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はちみつチュッチュッ
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① きょうは あまくて とってもおいしい ハチミツのおはなしよ
ハチミツだ~いすき
ねっ ママもだ~いすき
ねえ~
ねえ~
うふふ
うふふ ねえ どこでつくっているか しってる?
ううん ねえママ どこで つくってるの?
あのね おうちたべているハチミツはね むこうのおやまのふもとにある ようほうじょうっていうところで つくっているの
ようほうじょう?
そう ようほうじょう ミツバチをかって ハチミツをつくっているところを そうよぶのよ
へえ~
そこは かぞくみんなでつくっているの おとうさんと おかあさんと まだちいさな おとこのこでね
へえ~ きかせて きかせて
うん それでは はじまりはじまり
はじまりはじまり うふふ
うふふ さて そのひはね なんびきかのはたらきバチが みつをはじめて あつめにいくひだったの
はたらきバチ?
そう はたらきバチ はたらきバチは はじめてみつをあつめにいくひまでに たくさんのおしごとを すのなかでけいけんして それからとびたつのよ
はじめて とぶの?
そう はじめて とぶの だから おねえさんバチたちに おそらのとびかたをおしえてもらうのよ
わたしも もうじき おねえさんだね
そうね ママのおなかには いもうとちゃんがいるから そうなるわね
うふふ それから それから?
うん それからね
② おねえさんバチたちにつづいて いよいよ いもうとバチたちが すからとびたちます
いってらっしゃい
そうね いってらっしゃいね
うん
まずは おねえさんバチたちが みほんをみせるように とびだしていきます それをみていた いもうとバチたちも ゆうきをだして とびだしていきました すると ようほうじょうのおとうさんが とびたっていくミツバチたちに おおきなこえでこういいました 「たのしんでこいよ~!」って
うわあ それから それから?
うふふ それからね
③ おねえさんバチたちは ふりかえって つぎつぎにおとうさんに 「いってきま~す」っていいました いもうとバチたちも まねをしてつぎつぎに 「いってきま~す」といいました いっぴきのおねえさんバチが いもうとバチたちにいいました あのひとのおかげで わたしたちはあんしんして すのなかでくらせているのよって
じゃあ そのおとうさんと パパはいっしょだね
そうだね パパといっしょだね
うん
そうしてミツバチたちはね おそらにむかって とんでいきました
うわあ
すると きいろいやねの おうちがみえてきました ようほうじょうの じむのおしごとをしている おかあさんが にわでせんたくものをほしています とんでいくミツバチをみつけたおかあさんが 「きをつけて~!」っていって てをふっています
うわあ ねえねえ それから それから?
うんうん それからね
④ おねえさんバチたちは ぐんぐんと まえにすすんでとんでいきます 「まってまって」 「まってまってえ~」と いもうとバチたちは おねえさんバチについていくのに せいいっぱい なにしろまだ とびかたのコツも つかめてないのですからね
がんばって いもうとバチちゃんたち
ねっ がんばって がんばってだね
うん ねえねえ それから それから?
うんうん それからね
⑤ いもうとバチたちは しばらくとんでいると あらふしぎ しぜんとうまく とべるようになっていました
どうして?
そうね それはね からだがもう そういうふうに できているからなのよ
ふ~ん
ほらっ ことばがいつのまにか しゃべれるようになったでしょ
うん
それと おんなじこと
そっかあ
それからね
うん
いもうとバチたちは うまくとべるようになると すこし よゆうができてきて まわりのけしきをながめることが できるようになったの
へえ~
ながめると おそらは どこまでもあおくて そこにうかんでいる くもは ふわふわだたよっていて とっても きもちよさそうでした
ふんふん それから それから?
うんうん それからね
⑥ その おそらのどこかからか ミツバチたちにあいさつするように やさしいかぜがやってきました そのかぜに おねえさんバチたちは つぎつぎとのっていきます
うわあ おそらのとびかただね
そう そうよ
うん
そしてね いもうとバチたちも まねをして つぎつぎとのっていきました はばたきしなくても とんでゆけます ああ なんてきもちのいい いもうとバチたちは みんなそうおもいました
どんな きもちなのかなあ かぜにのるって
そうね ほらっ パパの おくるまにのっているとき きもちいいでしょ?
