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裸の添い寝
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何が起きたんだ。
俺は記憶を探ろうとする。
だが、目の前の現実に思考力を全て奪われた。
知らない男が隣で寝ている。
「・・・・・・頼む夢であってくれ」
そう呟きながら俺は状況を再確認した。
俺は川崎 翔平。二十五歳の会社員。
場所は自分の家。一人暮らししている部屋だ。
自分に関する記憶は大丈夫。
問題は隣にいるこの男だ。
「だ、誰なんだ」
改めて隣の男を確認する。
顔だけを布団から出して俺の隣、ベッドの上で気持ちよさそうに眠っていた。
まさか。
そう思いながら俺はゆっくりと布団を引っ張る。
布団の下は予想通りだった。
「裸じゃねぇか!」
思わず俺はそう叫ぶ。
男は一糸纏わぬ姿で眠っていたのだ。
俺の声が聞こえたのか、男はまぶたをピクピクとさせる。
そのまま体を動かし始める男。
起きてしまうと察知した俺は慌てて布団に包まろうとした。
その瞬間、自分も裸であることに気付いてしまう。
「俺も裸かよ!」
おいおい待ってくれ。
想像しうる中で最悪の状況じゃないか。
知らない男と裸で寝ていた。これなぁんだ。
なぁんだ、じゃねぇよ。
やらかした。完全にやらかした。
何があったのか思い出せよ、俺。
心の中で焦りまくっていると男が目を開き、上体を起こした。
「おはよう、翔平くん」
男はそう言って爽やかな笑顔を俺に向ける。
綺麗な顔と爽やかな笑顔。だが、全裸。
脳内がごちゃごちゃになりながら俺は精一杯の返答をする。
「お、おはようございます。あの、え、どういう、あの。状況が、その」
慌てている俺を見て男は微笑んだ。
「何慌ててるの?」
「いや、そりゃ、え」
「あー、覚えてない感じかな?」
男はそう言いながら立ち上がる。
あの、やめてくれませんか。朝一に見たくないものランキング一位のものがぶら下がっているのですが。
返答に困っている俺の横を通り、男はベッドの隣に脱ぎ捨ててある服を手に取った。
下着を履きながら男は言葉を続ける。
「完全に覚えてない人だね。可愛かったのになぁ、翔平くん」
そう言われた俺は最悪のシナリオを思い浮かべてしまう。
どうしてこの人は俺の名前を知っているのだろうか。可愛かったとはどういう意味だろうか。
そんなことを考えながら問いかける。
「えっと、誰なんですか?」
「へぇ、あんなことまでしたのに名前も覚えてないんだねぇ。じゃあ、内緒」
「俺たち何か・・・・・・その・・・・・・しました?」
「一回してみれば思い出すんじゃない?」
そう言いながら男は俺の顎に触れた。
慌てて後退りしながら首を横に振る。
「いやいやいやいや、ないないないない。ないもん。ないない。そんなことあるはずがない。しないしない」
俺が早口で言うと男は楽しそうに笑った。
「はははっ、いい反応するねぇ。でも、そうだなぁ。忘れられているのも悲しいから、ヒントだけ教えてあげるよ。そうだなぁ・・・・・・マカロン」
「マカロン?」
聞き返すと、マカロン男は服を着終えてから答える。
「そう、マカロン。じゃあ、僕は行くよ。翔平くんも仕事に遅れないようにね」
「ちょ、待って」
呼び止めるがマカロン男は部屋を出て行ってしまった。
俺は記憶を探ろうとする。
だが、目の前の現実に思考力を全て奪われた。
知らない男が隣で寝ている。
「・・・・・・頼む夢であってくれ」
そう呟きながら俺は状況を再確認した。
俺は川崎 翔平。二十五歳の会社員。
場所は自分の家。一人暮らししている部屋だ。
自分に関する記憶は大丈夫。
問題は隣にいるこの男だ。
「だ、誰なんだ」
改めて隣の男を確認する。
顔だけを布団から出して俺の隣、ベッドの上で気持ちよさそうに眠っていた。
まさか。
そう思いながら俺はゆっくりと布団を引っ張る。
布団の下は予想通りだった。
「裸じゃねぇか!」
思わず俺はそう叫ぶ。
男は一糸纏わぬ姿で眠っていたのだ。
俺の声が聞こえたのか、男はまぶたをピクピクとさせる。
そのまま体を動かし始める男。
起きてしまうと察知した俺は慌てて布団に包まろうとした。
その瞬間、自分も裸であることに気付いてしまう。
「俺も裸かよ!」
おいおい待ってくれ。
想像しうる中で最悪の状況じゃないか。
知らない男と裸で寝ていた。これなぁんだ。
なぁんだ、じゃねぇよ。
やらかした。完全にやらかした。
何があったのか思い出せよ、俺。
心の中で焦りまくっていると男が目を開き、上体を起こした。
「おはよう、翔平くん」
男はそう言って爽やかな笑顔を俺に向ける。
綺麗な顔と爽やかな笑顔。だが、全裸。
脳内がごちゃごちゃになりながら俺は精一杯の返答をする。
「お、おはようございます。あの、え、どういう、あの。状況が、その」
慌てている俺を見て男は微笑んだ。
「何慌ててるの?」
「いや、そりゃ、え」
「あー、覚えてない感じかな?」
男はそう言いながら立ち上がる。
あの、やめてくれませんか。朝一に見たくないものランキング一位のものがぶら下がっているのですが。
返答に困っている俺の横を通り、男はベッドの隣に脱ぎ捨ててある服を手に取った。
下着を履きながら男は言葉を続ける。
「完全に覚えてない人だね。可愛かったのになぁ、翔平くん」
そう言われた俺は最悪のシナリオを思い浮かべてしまう。
どうしてこの人は俺の名前を知っているのだろうか。可愛かったとはどういう意味だろうか。
そんなことを考えながら問いかける。
「えっと、誰なんですか?」
「へぇ、あんなことまでしたのに名前も覚えてないんだねぇ。じゃあ、内緒」
「俺たち何か・・・・・・その・・・・・・しました?」
「一回してみれば思い出すんじゃない?」
そう言いながら男は俺の顎に触れた。
慌てて後退りしながら首を横に振る。
「いやいやいやいや、ないないないない。ないもん。ないない。そんなことあるはずがない。しないしない」
俺が早口で言うと男は楽しそうに笑った。
「はははっ、いい反応するねぇ。でも、そうだなぁ。忘れられているのも悲しいから、ヒントだけ教えてあげるよ。そうだなぁ・・・・・・マカロン」
「マカロン?」
聞き返すと、マカロン男は服を着終えてから答える。
「そう、マカロン。じゃあ、僕は行くよ。翔平くんも仕事に遅れないようにね」
「ちょ、待って」
呼び止めるがマカロン男は部屋を出て行ってしまった。
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