異世界で俺だけレベルが上がらない! だけど努力したら最強になれるらしいです?

澤檸檬

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死か悪魔か

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 涙を浮かべながら悲しい言葉を吐くメディーナに、エヴァンシル王が結論を告げる。

「メディーナ、お主は生きていけるのだ」
「私が、生きていけると? 冗談はおやめください。魔力が体に合わないのならば、どうしようもないじゃないですか」
「ああ、本来ならばそうだろう。だが、一つだけ方法はある。文字通り悪魔に頼ることになるがな」
「どういうことですか?」
「ふっ、あとはこちらにいるクラノ殿から説明してもらおう」

 そう言ってエヴァンシル王は倉野を指差した。
 突然指名された倉野は驚きながらも返事をする。

「え? は、はい。どうも、あの倉野です」
「は、はい。えっとメディーナ・ルージュと申します」

 もちろん初対面の倉野とメディーナはお互いにぎこちない挨拶を交わした。
 これから何が起こるのか、何も知らないブレイズとメディーナは真剣な表情で話を聞く。
 注目され重い空気が流れている中、倉野は説明を始めた。

「えっと、今からメディーナさんには悪魔と契約してもらいます」

 唐突に放たれた言葉に驚きブレイズはアスタロトに視線を送る。

「悪魔ってこの悪魔ですか?」

 ブレイズにそう言われたアスタロトは不満そうに言い返した。

「この中に私以外の悪魔がいますか? 全く理解しがたいほど理解できない種族ですね」
「話がこじれるから黙っててアスタロト」

 煽るような言い方をするアスタロトを注意した倉野はさらに言葉を続ける。

「契約してもらう悪魔はこのアスタロトです」

 悪魔の名前を聞いたメディーナは恐れるような表情で聞き返した。

「アスタロトってあの、オランディ物語に出てくるアスタロトですよね。一体何がどうなっているんですか」
「うーん、説明すると長くなるのですが」

 そう言ってから倉野はここまでの状況を説明する。
 メディーナの病について知った倉野たちはそれを治す方法を探したこと。
 そしてそのためには魔力を入れ替える必要があるということ。
 魔力を入れ替えるには高レベルの魔力と技術、知識を兼ね備えた人間以外の種族の協力が必要である。
 条件を満たした種族などそう見つかりはしない。だが、奇跡的にもオランディにはその痕跡があった。クレアシオンにアスタロトの魔力の一部が封印されており、クレアシオンの封印を解いた瞬間にアスタロトも復活するという。
 それを知った倉野たちがアスタロトを復活させて従えたという話だ。
 自らのスキルやブレイズの犯した罪についてを省いた説明をした倉野
 倉野の説明を聞いたブレイズは絶句したのちに口を開く。

「何が起きているんですか、これは。いや、どのようにしてメディーナのことや悪魔の存在を知ったのか、どのようにして悪魔を従えたのか等、知りたいことは幾つもあるのですが・・・・・・目の前に悪魔がいる以上、全てを信じるしか・・・・・・」

 絶句しているブレイズの向かい側でオリビアはアスタロトの黒い翼に触れていた。

「この方が悪魔なのですね。なるほどなるほど、翼も少し温かいですね。目つきが悪いですが、怒ってらっしゃるのですか?」

 アスタロトに恐れず話しかけるオリビアに驚きながらレインが止めに入る。

「ちょ、ちょっと、オリビア様。おやめください、行動力がありすぎます」
「でも、悪魔様は協力してくださるのでしょう。この方のことを知っておかないと」
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