エイリアンチートで新人類に進化した俺は、異星文明で現代地球を開拓して南朝復活をめざします

大沢 雅紀

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祭壇

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それを冷たい目でみていたジョンワンは、鼻で笑って勇人に向き直る。
「奴らは親父たちに任せるとして、俺はこっちの羽虫を片付けるか、おい、お前の名はなんていう」
「南方財閥の後継者、南方勇人。『魔人類(デモンズ)』だ」
勇人はジョンワンの前で、堂々と名乗りを上げた。
「なるほど。亜人類の新種か。しかし、だせえ格好だな。その蝙蝠の羽はともかく、頭の突起はな。まるでち〇こが頭についているみたいだぜ」
「……人が気にしていることを!」
ひそかに自分でも思っていることを指摘され、勇人は傷つく。
「まあいい。しかし、あの女を取り返しに来たのか?残念だったな。儀式が終わってまだ生きていたら、あの女は俺の子を産ませる奴隷になる予定だ」
「奴隷だと!」
勇人が怒りを募らせるので、ジョンワンはさらに煽る。
「なかなか美しいので、気に入ったのでな。それに俺たち『竜人類(ドラゴン)』の一族は生命体として強い分、子孫ができにくい」
ジョンワンは、少し寂しそうな顔で言う。
「だが、愚かな我が叔父、金正夫(キムジョンフ)が証明してくれた。『森人類(エルフ)』との間なら子ができるとな。くくく、これから我らは大繁殖して、世界の支配者となるのだ」
高笑いするジョンワンに、勇人はきっぱりと告げた。
「そうはいかない。あいつは俺の従姉妹で大切な身内だ。誰にも渡さないし、まして子供を産むだけの道具になどさせない」
「いいだろう。ならば、ここでお前を始末してやる」
姫子をめぐって、悪魔と竜が激突するのだった。

「燃え尽きろ!」
ジョンワンの牙に電流が奔り、チカっと火花が飛んだ瞬間、ものすごい勢いで炎のブレスが発射された。
勇人は空中で急旋回し、ブレスをかわす。
「ははは、どうしたどうした、逃げるだけじゃ勝てねえぜ」
「くっ」
今度は下に回り込まれて、ブレスを吐かれる。勇人はよけきれず、『地神盾』で結界を張って防いだ。
結界を張っても熱い温度は伝わり、勇人の肌をチリチリと焦がす。同時に酸素が燃やされ、息が苦しくなった。
(くそ。このままじゃやられる。考えろ。なぜこいつは炎を吐けるんだ?なにかカラクリがあるはずだ)
好き放題にブレスを吐き続けるジョンワンをみて、必死に後略を考える。ジョンワンが大きく息をすった後、口の牙から雷光が奔り、炎のブレスが吐き出されていた・
(つまり、炎は直接吐き出されているわけじゃないんだ。まてよ、もしかしたら……)
炎のブレスを見て、あることを思いつく。
「……試してみる価値はありそうだ。『球雷弾』」
勇人はジョンワンが口を開けた瞬間、極限まで小さくした球電を放った。
「馬鹿め。そんな小さな雷で、この俺が……ん?」
勇人が放った球電は、ジョンワンがブレスを吐こうと吸い込んだ息とともに飲み込まれていった。
「なんだこれは。こんなもので俺が倒されるとでも?ハハハハハ」
高笑いした瞬間、バーンという爆発音が響いて、ジョンワンの肺が爆発した。
「ぐはっ」
血を吐いて苦しむジョンワンに、勇人は冷酷につげる。
「炎で雷は起こせないが、雷の熱で炎は発生する。つまり、炎は雷の下位互換だ。お前のブレスは、体内で可燃性ガスを作り出し、牙から出る体内電気で着火しているんだろう。ならば、体の内部に雷を打ち込まれると、ガスに引火して大爆発を起こすはずだ」
肺を爆破されたジョンワンは、急速に飛ぶ力を失って墜落していく。
「く、くそ……金王朝の正統な後継者である俺が、こんな下賤なものどもに……」
無念の言葉を残して、ジョンワンは地面に激突していったた。

