異世界で俺だけレベルが上がらない! だけど努力したら最強になれるらしいです?

澤檸檬

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神か悪魔か

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 全員の話を聞いたレインは情報を組み立てていく。

「つまり・・・・・・ノエルを助け出すタイミングは今じゃないということか。だとしたら一体何を待てば」

 新たな疑問を口にしたレインだったがすぐにノエルの言葉を思い出した。

「そういえばノエルはこう言っていた。知る努力が大切だと・・・・・・自分が何をしようとしているのか調べろという意味だったのか」
「ああ、そうだろうな。デュワールの目の前で全てを説明するわけにはいかない。ワシらにだけ伝わるようにそう言ったのだろう」

 レオポルトはそう言いながら倉野に歩み寄り肩を叩く。
 スキル『説明』でノエルの真意を調べろという合図だ。もちろん、倉野にもそうすることが最善だと分かっており間髪入れず行動に移る。
 
「スキル『説明』発動。対象はノエルさんの真意」

 当然のことながらスキル『説明』に戦闘力はない。『神速』や『神腕』の方がわかりやすく強いスキルだ。しかし最も倉野を常人離れさせているのはスキル『説明』なのかもしれない。
 まさしく神のように全てを見通すのだ。使い方を間違えれば世界を滅ぼすことさえ出来てしまう。
 時代や状況により神にでも悪魔にでもなれる能力だ。
 倉野自身その能力の危険性を本能的に気付いているのだろう。ここに至るまでノエルの真意を調べなかったのは相手の心を強制的に暴いてしまうことを避けていたからかもしれない。
 こうして倉野たちはノエルの抱えているものを理解したのである。

 倉野たちがスキル『説明』によって状況を理解していた頃、ノエルとデュワールはバレンドットへの入国手続きを行っていた。

「こちらで入国審査をさせて頂きます。通行証や身分を証明するものをお持ちでしょうか」

 関所にいた兵士がデュワールに声をかける。するとデュワールは怪しい笑みを浮かべてから兵士にこう返した。

「ここにバルカームという男がいますね? 繋いで頂けますか。デュワールが来たと言えば伝わるはずです」
「バルカームさんに・・・・・・ですか?」

 兵士が首を傾げるとデュワールは一度頷いて微笑む。
 
「ええ、お願いします」
「わかりました」

 そう答えてその場を離れる兵士。しばらく待っていると別の兵士が慌てて走ってきた。

「これはこれはデュワールさん。お待たせしました。お元気そうで何よりです」

 小太りで人相の悪い兵士である。
 するとデュワールは自分の胸元から小さな皮袋を取り出しその兵士に手渡した。

「顔に似合わぬ世辞はいいですよ、バルカーム。貴方が待っていたのはこれでしょう」
「へへへ、こんな場所で一日中待機するんですからこれくらいの旨味はないと」

 そう言いながらバルカームと呼ばれた男は皮袋を受け取り、重さを確かめる。ジャラジャラと音が鳴るとバルカームは満足そうに笑みを浮かべた。
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