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第2章・異世界に転生!王族としての新生活?
救出
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アルスside
ガイア…バカ…ッ!なんで相談しねぇんだよ。
言ってくれれば…力になったのに…っ!
助けれたのに…っ!
俺は兄様と一緒にガイアの部屋へ走って行った。
あいつに、もうこれ以上苦しんで欲しくない。
前世の頃。まだ知り合ったばっかの頃は、一件人当たり良さそうなのに中身は全然違うんじゃないかと思ってた。でも、すぐにあの事件があって。そろそろ心の傷も癒えたかとお化け屋敷一緒に入ったら、あの事件が原因で暗所恐怖症になったって聞いて…でもなんでも教えてくれて相談してくれた。あいつの心を開けたと思ったと同時に俺は再認識した。蒼波 黒狼は…一見、弱点なんか無いように見えていたアイツは…勉強も運動も、楽器も料理も、なんでもできて当たり前だと思ってたやつは、本当は、誰よりも弱くて繊細だってことを。
これ以上、たくさんのトラウマ抱えさせてたまるかよっ!
俺たちは、ガイアの部屋の前に着いた。
ジークレイドside
「アルス…入るぞ」
「うん…」
ガイアの部屋の前に着いた俺は、そっとドアノブを回した。
部屋の中に入る。取り敢えず、隣に浴室があるはずだ。そこに向かう。アルスも黙ってついてきていた。
浴室の前に着く。中からは、アマンダのガイアに対する罵倒や、暴行をしているのがわかるような鈍い音が聞こえた。そして、ひたすら謝りつづけているガイアの声も。
もう、我慢ならない。
俺は足で、浴室のドアを蹴破った。
本来浴槽からは湯気が出ている状態のはずのそこは、完全に冷えきっており、床の所々には血が飛んでいて…浴室の中の水は真っ赤に染まっていた。
アマンダの顔が俺の顔を見ると同時に驚愕と恐れによって真っ青になる。
俺は今、どんな顔をしているんだろう。
怒りでどうにかなりそうだ。
「……おい、」
「は、はい…」
俺が一瞥するとアマンダはビクッとした。
ーーーそんなんで許すと思うなよ…
俺は彼女に殴りかかろうと、拳を振り上げた。
アルスside
なんか、兄様の様子がいつもと違う。
なんか黒い。一人称も〝俺〟になってるし。
そんな事思っていたら、兄様がアマンダに殴りかかるところだった。俺は急いで止める。
「なぜ止めるっ!」
「ガイアを助けるためにに来たんでしょ!?」
兄様はハッとして体から力を抜く。
「ーーーそうだな…すまない。私はどうかしていたようだ。」
そう言って兄様は浴槽に近づく。
あ、途中から忘れてたけど、アマンダは腰抜かしてましたね。
ガイアは浴槽の中に入れられていた。
ずっとごめんなさいしか言ってない。
風呂の水は川から引いていて、魔道具で沸かしている。しかし、そこには、魔道具は見当たらなかった。ーーーちなみに、今は真冬だ。そんな時期の川の水は相当冷たい。
「冷たい…ガイア…大丈夫か?」
兄様はガイアを浴槽から出す。
その間も、ガイアは生気の宿っていない目を虚ろに、謝り続けていた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
俺は何もできないでいた。
兄様はつらそうな顔をして、いつの間に持ってきたのか、暖かそうな毛布でガイアを包んだ。ガイアがビクッとする。
兄様はそんなガイアを抱きしめて頭を撫でた。
「あ…に…う……え…?」
「ああ、そうだよ」
ガイアは謝るのをやめ、泣き出した。
やっぱりだ。ガイアは弱い。
俺が…守んなきゃ!
「ーーーガイア?」
兄様が声をかけた時にはもうガイアは安心したのか、眠ってしまっていた。
ガイア…バカ…ッ!なんで相談しねぇんだよ。
言ってくれれば…力になったのに…っ!
助けれたのに…っ!
俺は兄様と一緒にガイアの部屋へ走って行った。
あいつに、もうこれ以上苦しんで欲しくない。
前世の頃。まだ知り合ったばっかの頃は、一件人当たり良さそうなのに中身は全然違うんじゃないかと思ってた。でも、すぐにあの事件があって。そろそろ心の傷も癒えたかとお化け屋敷一緒に入ったら、あの事件が原因で暗所恐怖症になったって聞いて…でもなんでも教えてくれて相談してくれた。あいつの心を開けたと思ったと同時に俺は再認識した。蒼波 黒狼は…一見、弱点なんか無いように見えていたアイツは…勉強も運動も、楽器も料理も、なんでもできて当たり前だと思ってたやつは、本当は、誰よりも弱くて繊細だってことを。
これ以上、たくさんのトラウマ抱えさせてたまるかよっ!
俺たちは、ガイアの部屋の前に着いた。
ジークレイドside
「アルス…入るぞ」
「うん…」
ガイアの部屋の前に着いた俺は、そっとドアノブを回した。
部屋の中に入る。取り敢えず、隣に浴室があるはずだ。そこに向かう。アルスも黙ってついてきていた。
浴室の前に着く。中からは、アマンダのガイアに対する罵倒や、暴行をしているのがわかるような鈍い音が聞こえた。そして、ひたすら謝りつづけているガイアの声も。
もう、我慢ならない。
俺は足で、浴室のドアを蹴破った。
本来浴槽からは湯気が出ている状態のはずのそこは、完全に冷えきっており、床の所々には血が飛んでいて…浴室の中の水は真っ赤に染まっていた。
アマンダの顔が俺の顔を見ると同時に驚愕と恐れによって真っ青になる。
俺は今、どんな顔をしているんだろう。
怒りでどうにかなりそうだ。
「……おい、」
「は、はい…」
俺が一瞥するとアマンダはビクッとした。
ーーーそんなんで許すと思うなよ…
俺は彼女に殴りかかろうと、拳を振り上げた。
アルスside
なんか、兄様の様子がいつもと違う。
なんか黒い。一人称も〝俺〟になってるし。
そんな事思っていたら、兄様がアマンダに殴りかかるところだった。俺は急いで止める。
「なぜ止めるっ!」
「ガイアを助けるためにに来たんでしょ!?」
兄様はハッとして体から力を抜く。
「ーーーそうだな…すまない。私はどうかしていたようだ。」
そう言って兄様は浴槽に近づく。
あ、途中から忘れてたけど、アマンダは腰抜かしてましたね。
ガイアは浴槽の中に入れられていた。
ずっとごめんなさいしか言ってない。
風呂の水は川から引いていて、魔道具で沸かしている。しかし、そこには、魔道具は見当たらなかった。ーーーちなみに、今は真冬だ。そんな時期の川の水は相当冷たい。
「冷たい…ガイア…大丈夫か?」
兄様はガイアを浴槽から出す。
その間も、ガイアは生気の宿っていない目を虚ろに、謝り続けていた。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
俺は何もできないでいた。
兄様はつらそうな顔をして、いつの間に持ってきたのか、暖かそうな毛布でガイアを包んだ。ガイアがビクッとする。
兄様はそんなガイアを抱きしめて頭を撫でた。
「あ…に…う……え…?」
「ああ、そうだよ」
ガイアは謝るのをやめ、泣き出した。
やっぱりだ。ガイアは弱い。
俺が…守んなきゃ!
「ーーーガイア?」
兄様が声をかけた時にはもうガイアは安心したのか、眠ってしまっていた。
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