エイリアンチートで新人類に進化した俺は、異星文明で現代地球を開拓して南朝復活をめざします

大沢 雅紀

文字の大きさ
27 / 80

プロジェクト始動

しおりを挟む
日本全国を回ってめぼしい財宝を回収した結果、南方家の地下金庫は山のように大量の金銀財宝で埋まった。
「これでだいたい200兆円くらいになります。お爺さんは南方家の力とコネを使って、世界中のオークションでこの財宝を売りさばいてください」
「よかろう。任せておけ」
実際に動いて金を稼いだり事業を推進するのは若い勇人にまかせ、自分は財閥総帥の地位をつかって適切なサポートする。源人は己の役割を自覚し、勇人を頼もしく思っていた。
「しかし、勇人の夢に現れた『夢人類(ドリーマー)』のナイトメアとやらは何者でしょうか」
「わからぬな。だが我が家は長年続く財閥じゃ。思いもよらぬところで恨みを買うこともあろう。いちいち気にしていれば、きりがない」
源人はそういって切って捨てる。
「それで、次にすることですが」
空中に日本全土とその近海の地図が浮かぶ。それは地上と海底の詳しい地形を表したものだった。
「これが真の日本国の領土になります。この中で現在北朝が支配しているのは、陸地部分だけ。大部分を占める海底部分は、所有者がいない無主の土地となります」
海底についていろいろなデータが浮かび上がる。金山や銀山、レアメタル、石油など豊富な資源があることが示されていた。
「我々南朝の先祖が歴史の闇に消えていったのは、日本という狭い領土をめぐって北朝と血で血を洗う争いを繰り返し、敗れたからです。豊臣家が衰退したのも、戦前の大東亜共栄圏が夢と消えたのも、他国に手をだしたため。同じ轍を踏まないためには、どうすればいいか」
海底に光点が灯る。それはしだいに増えていき、互いに連結していつしか日本の南方に巨大なネットワークを構築していた。
「海に我々の国を創るのです。そうすれば、北朝を含めたいかなる国の主権を侵すことなく、大海を領土とした南朝による大帝国の建設が可能になります」
太平洋に『大海亜共栄国』という文字が浮かんだ。
「ふむ。あらたなる南北朝時代というわけか」
「とはいえ、先は長いです。まずは最も有望な資源が眠るこの海域に、最初の海設都市を築くことから始めましょう」
桐人は地図上の一帯を示す。そこは四国の沖に存在する大陸棚だった。

一週間後
「海底開発の許可がおりたぞ。南方財閥がすべての費用を自己負担するかわりに、海底資源の利用を一任するそうだ」
日本政府との交渉が終わった源人は、勇人にそう告げる。
「さすがは南方財閥ですね。こんなに早く許可が下りるとは思いませんでした」
「ふん。奴らは金にうるさい。海底開発を名目に援助を求められるのなら審査に時間がかかるが、すべて民間資本でするというのなら簡単に許可するだろう。開発に成功すれば新たな利権にもありつけるしな」
交渉にかかわった役人たちの欲の皮がつっぱった顔を思い出し、源人は鼻をならす。
「はてさて、北朝の僕たる日本政府ごときに我らを制御できるものやら。まあいいです。さっそく今から海設都市の建設に乗り出しましょう」
実に軽く言う勇人に、源人は困惑してしまった。
「い、今からか?まずは南方金属鉱山を使って、じっくりとどこを開発すべきか調査するのでは?」
当然のことをいう源人に、勇人は軽く笑った。
「大丈夫です。ブラックナイトのデータを使えば、海底のどこに資源があるかすべて把握済みです。とりあえず、船を一隻だしてください」
勇人の要請により、豪華客船が用意されるのだった。

