クソ親に捨てられたが、いつの間にか家族ができてました。

本編

18話 精神の崩れる音②

「ええっと、豆腐に油揚げに鶏肉、それにラップとアルミホイル…うん。買い忘れはなさそうだね。」
と僕はスーパーからの帰り道で1人呟く。時刻は6時30分。住宅街から美味しそうな匂いが漂ってくる頃合いだ。
（平和だな～）
と1人心の中で呟く。すると僕の携帯端末が鳴った。電話だ
「もしもし？」
「もしもし？マコト君かい？」
「父さん！どうしたの？いきなり電話なんてして何かあった？」
と聞くと
「ああ…いや、大丈夫だ。」
と何か含みのありそうな声が帰ってきた。
「…また母さんあのバカ女のこと？」
と聞くと、驚いたように、
「よ、よくわかったな…そうだよ。」
「またなんかされたの？」
「ああ、まあこっちは大丈夫だ。それより今回はそっちにも行くらしいから気をつけろよ？」
「そう…なんだ。ありがとう。気をつけるよ。」
「ああ。最近はどうだ？楽しいか？」
「うん。まあぼちぼちって感じかな？今度近くにきたら教えてよ。僕新しく妹が3人できたんだ。今度紹介させてよ。」
「ああ。楽しみにしておこう。じゃあそろそろ俺も晩飯の時間だから電話を切るぞ。」
「うん。また電話してね。じゃあね～。」
と言って僕は電話を切った。そして会話内容を思い出し、青ざめた。
「…まずい、まずい、まずいまずいまずいまずい！い、急いで帰らないと！」
と言い僕は足早…というか走って家に帰るのだった。
母さんには今のすんでいるところは教えていない。しかし、今日の帰りのつけられていたようなあの感じ。ほんとうにつけられていたのだとしたら、今頃すんでいる家ぐらいなら特定されていてもおかしくない。確かに母さんはどうしようもないクソ野郎だが、実家がお金持ちなこともあって、金遣いは荒い。しかし裏を返せば、金遣いが荒いということは、金額関係なくやりたいことはする。買いたいものは買う人だ。だから探偵などを雇うにあたっては相当当たりな性格だ。つまり、高確率で探偵かそれに準ずる何かを使っている確率が高い。
「頼む。間に合ってくれ。」
と呟くのだった。