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番外編
番外編① ゴールデンウィーク 中
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遡ること30分前…
神宮ガールズこと、美琴、真由、優木の3人はリビングにある食卓で朝食を取っていた。朝食自体は、昨日の夜にお米を研いでおけば、炊飯器のタイマーで寝ている間に炊き上がるので朝ごはんは用意が簡単だ。にしても…
「やっぱり、お兄さんの作るご飯は美味しいね。」
と優木が言う。確かにあいつ…マコトの作る料理はどれも絶品だ。ハンバーグはふっくらと仕上がっていて、ナイフを入れれば肉汁が溢れてくるような仕上がりだし、サラダを作ると、葉物野菜はパリッとしている。あいつのシーザーサラダなんかはチーズがあまり得意でない美琴が好物にしているぐらいだ。この唐揚げだって、外はカラっとしているくせに中がめちゃくちゃジューシィだ。おまけに一晩開いたのに、衣が全然クタッとしていない。料理人に今すぐになっても全然おかしくないぐらい料理がうまい。うまいのだが…
「まあでも甘いものを作ることはないよね…」
と美琴が言った。美琴は美琴で料理は美味しい。しかし、マコトとはまた別のベクトルでうまいのだ。
「そうだね。美琴ちゃんの作るスイーツも美味しいんだけど、たまには他の人が作ったスイーツ食べたいよね。」
と呟くと、優木が、
「やっぱり?おねーちゃんもそう思った?実は私もなんだよ。でさでさ、」
と言いながら今日の新聞から引き抜いた広告の束から一枚の広告を取り出した。
「ここ今日行かない?みんなで!」
と言った。その広告は、ちょっと前に駅前にできたカフェのものだった。
「あ、ここ知ってる。確かここのケーキすんごく美味しいってクラスで噂になっているお店じゃん。いいね。行こ行こ!」
と美琴も乗り気だ。
「じゃあ、マコトにでも相談してみようかな。…あ、そうだ、」
と私は今頭に浮かんだアイデアを2人と共有した。まあ要約すると、
『マコトにここのスイーツ奢ってもらおうぜ☆』
と言うことだ。そして現在…
「それでさ、お兄ちゃん私達今日駅前のカフェに行きたいんだけど一緒に行こう。」
作戦が開始されていた。
「え、駅前のカフェだとっ!?」
とマコトくんは驚きのあまり、ウィンナーを取り落とすぐらいの衝撃を受けていた。
「え?そんな驚く?普通。」
と美琴は冷静に突っ込んだ。しかし、その声はマコトくんには届いていなかった。
「す、すまんが、巨、今日はだめだ。また、またの機会にお願いします!じゃ、じゃあご馳走様でした!」
と言って食べ終わった食器類を流しのシンクの上に置くとマコトくんは足速に自室へと消えていった。
「あ~あ、失敗か…」
と優希は残念そうに言うが、私と美琴ちゃんは顔を見合わせたまま動けなかった。しばらくして私はこう呟いた。
「…なんか、すごい慌ててたね…」
「何か隠してそう…」
と美琴もそれに同意したように頷くと、そう呟いた。
神宮ガールズこと、美琴、真由、優木の3人はリビングにある食卓で朝食を取っていた。朝食自体は、昨日の夜にお米を研いでおけば、炊飯器のタイマーで寝ている間に炊き上がるので朝ごはんは用意が簡単だ。にしても…
「やっぱり、お兄さんの作るご飯は美味しいね。」
と優木が言う。確かにあいつ…マコトの作る料理はどれも絶品だ。ハンバーグはふっくらと仕上がっていて、ナイフを入れれば肉汁が溢れてくるような仕上がりだし、サラダを作ると、葉物野菜はパリッとしている。あいつのシーザーサラダなんかはチーズがあまり得意でない美琴が好物にしているぐらいだ。この唐揚げだって、外はカラっとしているくせに中がめちゃくちゃジューシィだ。おまけに一晩開いたのに、衣が全然クタッとしていない。料理人に今すぐになっても全然おかしくないぐらい料理がうまい。うまいのだが…
「まあでも甘いものを作ることはないよね…」
と美琴が言った。美琴は美琴で料理は美味しい。しかし、マコトとはまた別のベクトルでうまいのだ。
「そうだね。美琴ちゃんの作るスイーツも美味しいんだけど、たまには他の人が作ったスイーツ食べたいよね。」
と呟くと、優木が、
「やっぱり?おねーちゃんもそう思った?実は私もなんだよ。でさでさ、」
と言いながら今日の新聞から引き抜いた広告の束から一枚の広告を取り出した。
「ここ今日行かない?みんなで!」
と言った。その広告は、ちょっと前に駅前にできたカフェのものだった。
「あ、ここ知ってる。確かここのケーキすんごく美味しいってクラスで噂になっているお店じゃん。いいね。行こ行こ!」
と美琴も乗り気だ。
「じゃあ、マコトにでも相談してみようかな。…あ、そうだ、」
と私は今頭に浮かんだアイデアを2人と共有した。まあ要約すると、
『マコトにここのスイーツ奢ってもらおうぜ☆』
と言うことだ。そして現在…
「それでさ、お兄ちゃん私達今日駅前のカフェに行きたいんだけど一緒に行こう。」
作戦が開始されていた。
「え、駅前のカフェだとっ!?」
とマコトくんは驚きのあまり、ウィンナーを取り落とすぐらいの衝撃を受けていた。
「え?そんな驚く?普通。」
と美琴は冷静に突っ込んだ。しかし、その声はマコトくんには届いていなかった。
「す、すまんが、巨、今日はだめだ。また、またの機会にお願いします!じゃ、じゃあご馳走様でした!」
と言って食べ終わった食器類を流しのシンクの上に置くとマコトくんは足速に自室へと消えていった。
「あ~あ、失敗か…」
と優希は残念そうに言うが、私と美琴ちゃんは顔を見合わせたまま動けなかった。しばらくして私はこう呟いた。
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と美琴もそれに同意したように頷くと、そう呟いた。
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