クソ親に捨てられたが、いつの間にか家族ができてました。

甘夏かん

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本編

 41話 不思議なつながり

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電話が終わると、僕は少年の…神城徹の方を向くと、
「なぁ、お前って上にお兄さんいないか?」
と聞いた。徹はポテチをパリパリしながら、
「そうだけど?」
と言った。
「やっぱりか。」
と僕は呟く。僕のクラスで委員長をやっている人で神城恵かみしろめぐみと言う人がいる。結構珍しめの苗字だったので、僕はそれを覚えていた。恵くん自体、人柄もよく優しいのだが弟くんはそう言ったタイプの人じゃなさそうだ。
「お兄さんと僕は同じ学校の同じクラスなんだよ。」
と言うと、
「うん。知ってる、兄さんが言ってた。」
と言った。へぇ、恵くんって結構家族に学校のこと話すタイプの人なんだ。と思いながら、
「なんて言ってたの?」
と聞くと、
「普通に日本人なのに、下の名前がカタカナの珍しい人。」
「あ~ね、なるほど。」
と僕は妙な納得を得た。確かに、日本人の名前は漢字が多く、みるとしてもひらがなの方で、下の名前がカタカナなんて人は僕も見たことがない。確かに、珍しいものやすごいものは拡散したくなるのは人間の性だ。そして、インパクトの強いものは記憶に残りやすい傾向にあるので、徹くんも名前を覚えていたのだろう。その後も僕は徹くんとのおしゃべりを楽しんでいると、
「あ~、いたいた。徹くんやっと見つけた。」
と1人の看護師さんが入ってくるなりそう言った。
「へっ?」
と僕が目を点にしていると、
「ほら、これから投薬と検査があるから、自分の病室に戻りましょうね。」
と、徹くんの手を引きながら言い、
「お邪魔しました~」
と部屋を出る時に言い、看護師さんと徹くんは僕の病室から出ていった。
「…動画の撮影するか…」
と僕は呟くと、携帯ゲーム機を起動させ、しばらく遊んだあと、画面収録を使って数本動画を撮っているとお昼になった。コンコンと言うノックと共に看護師さんが入ってくると、
「マコトさん、ご飯です。」
と言い、僕の前にお盆を置いた。
「…これは?」
と僕は聞く。僕の目の前には4つのお椀が置いてあり、色的に一つは味噌汁でもう一つはおそらくコーンポタージュの類だろう。残りの二つは、半透明の白い液体が入っていた。スプーンですくって落とすとだいぶとろみがある。感覚としては、洗濯糊を白く着色して水で少し薄めた感じだ。
「え~っと、左から、お味噌とコーンポタージュと重湯が二杯ね。」
と教えてくれる。
「…重湯って何ですか?」
と聞いてみる。スープ系二つは飲んだことはあるのだが、重湯は飲んだことがないし、聞いたこともない。
「重湯っていうのはね、お米をたくさんの水と一緒に煮込んで作る汁物よ。マコトさんは長い間寝ていたこともあっておそらく消化管の機能が衰えていると思うから、固形のものじゃなくて液体にしています。」
と教えてくれた。ありがとうございます。と、お礼もそこそこに、僕はいただきますをすると、早速重湯を一杯あおった。
「…薄いですね。」
思った以上に薄かった。ほんのりとお米の甘さを感じはするがほとんど水だ。う、薄い…
「まぁ病人食なんてそんなものよ。あ、そうそう今日の2時30分ぐらいに警察の人がマコトさんのお話が聞きたいって。」
と看護師さんが教えてくれた。
「あ、わかりました。」
というと、僕は味噌汁を飲み干す。固形物が入っていないし、普段飲んでいるものと比べて少し薄めだけど、なぜかとても美味しく感じた。
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