うん とっても
そういう感じ かもしれないね
そっかそっか うんうん それから それから?
うんうん それからね
⑦ それから かぜにのって きもちよくとんでいると ちじょうのそうげんに げんきなおとこのが てをふっているのがみえました
ようほうじょうの おとこのこ?
そうそう そのおとこのこよ
さっきとはちがう いっぴきのおねえさんバチがいいました 「あのこが つぎのおとうさんよ」って
へえ~
おとこのこはね おいかけていけるところまで てをふりながら ミツバチたちをずっと おいかけていました
うわあ そのこに あってみたいなあ
そうね もしかしたら しょうがくせいになったら あえるかもね
やったあ~ たのしみ
ねっ たのしみね
うん ねえねえ それから それから?
うんうん それからね
⑧ おねえさんバチたちと いもうとバチたちは やさしいかぜがさっていくと またはばたきをはじめて めざすおはなばたけまで いちもくさんにとんでいきました
うんうん
そのとき おそらのうえのほうから いちわのとりさんが やってきていいました 「さっき スズメバチをいっぴき みたよ きをつけて」って おねえさんバチは つぎつぎと 「ありがとう とりさん」といって すれちがっていきました いもうとバチたちはそれをきいて たちまちこわくなりました てんてきのスズメバチのことは すのなかで よくきいていたからです
てんてき?
そう てんてき ミツバチたちをつかまえて つれていっちゃうの
いやだあ!
いやだよね
こわいね
こわいね
だいじょうぶかな ミツバチさんたち
そうね でも きっとだいじょうぶよ おねえさんバチたちは そういうことにも なれているから
そっかあ おねえさんたちがいたら あんしんだね
そうね おねえさんたちがいたら あんしんね
うん それから それから?
うん それからね
⑨ それから そうげんから もりをこえて やっとミツバチたちは いちめんにさく レンゲのおはなのところへ たどりつきました
うんうん
おねえさんバチたちは まずあたりのようすをみに さきにおりていきます
てんてきが いるかも
そう いるかもしれない
うん
おねえさんバチたちは あたりをとびまわって しっかりたしかめます
うん
たしかめたおねえさんバチたちは いもうとバチたちに あいずしました だいじょうぶよ さあ きなさいって
ふう よかったよかった
うん よかったね
うん
いもうとバチたちは ホッとして じゅんばんに おはなのもとへとおりてきました
うん
⑩ さあさあ おしごとかいしです おはなからはじめて いもうとバチたちは みつをすいます
あまいのかな?
うん とっても
おはなのなかに ハチミツがあるの?
ううん ミツバチが おはなのみつをすって それが ミツバチのからだのなかで ハチミツにかわっていくのよ
だから ハチミツというんだね
そう だから ハチミツというの
ハチミツにかえてくれて ありがとさんだね
ほんとそうね ミツバチさん ありがとさんね
うん ねえ それって ミツバチさんにしか できないんでしょ?
そうよ だからにんげんは ミツバチさんたちがこまらないように しぜんをたいせつにしないといけないのよ
うん
⑪ それから いもうとバチたちは むちゅうになって みつをすいました はなからはなへ おねえさんバチをまねながら つぎつぎととびうつっていきます だから ミツバチたちのからだは もうかふんでいっぱいです
かふん?
そう ミツバチさんたちが はなからはなへ かふんをからだにつけて とびうってくれるから おはなさんたちは またあたらしいおはなを さかせることができるのよ
へえ~ それも おしごと?
そう それも だいじな おしごと
ミツバチさんたちがいないと おはなは さかないの?
そう さかなくなる おはながあるの リンゴとかイチゴとか キャベツなんかのおやさいもそうだし おうしさんがたべるほしぐさなんかもそうよ たくさんさかなくなる おはながあるのよ
おはながさかないと どうなるの?
うん おはながさかないと リンゴやイチゴができないし キャベツにもならないし ほしぐさにもならないわ にんげんがつくれるりょうは かぎりがあるから みんながみんな たべれなくなるかもしれないの
おうしさんも たべれなくなるね
そう そうなると ぎゅうにゅうも おにくも へっちゃうの
たいへん え~ そうなると どうなっちゃうのかな?