勇人は、用意された客船にのって海上にいた。
「まさか、またこの船に乗るとは思わなかったな」
感慨深そうに船体をなでる。源人が用意したのは、豪華客船エストラント号だった。
「あの遭難の件で相当悪いイメージが付きましたからね。元の所有船会社は大喜びで手放したようですよ」
そう声がかけられて振り向くと、船長の服を着た浦島誠也が立っていた。
「誠也さん。久しぶりです。それにしても、南方財閥はこの船を買い取ったのですか」
「正確にいえば、この船の所有者はあなたです」
「おれ?」
思いもかけないことを言われて、勇人はびっくりする。
「これから、できるだけ勇人さん個人名義の資産を増やしていくそうですよ。自分が亡くなっても、スムーズに財産の移譲ができるようにと」
「なるほど、お爺さんらしいな」
高校生の若さで巨大豪華客船のオーナ―になってしまった勇人は苦笑する。
「それなら、小遣い稼ぎにちょっと寄り道でもするか。申し訳ないけど予定を変更して、千葉県の犬吠岬に向かってください」
東京から出発したエストラント号は、進路を東にとって千葉に向かうのだった。

「勇人さん。これはなんですか?」
倉庫に積まれた三つのコンテナを見て、誠也は首をかしげる。船には他に調査機械などの類が一切積まれていなかった。
「協力者に技術提供してもらい、南方財閥の科学研究部に作らせた海洋開発のための秘密兵器ですよ。よし、そろそろ現場だな」
勇人が壁のスイッチを押すと、自動で天井が開き、一つ目のコンテナがクレーンで運ばれて甲板に設置される。
コンテナが撤去されると、巨大なパラボナアンテナのような機械が現れた。
「これは?」
「俺の持つ『地神盾』を参考にして作った引斥力地場発生装置、通称『モーゼ』です」
パラボナアンテナは、太陽の光を浴びてキラキラと輝いていた。
「これは発動にとんでもない量の電気が必要になるので、普通の船じゃ運用できないんですが、豪華客船であるエストラント号なら使いこなせますね。では、前方の海面にむけて『モーゼ』発動」
勇人がスイッチをいれると、ウィィンという音とともにアンテナから引力波が発せられる。
しばらくすると、前方の海面が渦を巻き始め、その中心部から海水が排除されていった。
「す、すごい」
誠也が呆然としている間に、どんどん海底が現れていき、穴の中心に何かの残骸が見えてきた。
「あれは何です?」
「見てからのお楽しみです。それじゃ行きましょう」
勇人は梯子をおろして降りていく。二人は海底の残骸に向かって進んでいった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

ダンジョンで死んだらペットの黒猫に魂を飲み込まれちゃった結果世界最強になりあがった俺の話

TB
ファンタジー
ダンジョンと呼ばれる不思議な地下構造体が、この世界に現れて1年。 自衛隊員だった俺は一般探索者をかばい、二階級特進した。 みんなが俺の葬式で涙を流してくれている姿を、霊体の俺は「へぇ、初めて死んでみたけどちゃんと意識ってあるんだな……」って思いながら眺めてた。 その時視線を感じる…… 「げ……こいつ俺に気付いてる」 俺の飼い猫だった。 次の瞬間、飛び上がったそいつは、俺を丸のみにしやがった。 そこから始まる、俺とダンジョンの物語。 この作品はあくまでもフィクションで登場する国や都市も仮想的な存在です!

R・P・G ~転生して不死にされた俺は、最強の英雄たちと滅ぼすはずだった異世界を統治する~

イット
ファンタジー
オカルト雑誌の編集者として働いていた瀬川凛人(40)は、怪現象の取材中、異世界の大地の女神と接触する。 半ば強制的に異世界へと転生させられた彼は、惑星そのものと同化し、“星骸の主”として不死の存在へと変貌した。 だが女神から与えられた使命は、この世界の生命を滅ぼし、星を「リセット」すること。凛人はその命令を、拒否する。 彼は、大地の女神により創造された星骸と呼ばれる伝説の六英雄の一人を従者とし、世界を知るため、そして残りの星骸を探すため旅に出る。 しかし一つ選択を誤れば世界が滅びる危うい存在…… 女神の使命を「絶対拒否」する不死者と、裏ボス級の従者たち。 これは、世界を滅ぼさず、統治することを選んだ男の英雄譚である。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった

ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。 学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。 だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。 暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。 よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!? ……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい! そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。 赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。 「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」 そう、他人事のように見送った俺だったが……。 直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。 「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」 ――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。

処理中です...