私がこの設問を初めて知ったのは、マイケルサンデルさんの本でした。
たしか　正義の話をしよう　ですが、
続いて、それをお金で買いますかも買ってしまいました。
　
それまで哲学って、意味わかんない
ソフィーの選択ってのも読んでみたけどわかんないだった私が、
興味を持ち最後まで、いまだに読み続けている本の一つになっています。

考えることを考える。

昔から学校でよく言われました

よく考えなさい！

この考えには答えがあります。　それを見つけろと言っています。
ですが、トロッコ問題に答えはありません。

人数で正義は決まるのか？　功利主義や義務論
それが過ぎたと思えば、また設問が増やされて行きます。

家族であれば？　金持ちであれば？

其のたびに回答が変わったりします。
それは正義なのか？　手段や状況で正義は変わるのか？

其のたびに考えに耽ります。自分の正義感って？　正義の為なら家族を見殺しに？
脳みそから、煮え汁が垂れてきます。

考えること、哲学がこの2冊で楽しいと思えるようになりました。
少し考える癖も付きました。条件反射で物を言う事が少なくなってきたような気もします
良い本に出合えたなぁって、今も思います。

この短編は、トロッコの立場からテンポよく物語にしてくれています。
単純な　どちらを選ぶか？よりもわかりやすく設問に入っていけます。
最後はトロッコからの視点らしく、道具としての悲哀で終わるのですが
そんな結末もあってよいですね。

もし私が新入りであったなら、答えを出さなければならない立場なら
目をつぶってリチャードをひき殺すでしょう。
そして出ない答えを求めて、哲学の道を歩き始めます。

だけど、リチャードだと思っていた人物が、まぁるい顔をしたかわいい声の人だったら、

それを間際で気づけば、

Oh My God! と大きく叫びながら顔を覆い、悲しみに暮れ
翌日は何もなかったかのように、トロッコの仕事に戻るのでしょう、

なぜなら、これもトロッコ問題の考察の一つでもない物なのですから