うん そうなるとね ちゃんとたべものから えいようがとれないから びょうきになるひとたちが おおくなっていくとおもうわ せかいはきっと わるいほうへ わるいほうへと むかっていくでしょうね
なんか こわいね
ねえ こわいね ねえ まだ こまってしまうものがあるのよ
ええ!
パパのすきなコーヒーも ミツバチさんのおかげ おようふくをつくるコットンもそう ミツバチさんのおかげ にんげんは ミツバチさんのおかげで いまのようなくらしができているのよ
だいじなだいじな ミツバチさんたちなんだね
そうよ そのとおりよ だいじなだいじな ミツバチさんたちなの
ねえねえ それから それから?
うんうん それからね
⑫ そう それはね まさに その おしごとちゅうの ことだったの
えっ……
いっぴきの おおきなスズメバチが おそってきたのは
いやだ!
ねえ いやだね そのスズメバチはかくれていて みつをいっぱいすうまで まっていたのね スズメバチは よわそうないもうとバチに ねらいをさだめていたの
にげて! いもうとバチちゃん!
そうだね にげて! だね
うん!
するとね とりさんのいったことを ずっときにしていた おねえさんバチたちがね いっせいに スズメバチにむかっていったの
うわっ すご~い!
すごいね
うん! すご~い!
スズメバチも いっせいにこられては どうしようもないわ ここはいったん ひきかえすことにしたの
ふう よかったあ~
ねえ よかったね
うん
でもね まだ あんしんは できないの
どうして?
そのスズメバチが なかまたちを つれてくるかもしれないから
そっかあ じゃあもう そのおはなばたけには いけないね
だいじょうぶよ あのおとこのこは ハチたちのことばがわかるから スズメバチたちにちゃんと イモムシたちのいばしょなんかを おはなししてくれるから
イモムシ?
そう スズメバチは はたけをあらすイモムシを たいじしてくれるの
へえ~ だけどどうしておとこのこは ハチさんたちの ことばがわかるの?
それはね あのかぞくのこどものころは みんな わかるみたいなの
へえ~ ふしぎ~
ねえ ふしぎね
うん ああ はやく そのおとこのこに あいたいな
ねっ
うん
ねっねっ それから それから?
うんうん それからね ミツバチたちは スズメバチのなかまがくるまえに いそいで すにかえることにしたの
⑬ でもまだ いもうとバチたちは ドキドキがおさまりません おまけに おなかはみつでいっぱいで きたときとはまたちがうから とぶだけでせいいっぱいです それにひきかえ おねえさんバチたちは はんぶんにわかれて いもうとバチたちをまもるようにまえとうしろをとびながら きようにからだについたかふんをまるめて おだんごにしながらとんでいます
かふんも もってかえるの?
そう かふんも ミツバチさんたちの たいせつなたべものになるのよ
へえ~
それでね こんかいは あんなことがあったから かふんのおだんごづくりを いもうとバチたちにおしえるのは またつぎにして とにかくいまは すのところまで いそいでもどっていくことにしたの
うん そうだね
ねっ
うん
するとようやくむこうに きいろいやねが みえてきました もうすぐです
おうちに ついたんだね
そう おうちに ついたの おとうさんが かえってきたミツバチたちに ほほえみながらいいました 「おかえり~ おかえり~」って
うんうん
すのなかにはいると なかまたちが はじめてのみつあつめだった いもうとバチたちを はばたきのはくしゅしで むかえてくれました
うわあ
けれど ホッとするのもつかのま もうひとがんばり しなければなりません
まだ おやすみできないの?
そうよ すってきたみつを なかまに くちうつしで わたさなければならないの そうすることで さらに ハチミツにかわっていくのよ
くちうつし?
そう
チュッチュ?
そうね チュッチュね
パパと ママみたいに?
あら そうね うふふ そうよ
パパとママは チュッチュで なにを つくってるの?
そうねえ パパとママはね あったかい かていを つくっているの
そっかあ
すきなひとと けっこんして おうちでチュッチュしてね
うん おうちでチュッチュする ねえねえ それから それから?
