クソ親に捨てられたが、いつの間にか家族ができてました。

甘夏かん

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本編

 35話 暗闇の中で①

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「よし、これで課題は終わりっと。…もう6時か、晩御飯の準備しようかな。お昼はパスタだったから、麺類以外にしようかな。」
と言いながら私…美琴は部屋を出た。家の中はシーンと静まり返っていた。いつもなら階下から誰かが談笑している声が聞こえるのだが、今日は優希のクラスで打ち上げがあるらしく、真由もそれについて行ってる為今家には私とマコトの2人しかいない。
私はマコトの部屋をノックして、
「マコトくん?晩御飯何か食べたいものある?」
と聞くが、中から返事はない。
「…寝てるのかな?マコトくん?開けるよ?」
と断りを入れて部屋のドアを開けた。マコトの部屋はあまり入った事はなかったのだが、結構綺麗に片付いていていた。
「…あれ?いない…一階にいるのかな?」
と呟いて私は階段を降りて…その光景に目を疑った。
「え…?ま、マコト…くん?」
私の目に映ったのは、玄関で力無く仰向けに倒れているマコトの姿だった。しかも左の脇腹の辺りには包丁が突き刺さっていて血溜まりができていた。
「ま、マコトくん!?大丈夫?」
と私はマコトに近づくと、頬を軽く叩くと、うっすらと目を開け、私を見た後スッと目を閉じた。急いで腕を取り脈を確認するが、だんだんと弱く内いているような気がする。
「そ、そうだ。きゅ、救急車、救急車!」
と私は手を離してポケットから携帯端末を取り出し、何ども間違えながらも、どうにか119番を押すことに成功した。ここから先はとにかく必死だったのか、あんまり詳細に覚えていない。気が付けば、総合病院の集中治療室の前にあるベンチに座り呆然としていた。1分が10分にも1時間にも感じられた。どれぐらい座っていただろうか。気がつくと目の前に数人、人がいて、女性の声で
「家族が大変な目に遭っているいるところ申し訳ないのだけど、これは事件だから。とりあえず、お話を聞かせてもらえないかしら?」
と聞いてきた。顔を上げると、警察の制服を着た、女性が2人と男性が1人いた。
「はい…」
と力なく言う…その時、ポケットにしまっていた携帯が鳴り始めた。電話に出てみると、
「あ、繋がった。もしもし、美琴?今どこにいるの?なんか家の前に一杯警察の車あって立ち入り禁止になってるけど何があったの?」
と真由の声がした。
「ま、真由ねえ…じ、実は…」
と私はマコトくんが刺されていることを伝えようとしたが、どうしてもその先が言えなかった。そのことが伝わったのか、
「わかった。マコトに代わってくれる?マコトから聞いておくから。」
と言うが私はどうしていいのかわからず、ただオロオロしていると、
「私が説明しましょうか?」
と警察の人が提案してくれたので私は、
「お、お願いします。」
と言い携帯を渡した。すると、
「じゃあちょっと、ここで待っててね。」
と病院の一室に通された。部屋室の書いてあるプレートには座談室と書かれていた。
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