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ep.1
3.
しおりを挟む陽翔 side
カチャカチャ…
「はぁ…今日も可愛いかったな…」
ウィーン,ペラッ…ウィーン,ペラッ…
「椅子座ってると無意識に上目遣いなの本当に可愛いよね」
ペラ,カチャ…ペラ,カチャ…
「ずっとブローされるの嫌がってたのに
今じゃ受け入れてるところも可愛くて…」
「陽翔、お前いつまでそれ言ってるつもりだ」
「静かに作業してたら葵のこと思い出して
仕事が手につかなくなるから
話して作業すると捗るんだよ」
「確かに10分くらいで資料修正して印刷して
ひとつの冊子にしてたのは関心はするが、
聞いてるこっちからしたら迷惑甚だしいわ」
「翔に褒められちゃった」
「…昼休みだとお前がずっと甘木の話を続けるから
他の役員放課後しかほとんど来なくなったじゃねえか」
こんなに世間話をしているが、ここは昼休みこ生徒会室。
昼休みは基本僕と、翔しか来ない。
だから幼馴染である僕達はこうして昼休みになると
いつもより気楽に世間話をしながら仕事をする。
「最初はお前が誰かを好きになるとか思ってもなかった」
「今はこんなに話してるけど僕だって驚きだよ」
僕が葵のことを好きになことは葵以外には周知の事実だが
明確に葵のことを好きになったことを話したのは翔だけ。
葵にはまだ直接告白をしている訳ではないが
好きになったキッカケはこれまた周知の事実で
朝のようなクラスの中での出来事だった。
────
1年前__
高等部に入学した時、周りは多少代わりはしたが
特にSクラスは持ち上がり組も多くて
高校に上がったというよりも1つ進級しただけの気持ちで
新しいクラスに足を踏み入れた。
今まで中等部で出席番号は1番だったから
今まで通り僕は1番前の端の席に座った。
一応入学式ということで普段は一緒にいる翔も
成績が1位だったから入学式で挨拶をするらしく
一人きりで教室にいた。
教室では親衛隊持ちで自分で言うのもなんだが
かなり人気な部類だったから
今の平和な親衛隊とは違ってもう少しピリついていたため
クラスメイトと話すと何が起きるか分からず
翔以外とは話すことは無かったので
暇を潰すため本を読んでいた。
「あの…すみません…」
普段遠巻きに自分が話のタネになることはあるが
あまり話しかけられることはなかったため
この時はすごく驚いたし見かけない可愛らしい顔だった。
僕よりもひと回り小さくてついついじっと見つめてると、
「…?あの僕の顔になにかついてますか…?
あ、もしかして髪が変な方向いてるのかな」
「あ、ごめん。何もついてないし髪も大丈夫だよ
それよりも僕に何か用かな?」
「そうだった!
あのここ僕の席なんですけど間違えてませんか?」
「え?そうなの?」
そう言われ黒板に貼られた座席表を確認すると
確かに僕の名前は1番右の列の前から2番目になっていて
前の席には“甘木 葵”と書かれていた。
「ごめんね、このクラスに外部生来ると思ってなくて
今まで座ってた席に座ってたよ。この席どーぞ」
「そうなんですね!僕は甘木葵です」
「僕は綾瀬陽翔だよ、よろしくね」
初めて会った時の葵は外部生だからか緊張していて
敬語で長いブレザーの端をギュッて握って話していた。
そんな姿にキュンとしたし、翔もいなくて時間もあり
担任が来るまで緊張を溶かしてあげたいと思った。
「まさかこのクラスに外部生が入るとは思わなかったな」
「それさっきも言ってましたけど
Sクラスに入るのは珍しいんですか?」
「大体はスポーツコースとかの専門コースに
外部生は入ることが多いから珍しいよ。
そういえば同い年なんだし敬語じゃなくてもいいよ」
「じゃあお言葉に甘えて…綾瀬くんって呼ぶね。
そっかこのクラスには僕みたいな外部生
ほとんどいないのかもなんだね。
このクラスでやっていけるかな…」
不安そうな顔でしょんぼりした彼を見て
つい甘やかしたい気持ちに駆られた。
ナデナデ
「大丈夫、不安だったら僕に相談してよ!
僕は初等部からいるからこの学園のこと詳しいし
それに席もすぐ後ろで相談しやすいでしょ?」
「…!うん綾瀬くんありがとう!」
満面の笑みを向けられた僕はもっとキュンとした。
そして、
(あぁ、これは一目惚れだ…)
と自覚した。
「えへへ、ずっと新しい学校に緊張してたんだけど
綾瀬くん話しやすいからまだ会ったばっかりなのに
不安なの話しちゃったな。
それに頭撫でられるの照れるね…!」
と、少し顔赤くして話すのも全部が可愛すぎて
僕の心は爆発した。
ムギュ
「可愛すぎるよ、葵!あ、葵って呼ぶね!
名前まで可愛いし髪も目も頬っぺも!!
顔なんて僕の両手に収まっちゃうくらい小さくて可愛い」
「えっ…えっと…綾瀬くん?」
「僕にもっとその可愛い顔見せて!
髪も茶色っぽいけど目も茶色っぽいんだね
まつ毛もこんなに長い!」
「あっ…あの…顔近いよ…」
「その戸惑ってる顔も可愛い!!」
葵の頬に僕の大きめの手を挟み怒涛のように話す姿に
中等部でも同じクラスだったクラスメイトも
驚きを隠せない表情だったそうだが
葵を見ることに全力であった僕は気づかなかった。
そして、後ろから迫り来て…
バッシーーン!!!!
「お前、クラスの雰囲気とこいつのこと考えろ!」
と叩きに来る翔の姿にも全く気が付かなかった。
────
葵を可愛がる姿はたちまち学園で広がった。
10
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