巨大な祭壇の傍らに設置された台に縛り付けられた姫子の腕に、採血用のポンプがついた針が刺される。
「痛い!」
あまりの痛みに姫子は悲鳴をあげるが、医者は容赦なく血を吸い上げて、祭壇に撒いていった。
それにつれて祭壇に振動が走り、ヒビが入っていく。
「白竜様の封印石板は、あまりにも大きいので、この娘の血の量ではたりないかもしれません」
「かまわぬ。最後の一滴までしぼりあげろ」
ジョンロンは無慈悲につげる。
その時、地面に雷光が走り、多くの『森人類(エルフ)』たちが現れた。
「姫を助けろ!」
『森人類(エルフ)』たちは、祭壇を守る『蛇人類(スネーク)』たちと乱闘になった。
「ひ、ひいっ」
台の近くにいた医者が倒され、一人の女が現れる。
「お母さん!」
「待ってて。今助けるわ!」
現れたのは、姫子の母であるエルフリーデだった。
「ようやく現れたな。貴様も生贄にしてやろう」
ジョンロンが黒いローブを脱ぐ。その下から現れたのは、竜人類の姿ではなくて、ただの人間の姿だった。
「あなた……人間なの?」
「そうだ。ワシは竜人類の父と人間の母の間に生まれたが、竜の遺伝子は受け継ぐことができなかった。ジョンワンはワシの息子ではなく、父の隠し子だ。そのせいで、幼い頃からできそこないと言われ、屈辱を感じていた」
ジョンロンは細長いムチのようにしなる剣を構えながらつぶやく。
「だが、白竜を復活させ、その力で世界を支配すれば、ワシを蔑む者はいなくなる。ワシはすべての人類と亜人類を従える皇帝となるのだ」
「そんなつまらないことのために……」
エルフリーデに呆れられても、ジョンロンの笑みは止まらない。
「くくく。あの娘の血だけでは足りないようだ。仕方ない。処女ではないといえ、貴様の血を白竜様の復活の贄にささげよう」
そういって、エルフリーデを封印石板の上に誘う。
そこへ、ジョンワンを倒した勇人がやってきた。
「エルフリーデさん」
「こいつは任せて、姫子を助けて!」
エルフリーデは、祭壇の傍の台にいる姫子を指さす。彼女は血を抜かれ過ぎて、ぐったりとしていた。
「わかりました」
勇人が台に向かうのをみて、エルフリーデはナイフを構えてジョンロンと対峙した。

勇人は慌てて台にかけより、採血の管を抜く。姫子は多くの血を失って、真っ白な顔色をしていた。
「これはまずい……なんとか輸血しないと。でも血液型がわからない」
焦る勇人に、ナイトが現れて助言する。
「マスターの身体は亜人類の完成体です。その血は血液型に拘わらず、すべての型に適合する「Rh null(アールエイチナル)」型です」
世界には、あらゆる血液型の人に輸血できる血を持つ人間が50人いる。それは「黄金の血」とよばれ、研究の対象となっていた。
「わかった。俺の血を輸血すればいいんだな。むん!」
勇人は自らの腕の血管を引きちぎると、その端を姫子の傷口にあてる。「治療」の電子信号を発して接合すると、血圧を高めて姫子に血を送り出した。
すると、姫子の顔色はどんどん良くなっていく。
「勇人さん……また助けに来てくれた」
姫子がうっすらと目を開ける。
「しゃべるな。おとなしくしていろ」
「……うん💛温かい。勇人さんの血が私の中に入ってくる。まるで抱きしめられているみたい💛」
姫子は安心したように微笑み、勇人の手をぎゅっと握るのだった。
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