〜召喚されたが、何故か戦わないといけないなんて聞いてない〜

第一章

3

｢何をしている！！！！！｣



いきなりアヤメを押しのけ、1人の青年が私の前に立ちはばかった。
そして、私を護るようにアヤメを睨め付けている。




｢ええええ！？
私はただ状況を伝えようと！！！｣



アヤメは何もしていないわ！？冤罪よ！！！っと叫んでいる。
だが、男はアヤメをひたすら睨め付け、未だ私を護るように立っていた。
それを見ていると、なぜだか安心し涙が引いた。



｢あ、あの………？
すみません…そこのアヤメさんの言う通り、何もされてません…ただ何も思い出せなくて………｣




｢…ｯﾂ!?
なんだと！？なら、僕は…！！！
ｯﾁ
今後は気をつけるんだな！
こいつも女みたいだが、男だ狼だからな！ふん！｣




助けてくれた青年はそのように言うとそっぽを向いた。
私のことを心配してくれていたようだ。


｢ありがとうございます。
あなたは…｣



私が呟くと、驚いたような顔になりその青年は応えた。



｢僕は、1度君に自己紹介しているぞ！？
忘れたと？！
不愉快だ。｣



こんな奴が僕の次の契約者か！
怒ってその青年は直ぐに出て行ってしまった。

その場に1枚の紙が落ちた。




｢これは…
名前……？｣



紙にはカリンと言う名前と、17歳という年齢だけが書かれていた。