異種族恋愛冒険ファンタジー森の守護者と弓の冒険者

やきそばぷりん

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第7章

第7章:大森林の影

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王都の街は、いつもと変わらず賑やかに動き回っている。多くの商人や旅人、冒険者たちが忙しそうに行き交う中、その中にひときわ目を引く男がいた。彼の名前はフィン・クロウリー。弓の名手で、冒険者として数々の実績を持つ彼は、外見もまた魅力的だ。黒髪に明るい目を持ち、身のこなしもスマートでどこか優雅な印象を与える。

彼が街を歩くと、人々の視線が自然と集まる。女性たちはその整った顔立ちに魅了され、しばしば目を奪われることがある。特に王都の人々にとって、異種族でない男性がモテることは珍しいことではなく、フィンもまたその影響を受けていた。美しく力強い弓使いとして、彼の存在感は王都の人間の中でも目を引くものがある。

だが、フィンが他の男性と違うのは、実は彼が人間の女性にあまり興味を持っていないという点だ。彼にとっての魅力は、異種族の女性にこそある。王都の女性たちは無邪気で可愛らしいが、フィンの心にはどうしてもその魅力を感じることができなかった。その代わりに、異種族の女性、特に翼のあるものや爪のあるもの、そして何よりも、強くて神秘的な存在に心を惹かれるのだ。

また、フィンがよく知っていることだが、異種族の女性たちは、一途で真摯な性格が多く、軽薄なナンパ行為を嫌う傾向が強い。彼女たちは、信頼を築く過程や真剣な気持ちを大切にしているため、安易に声をかけるような男には興味を示さない。フィンもそのことをよく理解しているため、ナンパのような軽い行動は控えているが、それでも時折他の冒険者と軽口を叩き合いながら、町の中で心を癒していた。

その日も、フィンはいつも通り安宿の近くを歩いていた。ギルドの掲示板を通り過ぎると、目に留まったのは、新たに掲示された依頼だった。

「大森林へ向かい、巨大な魔物の出現を調査せよ」

それは一見、普通の調査依頼に見えたが、よく見るとその内容は少し異なっていた。大森林で発見された巨大な魔物の痕跡に関する調査依頼だ。依頼内容には、「魔物が非常に強力で、今後も活動が活発化する恐れがある」といった説明が書かれていた。もしその魔物が実在するのであれば、王都の周辺地域にも危険が及ぶ可能性がある。

フィンは瞬時にその依頼を受けることを決意した。彼の得意分野は弓と素早い動きだ。さらに、長年大森林で過ごしてきたため、森林の地形には非常に慣れている。魔物の出現という事態に、他の冒険者たちが迷っている間に、フィンは決して後れを取ることなく調査を進めることができるだろう。

掲示板で掲示された依頼を確認すると、フィンはすぐにギルドの窓口へ向かい、その依頼を受けることを宣言した。ギルドの担当者は少し驚いたようにフィンを見つめたが、すぐに書類を手渡し、フィンはそれを受け取った。

「これで準備は整ったな…さて、出発するか。」

フィンは背中に弓を担ぎ、再び街を歩きながら心の中でその言葉を呟いた。大森林へ向けて出発する準備が整ったのだ。魔物の存在がもし本当なら、ただの調査では終わらないかもしれないが、フィンはそれを楽しみにしている自分がいることに気づいた。

(さぁ、行くぞ。どんな冒険が待っているか、楽しみだ。)

彼の足取りは、やがて大森林へと続いていく。
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