異世界に来た俺の話

四季織

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11 王都への準備をする

 だけど。
 王都へ行く前に、まず、俺の勉強から始まった。
 
 俺が、世界やこの国のこと、常識、決まり、通貨など。一般的なことをまるで知らなかったからだ。

 伯父さんも義伯母さんも、俺が半年も前にこの世界に来ていたから、一通りのことは知っていると思っていたらしい。

「まさか、山奥の暮らし方だけ教わってたなんて思いもしなかった」

 あの伯父さんがこう言ったんだ。
 それには俺も同感です。

 薄々思ってたけど、オルもお母さんも天然だと思う。


 伯父さんはなかなかに教えるのが上手かった。
 だけど、数と文字は難しくて未だに習得出来てない。
 数は10進法じゃないようで、通貨の法則は掴めていないし、文字はアラビア文字みたいなんだ。
 言葉は自動的に翻訳してくれるのに、どうして文字もそうならないんだろう。
 
 伯父さんの息子さんが子どもの頃使っていたという教科書を貸してもらう。
 同じ教科書で学んだというオルも、懐かしそうに見ていた。
 質問すると嬉しそうに答えてくれるので、可愛いなって思ったんだ。


 俺の勉強と一緒に旅の準備も進めることになったので、俺達は旅立ちまで伯父さんの家でお世話になることになった。

「いいのよ、息子達も独立してしまったし。賑やかで楽しいわぁ」

 義伯母さんは、快く部屋を整えてくれた。
 お母さんも、息子さんの空いた部屋を使わせてもらっていたようだ。


 村での生活は、意外に便利だった。

 なにより、家にトイレと温かい風呂がある。
 村の市場で買った食材は、山で獲れるもの以外もあって調味料もふんだんだ。
 夜も明るいし、村の周りには高い塀があるから野生動物や魔物に怯えなくてもいい。

 どうやら、魔物の核、魔石を使った魔道具というものがあって、コンロやトイレ、風呂などに使われているそうだ。夜明るいのもそのおかげだ。
 と言っても、生活が改善されたのはここ20年ばかりのことで、それまでは山での生活とほとんど同じだったという。

「これらもね、ほとんど渡り人の知識からって聞いてるわ。王都はたくさんの魔道具技師もいるし。もっと発展してるんでしょうね」
「へぇ」

 王都行きが不安だったけど、そう聞かされると少し楽しみになってきたな。



 王都への行程で一番早いのは、まず、一番近くの大きな街まで馬車で行き、そのあと鉄道に乗るというものだった。

 なんと、この国、鉄道があるんだ。
 蒸気機関車で、この国で取れる鉱石と魔道具を使ったエンジンで走っている。
 もっとも、鉄道の導入は近年のことで、まだ全国までには敷かれていないそうだ。

 特に、このルオヴィッツ村がある場所には深い峡谷があって、鉄道が開通するにも高い技術と多くの労力が必要らしい。


 鉄道は当然お高いから、普段は馬車を乗り継いで王都まで行く。
 近くの中継地点となる街からは、急行、高速馬車か直行便もあるそうだ。

 というか。
 渡り人、元の世界の知識持ち込みすぎじゃない?

 快速、急行、直行って聞いてると、通勤ラッシュが蘇ってきてげんなりときてしまうから、やめてほしい。
 

 
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