うんうん それからね
⑭ みつをうけとったなかまはね それを すのあなに たくわえておくのよ
へえ~
そのはたらきバチは たくわえがかりね
がかりがあるの?
ほらっ いろんなおしごと けいけんしてっておはなしした そのひとつよ
あっ そっかそっか ほかには どんなおしごとがあるの?
ほかにはね みつを かんそうさせる かわかしがかり それでようやく ハチミツができあがるのよ
どうやって かわかすの?
うん はねをね ブンブンさせて すいぶんをとばすの そのおしごとで はねはつよくなって みつあつめに とびたてるようになるのよ
そっかあ そうやって れんしゅうしてるんだね
そう そのとおり れんしゅうしているの
うん
それから できあがったハチミツに ふたをしたりする すづくりがかりね それから おそうじがかりや ようちゅうの おせわがかりや すの みまもりがかりもいるのよ
ほんとに はたらきバチさんなんだね
そうだね ほんとに はたらきバチさんね
う~ん でも……
うん でも なあに?
あのね そうやって やっとできたハチミツを とっちゃって いいのかなって
そうね みんなで いっしょうけんめいつくった ハチミツだものね
うん ミツバチさんたちの たべものでしょ?
うん そうよ
だいじょうぶかな とっちゃって
そうよね でもね ぜんぶとっちゃうことはしないから だいじょうぶ
ミツバチさんたち おこらないの? とっちゃうこと
ミツバチさんたちは おこらないわ
どうして?
それはね ハチミツをつくりすぎると スズメバチたちに みつかりやすくなるし たとえみつかっても すのなかに はいってこれないようにしてくれているし おはなばたけがたくさんあるところで くらせてもいるし さむいふゆも あたたか~く すごすことができるからよ
おとうさんの おかげで?
そう おとうさんのおかげでミツバチたちは ミツバチらしく おもうぞんぶん いきてゆけるのよ それにミツバチには にんげんをけんこうにするっていう そういったやくわりも ちゃんと わかっているとおもうのね
ほんとにえらいね ミツバチさんたち
ほんとにそうね
⑮ さてさて いもうとバチたちは かたらだについたかふんを きれいにまるめて たくわえがかりに わたしおえたところです つぎは とびながらのまるめかたを おねえさんバチたちに おしえてもらうことでしょう さあ またあした みつあつめに とびたっていかなければなりません はじめてのことばっかりで いもうとバチたちはつかれたでしょう こんやはゆっくり おやすみしましょう
うん いもうとバチちゃんたち おやすみなさい
ねっ おやすみなさい
うん たいへんだったもんね
ねえ たいへんだったもんね
うん
は~い ということで きょうのおはなしは これで おしまい
えっ? おしまい?
そう おしまい
ふう~ ドキドキした~
ねえ
うん
あらっ おなかのなかの いもうとちゃんも きいてたみたい いま おなかをけったわ
うふふ それから それからって いってるのかもね
そうね もうおしまいになったのにね このこはなんだか てがかかりそうね
うふふ でもママ あんしんして いもうとちゃんは わたしがちゃんと まもるから
(おわり)
ハチミツだ~いすき
ねっ ママもだ~いすき
ねえ~
ねえ~
うふふ
うふふ ねえ どこでつくっているか しってる?
ううん ねえママ どこで つくってるの?
あのね おうちたべているハチミツはね むこうのおやまのふもとにある ようほうじょうっていうところで つくっているの
ようほうじょう?
そう ようほうじょう ミツバチをかって ハチミツをつくっているところを そうよぶのよ
へえ~
そこは かぞくみんなでつくっているの おとうさんと おかあさんと まだちいさな おとこのこでね
へえ~ きかせて きかせて
うん それでは はじまりはじまり
はじまりはじまり うふふ
うふふ さて そのひはね なんびきかのはたらきバチが みつをはじめて あつめにいくひだったの
はたらきバチ?
そう はたらきバチ はたらきバチは はじめてみつをあつめにいくひまでに たくさんのおしごとを すのなかでけいけんして それからとびたつのよ
はじめて とぶの?
