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病人の名前
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「そのような事情があったのですね。このシラム出来る限りお力になりたいのですが・・・・・・少々、事情があり、グランダー家にはお力になる為の余力があるかどうか・・・・・・」
シラムがそう話すと倉野は恐る恐る核心に迫る質問を投げかける。
「グランダー家の誰かが病気になったという話は本当だということですか?」
「どこでそのお話を?」
シラムはそう問いかけながら、衛兵の表情を伺った。
先ほどエスエ帝国に転移してきたばかりの倉野が、それを知っているという事は衛兵が話したと察したのだろう。
衛兵もまた、自分が話したと悟られていると感じ、バツの悪そうな顔をした。
理解したシラムはため息をつき、話を続ける。
「人の口に戸を立てられぬ、という事ですね。ましてや鍵をかけることなどできませぬな。また言葉よりも人や物の流れは真実を雄弁に語る」
「という事は、やはり話は本当なんですね?一体誰が病気に?」
答えを急ぐように倉野が連続して問いかけた。
シラムは一瞬表情を曇らせてから、口を開く。
「ここでお答えするのは・・・・・・」
それを聞いていたレインは倉野の方に手を置いてから倉野を落ち着かせるように話しかける。
「当然だよ、クラノ。貴族が病気だという話を公にするものではないさ。シラムさん、場所を変えてお話しできませんんか?我々としてもグランダー伯爵以外に頼れる方もいませんし、クラノも詳しく話を聞きたいようなので」
「・・・・・・わかりました。とにかく街に入り、全員分の宿を用意しましょう。話の続きはそちらで致します」
シラムはそう言ってから衛兵に話をつけ、グランダー伯爵家の客人として倉野たちの通行証を用意した。
そしていざ帝都に入ろうとした途端、それまで黙っていたアルフォロッソが正気を取り戻したのか大声で叫び始める。
「私は子爵だぞ!衛兵を呼べ!この者たちは貴族である私を侮辱した!取り押さえよ!」
そう叫びながら暴れるアルフォロッソをハウンドが取り押さえていた。
エスエ帝国に戻ってきたこと気付き、逃げられると思ったのだろうか。
アルフォロッソの罪について倉野から説明を受けていたシラムは呆れたように衛兵に指示する。
「緊急ですのでグランダー伯爵の権限をお借りし、あの方を取り押さえます。手続きは後ほどグランダー伯爵から致します」
「は、はい!かしこまりました」
指示を受けた衛兵は急いで他の衛兵を呼びアルフォロッソを取り押さえた。
「くそっ、離せっ。私は子爵だぞ!平民が気安く触れるな!離せ!後悔させてやるからな」
そう叫びながらアルフォロッソは衛兵に連れて行かれる。
その姿を見送るルーズはどこか悲しげであった。
「それでは参りましょうか」
一つの問題を解決したシラムにそう言われ、倉野たちは門を通り抜ける。
帝都庶民街に入ってすぐの場所にある宿に到着すると、シラムは全員分の部屋を用意し休むように伝えた。
飛行船墜落からの疲労が溜まっていたノエル、ハウンド、ペースト、ロマネ、スルトはシラムに礼を伝えてから部屋に入る。
レインは、自分も会話に参加させて欲しい、と倉野とシラムがいる部屋に残っていた。
「さて、これで情報が漏れる事はないよ」
レインがそう言うとシラムは深呼吸をしてから口を開く。
「そうですな。さて、どこまで話しておりましたか?」
「グランダー家に病人がいる、と言う話が本当だってところまでです」
「そうでしたそうでした。歳を取ると記憶力が悪くなっていけません」
そう言いながら苦笑するシラム。
少し間を開けてから、シラムは病人の名を口にした。
「レイチェル様でございます」
その名前を聞いた途端、血液の流れが止まってしまったのではないかと感じるほど倉野は血の気が引く。
