異世界で俺だけレベルが上がらない! だけど努力したら最強になれるらしいです?

澤檸檬

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そして七百年越しの厄災は始まった。

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 突如として誓いを迫られた倉野は一瞬気圧される。
 何故、このタイミングで生きることを迫られているのか。
 だが、イスベルグの真剣さを感じた倉野は言葉を受け入れる。

「・・・・・・わかりました。誰も死なせませんし、僕も死にません」
「ふっ、分かっているのか分かっていないのか・・・・・・まぁ良い。その言葉を努努忘れるな。さぁ、時は来た・・・・・・天地創造の大剣を呼び出せ!」

 イスベルグがそう言い放った瞬間、消えていた鼓動の音が猛スピードで響き始めた。
 いや、正しくはずっと響いていたのだろう。倉野がイスベルグによって自らの精神の中に引き込まれていたため音が止んでいた。
 このタイミングで現実世界に引き戻された倉野はイスベルグの指示通りクレアシオンを呼び出そうとする。

「でも、呼び出すって言ったってクレアシオンは帝都の近くに置いてきたままのはずじゃあ・・・・・・と、とにかく最初に呼び出した時の感覚を思い出して・・・・・・天地創造の剣、クレアシオンを我が手に!」

 倉野の呼びかけに応えるように誰のものでもない魔力が彼の右手に集まった。
 やがて魔力は渦となり、空間を切り取るような円を作り出す。その中から見覚えのある持ち手が出現した。

「引き抜け!」

 イスベルグがそう合図を出し、声に合わせて倉野が持ち手を引き抜く。
 
「はい!」

 一気に引き抜いたそれは想像通り先ほどから名前を挙げている天地創造の大剣クレアシオンだった。
 刀身が姿を表すと独特の圧力がその場に生まれる。
 クレアシオンは先の戦いで倉野を勝利に導いた武器だ。現時点では倉野にとっての最高攻撃力を誇っている。
 クレアシオンを手にした瞬間、倉野の身体中に力が湧いてきた。

「クレアシオンと『神速』を組み合わせれば・・・・・・」

 デザストルとの戦い方を頭の中で整理する倉野。
 自分の速度を上げることによって相対的に周囲の時を止める『神速』というスキルを使用し、クレアシオンで攻撃すればデザストルであってもダメージを与えられるのではないかと考えている倉野だったが、イスベルグは真っ向から否定する。

「お前のスキル『神速』は確かに強力だが、魔力を持たぬ異世界人であるために魔法を打ち砕くことはできない。それを補うために天地創造の剣を持っているが、それもデザストルには届かないだろう。ドラゴンは分厚い皮膚を持っている上に奴は地獄の業火を纏っている・・・・・・全てを燃やし尽くすほどの魔力の塊だ」
「だ、だったらスキル『説明』で倒し方を」
「心配するな。お前は死なせないし、お前が守りたい人間も死なせない」

 優しく語りかけるイスベルグに違和感を覚えた倉野はただ名前を呟いた。

「イスベルグさん・・・・・・」
「構えろ! 身を守れ!」

 イスベルグの声が開戦を告げる。厄災デザストル復活の瞬間だ。
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