そう はじめて とぶの だから おねえさんバチたちに おそらのとびかたをおしえてもらうのよ
わたしも もうじき おねえさんだね
そうね ママのおなかには いもうとちゃんがいるから そうなるわね
うふふ それから それから?
うん それからね
② おねえさんバチたちにつづいて いよいよ いもうとバチたちが すからとびたちます
いってらっしゃい
そうね いってらっしゃいね
うん
まずは おねえさんバチたちが みほんをみせるように とびだしていきます それをみていた いもうとバチたちも ゆうきをだして とびだしていきました すると ようほうじょうのおとうさんが とびたっていくミツバチたちに おおきなこえでこういいました 「たのしんでこいよ~!」って
うわあ それから それから?
うふふ それからね
③ おねえさんバチたちは ふりかえって つぎつぎにおとうさんに 「いってきま~す」っていいました いもうとバチたちも まねをしてつぎつぎに 「いってきま~す」といいました いっぴきのおねえさんバチが いもうとバチたちにいいました あのひとのおかげで わたしたちはあんしんして すのなかでくらせているのよって
じゃあ そのおとうさんと パパはいっしょだね
そうだね パパといっしょだね
うん
そうしてミツバチたちはね おそらにむかって とんでいきました
うわあ
すると きいろいやねの おうちがみえてきました ようほうじょうの じむのおしごとをしている おかあさんが にわでせんたくものをほしています とんでいくミツバチをみつけたおかあさんが 「きをつけて~!」っていって てをふっています
うわあ ねえねえ それから それから?
うんうん それからね
④ おねえさんバチたちは ぐんぐんと まえにすすんでとんでいきます 「まってまって」 「まってまってえ~」と いもうとバチたちは おねえさんバチについていくのに せいいっぱい なにしろまだ とびかたのコツも つかめてないのですからね
がんばって いもうとバチちゃんたち
ねっ がんばって がんばってだね
うん ねえねえ それから それから?
うんうん それからね
⑤ いもうとバチたちは しばらくとんでいると あらふしぎ しぜんとうまく とべるようになっていました
どうして?
そうね それはね からだがもう そういうふうに できているからなのよ
ふ~ん
ほらっ ことばがいつのまにか しゃべれるようになったでしょ
うん
それと おんなじこと
そっかあ
それからね
うん
いもうとバチたちは うまくとべるようになると すこし よゆうができてきて まわりのけしきをながめることが できるようになったの
へえ~
ながめると おそらは どこまでもあおくて そこにうかんでいる くもは ふわふわだたよっていて とっても きもちよさそうでした
ふんふん それから それから?
うんうん それからね
⑥ その おそらのどこかからか ミツバチたちにあいさつするように やさしいかぜがやってきました そのかぜに おねえさんバチたちは つぎつぎとのっていきます
うわあ おそらのとびかただね
そう そうよ
うん
そしてね いもうとバチたちも まねをして つぎつぎとのっていきました はばたきしなくても とんでゆけます ああ なんてきもちのいい いもうとバチたちは みんなそうおもいました
どんな きもちなのかなあ かぜにのるって
そうね ほらっ パパの おくるまにのっているとき きもちいいでしょ?
うん とっても
そういう感じ かもしれないね
そっかそっか うんうん それから それから?
うんうん それからね
⑦ それから かぜにのって きもちよくとんでいると ちじょうのそうげんに げんきなおとこのが てをふっているのがみえました
ようほうじょうの おとこのこ?
そうそう そのおとこのこよ
さっきとはちがう いっぴきのおねえさんバチがいいました 「あのこが つぎのおとうさんよ」って
へえ~
おとこのこはね おいかけていけるところまで てをふりながら ミツバチたちをずっと おいかけていました
うわあ そのこに あってみたいなあ
そうね もしかしたら しょうがくせいになったら あえるかもね
やったあ~ たのしみ
ねっ たのしみね
うん ねえねえ それから それから?
