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乗組員ジョン・デヴィット
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「お待たせしました。上の者に確認したところ確かにアルダリンさんからこの部屋への立ち入り申請があり、許可が出ているそうです。ただ、現場保存のために立ち合いが必要だと言われまして、このまま私が立ち会うことになりました」
乗組員がそう話すと二人は仕方がないというような表情で頷く。
「別に壊したりはしないけどさ。まぁ、現場保存は必要よね。じゃあ、よろしくね」
「そうですね。現場を保存しているということは何かが残っているかもしれません。むしろ好都合ですね」
ノエルとリオネが言うと乗組員は部屋への立ち入りを阻むロープを外した。
「どのみち、自殺者が出た部屋を開放したとしても誰も宿泊なんてしませんからね。現場保存をしているのは自殺の調査のためというよりもグランマリア号としてなかったことにしたいってことだと思いますよ」
「臭い物に蓋をするってやつね。現場保存って大義名分があれば開放せずに済むし、他人の目に触れないってところかしら」
考察しながらノエルはロープの内側へと進む。
ノエルに続くようにリオネも進もうとするが、そんな二人に乗組員が再び声をかけた。
「ああ、そうだ。申し遅れました。私は乗組員のジョン・デヴィットです。聞きたいことがあればなんでもお聞きください。できる限り協力するようにと命じられていますから」
突然自己紹介を始めたジョンに一瞬動きを止めた二人だったが、すぐに自分たちも名乗る。
「私はノエルよ」
「リオネです。よろしくお願いします」
お互いに自己紹介を終えた三人はそのままディートが死亡した部屋に立ち入った。
部屋の中には果実が腐ったような匂いと鉄錆のような匂いが残っており、空気を淀ませている。設置された机やベッドは埃を被り、二月の間放置されていたことを感じさせた。
「なんの匂いかしら、この腐敗臭」
部屋を見渡しながらノエルが呟くとリオネが床を指差す。
「これじゃないでしょうか」
リオネが指さしたのは赤黒い何かの跡だった。
二人がそれを観察するように見ていると背後からジョンが声をかける。
「それは葡萄酒が乾いたものですね」
「葡萄酒?」
リオネが聞き返すとジョンは机の上に置かれた瓶を指さした。机の上には葡萄酒の瓶とグラスが四つ並んでいる。
二人の視線が机の上に向かったことを確認するとジョンは話を続けた。
「ええ、どうやらディート氏は死の間際まで酒を飲んでいたようです」
「じゃあ、その酒に毒が混ぜられていたってことかしら」
話を聞いたノエルがそう推理するとジョンが首を横に振る。
「いいえ、酒からは毒のようなものは検出されてません。どうやら酒は関係ないようです。まぁ、私も聞いた話ですけど」
「えっとジョンさんはその時船にはいなかったんですか?」
「ちょうど休暇をとっていましたので、後から話を聞いたんです」
リオネの問いかけにジョンはそう答えた。
乗組員がそう話すと二人は仕方がないというような表情で頷く。
「別に壊したりはしないけどさ。まぁ、現場保存は必要よね。じゃあ、よろしくね」
「そうですね。現場を保存しているということは何かが残っているかもしれません。むしろ好都合ですね」
ノエルとリオネが言うと乗組員は部屋への立ち入りを阻むロープを外した。
「どのみち、自殺者が出た部屋を開放したとしても誰も宿泊なんてしませんからね。現場保存をしているのは自殺の調査のためというよりもグランマリア号としてなかったことにしたいってことだと思いますよ」
「臭い物に蓋をするってやつね。現場保存って大義名分があれば開放せずに済むし、他人の目に触れないってところかしら」
考察しながらノエルはロープの内側へと進む。
ノエルに続くようにリオネも進もうとするが、そんな二人に乗組員が再び声をかけた。
「ああ、そうだ。申し遅れました。私は乗組員のジョン・デヴィットです。聞きたいことがあればなんでもお聞きください。できる限り協力するようにと命じられていますから」
突然自己紹介を始めたジョンに一瞬動きを止めた二人だったが、すぐに自分たちも名乗る。
「私はノエルよ」
「リオネです。よろしくお願いします」
お互いに自己紹介を終えた三人はそのままディートが死亡した部屋に立ち入った。
部屋の中には果実が腐ったような匂いと鉄錆のような匂いが残っており、空気を淀ませている。設置された机やベッドは埃を被り、二月の間放置されていたことを感じさせた。
「なんの匂いかしら、この腐敗臭」
部屋を見渡しながらノエルが呟くとリオネが床を指差す。
「これじゃないでしょうか」
リオネが指さしたのは赤黒い何かの跡だった。
二人がそれを観察するように見ていると背後からジョンが声をかける。
「それは葡萄酒が乾いたものですね」
「葡萄酒?」
リオネが聞き返すとジョンは机の上に置かれた瓶を指さした。机の上には葡萄酒の瓶とグラスが四つ並んでいる。
二人の視線が机の上に向かったことを確認するとジョンは話を続けた。
「ええ、どうやらディート氏は死の間際まで酒を飲んでいたようです」
「じゃあ、その酒に毒が混ぜられていたってことかしら」
話を聞いたノエルがそう推理するとジョンが首を横に振る。
「いいえ、酒からは毒のようなものは検出されてません。どうやら酒は関係ないようです。まぁ、私も聞いた話ですけど」
「えっとジョンさんはその時船にはいなかったんですか?」
「ちょうど休暇をとっていましたので、後から話を聞いたんです」
リオネの問いかけにジョンはそう答えた。
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