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連載
潮風と地図
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倉野たちがグランマリア号に乗りこみ、自室に戻ろうとしているとその途中でアルダリンに遭遇する。
グランマリア号は甲板を含め上に八階、甲板から下に四階に別れており倉野たちの客室は甲板を一階と数えるならば五階にあった。その五階の通路でアルダリンと遭遇したのである。
どうやらちょうど会食が終わったところらしく、倉野たちに気づいたアルダリンが声をかけてきた。
「おお、船に戻られましたか。どうですか、何か良い買い物はできましたかな」
アルダリンに声をかけられたリオネが軽く会釈しながら答える。
「アルダリンさん、会食が終わったんですね。はい、簡単な食事とちょっとした買い物をしていたらちょうど時間になったので戻ってきました」
「ほっほっほ、そうですかそうですか。もうお部屋に戻られるのかな」
いつも通り優しい笑顔でアルダリンはそう続けた。
その言葉を聞いた倉野が肯定するように頷き返事をするとアルダリンが懐から折りたたんである紙を取り出す。
何をしているのだろうと覗き込む三人。するとアルダリンが紙を広げながらこう話した。
「せっかくですからグランマリア号を探索してみてはいかがですかな。どうやら船は動き始めたようですし、ここからエスエ帝国に到着するまでの三日間は船の上です。この船の中であれば警備も安全でしょうから護衛の仕事時間外と考えて頂いて構いません。私も自由に動かなければならない付き合いや仕事がありますからな。ぜひこの船を楽しんでいただきたい。これはグランマリア号の内部を記した地図です」
そう言いながらアルダリンは倉野に地図を手渡す。
どうやら同じような商人や各地の有権者との付き合いや仕事の話があるらしい。
地図を受け取った倉野が礼を言うとアルダリンは今のうちに書類をまとめなければならないからと部屋に戻っていった。
アルダリンの背中を見送るとノエルが倉野の持つ地図を覗き込む。
「おお、これわすごいわね。一目見るだけで何があるのかわかる。一目瞭然ってやつよ」
「えっと、じゃあせっかくなので色々見て回りますか」
ノエルの言葉を聞いた倉野がそう話すと二人が頷き、ノエルが地図を読み上げた。
「そうね。えっと一階が甲板と食堂で二階が各種商店。三階がギャンブルルームや運動室で四階から七階が客室と各階に娯楽室があって、八階が展望室か。じゃあ、一階から見て回ることにことにする?」
ノエルが提案すると倉野とリオネは即座に同意し、そのまま一階の甲板まで降りる。
甲板に降りると巨大なグランマリア号が海を割るように水をかき分けて進んでいく様が目に入った。左右に水しぶきを上げながら進んでおり、船尾の方角には小さくデルターラの港が見える。もうこれほど進んだのかと思うほど港が小さい。
甲板を歩き、船首の方に向かうと強い潮の匂いを含んだ風が体を吹き飛ばそうとしてくる。自分が海の上にいるのだと強く認識させられた。
だが、それが不快だと感じないほどの爽やかさがある。全てを包み込むような海の風景と沈んでいく日の淡い光が壮大な気持ちにさせた。
「月並みなセリフですが綺麗ですね」
リオネはそう言いながら風で暴れる髪の毛を押さえる。
グランマリア号は甲板を含め上に八階、甲板から下に四階に別れており倉野たちの客室は甲板を一階と数えるならば五階にあった。その五階の通路でアルダリンと遭遇したのである。
どうやらちょうど会食が終わったところらしく、倉野たちに気づいたアルダリンが声をかけてきた。
「おお、船に戻られましたか。どうですか、何か良い買い物はできましたかな」
アルダリンに声をかけられたリオネが軽く会釈しながら答える。
「アルダリンさん、会食が終わったんですね。はい、簡単な食事とちょっとした買い物をしていたらちょうど時間になったので戻ってきました」
「ほっほっほ、そうですかそうですか。もうお部屋に戻られるのかな」
いつも通り優しい笑顔でアルダリンはそう続けた。
その言葉を聞いた倉野が肯定するように頷き返事をするとアルダリンが懐から折りたたんである紙を取り出す。
何をしているのだろうと覗き込む三人。するとアルダリンが紙を広げながらこう話した。
「せっかくですからグランマリア号を探索してみてはいかがですかな。どうやら船は動き始めたようですし、ここからエスエ帝国に到着するまでの三日間は船の上です。この船の中であれば警備も安全でしょうから護衛の仕事時間外と考えて頂いて構いません。私も自由に動かなければならない付き合いや仕事がありますからな。ぜひこの船を楽しんでいただきたい。これはグランマリア号の内部を記した地図です」
そう言いながらアルダリンは倉野に地図を手渡す。
どうやら同じような商人や各地の有権者との付き合いや仕事の話があるらしい。
地図を受け取った倉野が礼を言うとアルダリンは今のうちに書類をまとめなければならないからと部屋に戻っていった。
アルダリンの背中を見送るとノエルが倉野の持つ地図を覗き込む。
「おお、これわすごいわね。一目見るだけで何があるのかわかる。一目瞭然ってやつよ」
「えっと、じゃあせっかくなので色々見て回りますか」
ノエルの言葉を聞いた倉野がそう話すと二人が頷き、ノエルが地図を読み上げた。
「そうね。えっと一階が甲板と食堂で二階が各種商店。三階がギャンブルルームや運動室で四階から七階が客室と各階に娯楽室があって、八階が展望室か。じゃあ、一階から見て回ることにことにする?」
ノエルが提案すると倉野とリオネは即座に同意し、そのまま一階の甲板まで降りる。
甲板に降りると巨大なグランマリア号が海を割るように水をかき分けて進んでいく様が目に入った。左右に水しぶきを上げながら進んでおり、船尾の方角には小さくデルターラの港が見える。もうこれほど進んだのかと思うほど港が小さい。
甲板を歩き、船首の方に向かうと強い潮の匂いを含んだ風が体を吹き飛ばそうとしてくる。自分が海の上にいるのだと強く認識させられた。
だが、それが不快だと感じないほどの爽やかさがある。全てを包み込むような海の風景と沈んでいく日の淡い光が壮大な気持ちにさせた。
「月並みなセリフですが綺麗ですね」
リオネはそう言いながら風で暴れる髪の毛を押さえる。
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