88 / 110
出会い。
しおりを挟む
「私、あなたに会えて良かったわ」
彼女が笑顔で俺に気持ちを伝える。
俺も同じく笑顔で彼女の手を握った。
「俺もだよ」
「そう? あなたのお陰で、こんな男と付き合っていてはダメになると気付けたわ」
「え?」
「自分の機嫌のいい時は笑って甘えてきて、機嫌が悪いとすぐ態度に表す。次第に私はあなたの機嫌を伺うようになる。随分と居心地が良かったでしょうね。あなたが好きなのは私じゃないわ。反論もせずに従い機嫌をとってくれる相手よ」
俺の手からするりと抜けていった温度はもう戻らない。
彼女に会えて良かったと思える日は来ないだろう。その言葉のありがたさに気づくことなどできないのだから。
彼女が笑顔で俺に気持ちを伝える。
俺も同じく笑顔で彼女の手を握った。
「俺もだよ」
「そう? あなたのお陰で、こんな男と付き合っていてはダメになると気付けたわ」
「え?」
「自分の機嫌のいい時は笑って甘えてきて、機嫌が悪いとすぐ態度に表す。次第に私はあなたの機嫌を伺うようになる。随分と居心地が良かったでしょうね。あなたが好きなのは私じゃないわ。反論もせずに従い機嫌をとってくれる相手よ」
俺の手からするりと抜けていった温度はもう戻らない。
彼女に会えて良かったと思える日は来ないだろう。その言葉のありがたさに気づくことなどできないのだから。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
11
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる