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攻城兵器
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その会話はウィローにとって看過できるものではなかった。親衛隊として国王の側にいる彼にはその話が事実無根のものであると分かる。しかし、国王の考えを間近で見ていない者からすると不安要素であるだろうことも理解できた。
先代国王の蛮行が歴史として刻まれてるバレンドット国民が動揺するのには充分すぎるほどである。
「すまないが、少し話を聞かせてもらえないか」
ウィローが話しかけると二人組の男は顔をしかめた。
「ああ?」
「なんだお前」
酒が入っていることもあり、男たちはウィローに対して威圧的な態度を見せる。
軍人として上の立場も下の立場も経験しているウィローは即座に自分の姿勢を変えた。このような場合、高圧的に聞き出そうとするのは悪手である。
「もちろんタダでとは言わない。店主、この二人に酒を。この店で一番高いのを頼む」
酒を奢ってもらえると知った途端、二人組は機嫌を良くした。店主が酒を出すと男たちはあからさまに喜び口を開く。
「こりゃありがてぇ」
「こんな酒飲んだことないぜ。それで、旦那。一体何の話が聞きたいんで?」
二人の心を掴んだウィローは改めて疑問を投げかけた。
「先ほど話していたことだ。この国を出た方がいいとか戦争とか言ってなかったか?」
二人組のうち一人が代表して答える。
「ああ、そういう噂だよ。だが、結構信憑性のある話さ。既に他国への侵攻準備は進んでいるらしい」
「他国への侵攻準備? その話が本当だったとして、国家機密のような情報をどこから・・・・・・」
もちろん、そのような事実がないことをウィローは知っていた。国王が他国への侵攻を決めたのならば真っ先にウィローが話を聞く。わかっている上で情報の出どころを探ろうとしたのだ。
「商人仲間からだよ。どうやら他国の行商人から人伝で広まっている話らしいぜ。この国の軍が武器を買い漁ってるってな」
「武器を?」
「剣だとか弓だとか兵士の装備品を大量に。けど旦那だって思うだろ、それくらいで戦争なんて考えすぎだってさ。重要なのはここからだよ。攻城兵器って知ってるかい?」
「城を攻め落とすための兵器か」
「ああ、その通りだ。巨石を打ち出すような兵器やら魔石を使用した範囲兵器やら結構な資金を投入して買い込んでるって話だよ。そんなもん戦争以外で使いっこねぇだろ」
男から話を聞いたウィローは情報収集であることを忘れ、より深く切り込む。
「どうしてそれが国軍によるものだと断定できたのだ」
表情は固く、目は血走っていた。
少し引き気味で男は答える。
「ど、どうしたんだよ、旦那。そんなの考えれば分かる話だろ。一個人がそんな兵器を必要とはしない。国が戦争の準備をしてる以外に何があるってんだ。この国には血塗られた歴史があるし、歴史ってのは繰り返すもんだ。先代国王の血が騒ぎ出したんだろ」
「そんな人ではない!」
遂に我慢できなくなったウィローは心の声を口から発した。
先代国王の蛮行が歴史として刻まれてるバレンドット国民が動揺するのには充分すぎるほどである。
「すまないが、少し話を聞かせてもらえないか」
ウィローが話しかけると二人組の男は顔をしかめた。
「ああ?」
「なんだお前」
酒が入っていることもあり、男たちはウィローに対して威圧的な態度を見せる。
軍人として上の立場も下の立場も経験しているウィローは即座に自分の姿勢を変えた。このような場合、高圧的に聞き出そうとするのは悪手である。
「もちろんタダでとは言わない。店主、この二人に酒を。この店で一番高いのを頼む」
酒を奢ってもらえると知った途端、二人組は機嫌を良くした。店主が酒を出すと男たちはあからさまに喜び口を開く。
「こりゃありがてぇ」
「こんな酒飲んだことないぜ。それで、旦那。一体何の話が聞きたいんで?」
二人の心を掴んだウィローは改めて疑問を投げかけた。
「先ほど話していたことだ。この国を出た方がいいとか戦争とか言ってなかったか?」
二人組のうち一人が代表して答える。
「ああ、そういう噂だよ。だが、結構信憑性のある話さ。既に他国への侵攻準備は進んでいるらしい」
「他国への侵攻準備? その話が本当だったとして、国家機密のような情報をどこから・・・・・・」
もちろん、そのような事実がないことをウィローは知っていた。国王が他国への侵攻を決めたのならば真っ先にウィローが話を聞く。わかっている上で情報の出どころを探ろうとしたのだ。
「商人仲間からだよ。どうやら他国の行商人から人伝で広まっている話らしいぜ。この国の軍が武器を買い漁ってるってな」
「武器を?」
「剣だとか弓だとか兵士の装備品を大量に。けど旦那だって思うだろ、それくらいで戦争なんて考えすぎだってさ。重要なのはここからだよ。攻城兵器って知ってるかい?」
「城を攻め落とすための兵器か」
「ああ、その通りだ。巨石を打ち出すような兵器やら魔石を使用した範囲兵器やら結構な資金を投入して買い込んでるって話だよ。そんなもん戦争以外で使いっこねぇだろ」
男から話を聞いたウィローは情報収集であることを忘れ、より深く切り込む。
「どうしてそれが国軍によるものだと断定できたのだ」
表情は固く、目は血走っていた。
少し引き気味で男は答える。
「ど、どうしたんだよ、旦那。そんなの考えれば分かる話だろ。一個人がそんな兵器を必要とはしない。国が戦争の準備をしてる以外に何があるってんだ。この国には血塗られた歴史があるし、歴史ってのは繰り返すもんだ。先代国王の血が騒ぎ出したんだろ」
「そんな人ではない!」
遂に我慢できなくなったウィローは心の声を口から発した。
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