り付いたままだよ。魔族に襲われても、周りが火の海になっても。ずーっと。ずーっと。誰も来てくれない。そのときは僕が来てあげようか? お前の無様な死に様、見ててあげる」
「それも詠唱か?」
「は? 違うよ」
「随分長ったらしいから詠唱の類いかと……」
「はあ!? ってか、足! 足どうすんの! 動けないよ! ほら!」
ボースハイトは地団駄を踏む。
なんだ、そんなこと心配していたのか。
「心配には及ばぬ」
我が輩は軽く片足を上げた。
バキッと根元から氷が折れる。
床にちょっと氷が残ったが、足を守るように氷はついたままだ。
続いてもう片方の足も同じように持ち上げた。
これでボースハイトが心配するようなことはなくなった。
「氷の長靴とはなかなか粋ではないか。我が輩はこの長靴、気に入ったぞ」
ボースハイトは大きくため息をついた。
「……お前、マジでなんなの?」
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「そうじゃない」
ボースハイトは再び大きくため息をついた。
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