そうでなければいい、と思っていた最悪の事態が現実だったのだ。
全身の細胞がショックを受けている。
振り絞るように倉野は声を発した。
「そう・・・・・・ですか」
シラムがそう話すと倉野は恐る恐る核心に迫る質問を投げかける。
「グランダー家の誰かが病気になったという話は本当だということですか?」
「どこでそのお話を?」
シラムはそう問いかけながら、衛兵の表情を伺った。
先ほどエスエ帝国に転移してきたばかりの倉野が、それを知っているという事は衛兵が話したと察したのだろう。
衛兵もまた、自分が話したと悟られていると感じ、バツの悪そうな顔をした。
理解したシラムはため息をつき、話を続ける。
「人の口に戸を立てられぬ、という事ですね。ましてや鍵をかけることなどできませぬな。また言葉よりも人や物の流れは真実を雄弁に語る」
「という事は、やはり話は本当なんですね?一体誰が病気に?」
答えを急ぐように倉野が連続して問いかけた。
シラムは一瞬表情を曇らせてから、口を開く。
「ここでお答えするのは・・・・・・」
それを聞いていたレインは倉野の方に手を置いてから倉野を落ち着かせるように話しかける。
「当然だよ、クラノ。貴族が病気だという話を公にするものではないさ。シラムさん、場所を変えてお話しできませんんか?我々としてもグランダー伯爵以外に頼れる方もいませんし、クラノも詳しく話を聞きたいようなので」
「・・・・・・わかりました。とにかく街に入り、全員分の宿を用意しましょう。話の続きはそちらで致します」
シラムはそう言ってから衛兵に話をつけ、グランダー伯爵家の客人として倉野たちの通行証を用意した。
そしていざ帝都に入ろうとした途端、それまで黙っていたアルフォロッソが正気を取り戻したのか大声で叫び始める。
「私は子爵だぞ!衛兵を呼べ!この者たちは貴族である私を侮辱した!取り押さえよ!」
そう叫びながら暴れるアルフォロッソをハウンドが取り押さえていた。
エスエ帝国に戻ってきたこと気付き、逃げられると思ったのだろうか。
アルフォロッソの罪について倉野から説明を受けていたシラムは呆れたように衛兵に指示する。
「緊急ですのでグランダー伯爵の権限をお借りし、あの方を取り押さえます。手続きは後ほどグランダー伯爵から致します」
「は、はい!かしこまりました」
指示を受けた衛兵は急いで他の衛兵を呼びアルフォロッソを取り押さえた。
「くそっ、離せっ。私は子爵だぞ!平民が気安く触れるな!離せ!後悔させてやるからな」
そう叫びながらアルフォロッソは衛兵に連れて行かれる。
その姿を見送るルーズはどこか悲しげであった。
「それでは参りましょうか」
一つの問題を解決したシラムにそう言われ、倉野たちは門を通り抜ける。
帝都庶民街に入ってすぐの場所にある宿に到着すると、シラムは全員分の部屋を用意し休むように伝えた。
飛行船墜落からの疲労が溜まっていたノエル、ハウンド、ペースト、ロマネ、スルトはシラムに礼を伝えてから部屋に入る。
レインは、自分も会話に参加させて欲しい、と倉野とシラムがいる部屋に残っていた。
「さて、これで情報が漏れる事はないよ」
レインがそう言うとシラムは深呼吸をしてから口を開く。
「そうですな。さて、どこまで話しておりましたか?」
「グランダー家に病人がいる、と言う話が本当だってところまでです」
「そうでしたそうでした。歳を取ると記憶力が悪くなっていけません」
そう言いながら苦笑するシラム。
少し間を開けてから、シラムは病人の名を口にした。
「レイチェル様でございます」
その名前を聞いた途端、血液の流れが止まってしまったのではないかと感じるほど倉野は血の気が引く。
そうでなければいい、と思っていた最悪の事態が現実だったのだ。
全身の細胞がショックを受けている。
振り絞るように倉野は声を発した。
「そう・・・・・・ですか」
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