うんうん それからね
⑧ おねえさんバチたちと いもうとバチたちは やさしいかぜがさっていくと またはばたきをはじめて めざすおはなばたけまで いちもくさんにとんでいきました
うんうん
そのとき おそらのうえのほうから いちわのとりさんが やってきていいました 「さっき スズメバチをいっぴき みたよ きをつけて」って おねえさんバチは つぎつぎと 「ありがとう とりさん」といって すれちがっていきました いもうとバチたちはそれをきいて たちまちこわくなりました てんてきのスズメバチのことは すのなかで よくきいていたからです
てんてき?
そう てんてき ミツバチたちをつかまえて つれていっちゃうの
いやだあ!
いやだよね
こわいね
こわいね
だいじょうぶかな ミツバチさんたち
そうね でも きっとだいじょうぶよ おねえさんバチたちは そういうことにも なれているから
そっかあ おねえさんたちがいたら あんしんだね
そうね おねえさんたちがいたら あんしんね
うん それから それから?
うん それからね
⑨ それから そうげんから もりをこえて やっとミツバチたちは いちめんにさく レンゲのおはなのところへ たどりつきました
うんうん
おねえさんバチたちは まずあたりのようすをみに さきにおりていきます
てんてきが いるかも
そう いるかもしれない
うん
おねえさんバチたちは あたりをとびまわって しっかりたしかめます
うん
たしかめたおねえさんバチたちは いもうとバチたちに あいずしました だいじょうぶよ さあ きなさいって
ふう よかったよかった
うん よかったね
うん
いもうとバチたちは ホッとして じゅんばんに おはなのもとへとおりてきました
うん
⑩ さあさあ おしごとかいしです おはなからはじめて いもうとバチたちは みつをすいます
あまいのかな?
うん とっても
おはなのなかに ハチミツがあるの?
ううん ミツバチが おはなのみつをすって それが ミツバチのからだのなかで ハチミツにかわっていくのよ
だから ハチミツというんだね
そう だから ハチミツというの
ハチミツにかえてくれて ありがとさんだね
ほんとそうね ミツバチさん ありがとさんね
うん ねえ それって ミツバチさんにしか できないんでしょ?
そうよ だからにんげんは ミツバチさんたちがこまらないように しぜんをたいせつにしないといけないのよ
うん
⑪ それから いもうとバチたちは むちゅうになって みつをすいました はなからはなへ おねえさんバチをまねながら つぎつぎととびうつっていきます だから ミツバチたちのからだは もうかふんでいっぱいです
かふん?
そう ミツバチさんたちが はなからはなへ かふんをからだにつけて とびうってくれるから おはなさんたちは またあたらしいおはなを さかせることができるのよ
へえ~ それも おしごと?
そう それも だいじな おしごと
ミツバチさんたちがいないと おはなは さかないの?
そう さかなくなる おはながあるの リンゴとかイチゴとか キャベツなんかのおやさいもそうだし おうしさんがたべるほしぐさなんかもそうよ たくさんさかなくなる おはながあるのよ
おはながさかないと どうなるの?
うん おはながさかないと リンゴやイチゴができないし キャベツにもならないし ほしぐさにもならないわ にんげんがつくれるりょうは かぎりがあるから みんながみんな たべれなくなるかもしれないの
おうしさんも たべれなくなるね
そう そうなると ぎゅうにゅうも おにくも へっちゃうの
たいへん え~ そうなると どうなっちゃうのかな?
うん そうなるとね ちゃんとたべものから えいようがとれないから びょうきになるひとたちが おおくなっていくとおもうわ せかいはきっと わるいほうへ わるいほうへと むかっていくでしょうね
なんか こわいね
ねえ こわいね ねえ まだ こまってしまうものがあるのよ
ええ!
パパのすきなコーヒーも ミツバチさんのおかげ おようふくをつくるコットンもそう ミツバチさんのおかげ にんげんは ミツバチさんのおかげで いまのようなくらしができているのよ
だいじなだいじな ミツバチさんたちなんだね
そうよ そのとおりよ だいじなだいじな ミツバチさんたちなの
ねえねえ それから それから?
うんうん それからね
⑫ そう それはね まさに その おしごとちゅうの ことだったの
えっ……
いっぴきの おおきなスズメバチが おそってきたのは
いやだ!
ねえ いやだね そのスズメバチはかくれていて みつをいっぱいすうまで まっていたのね スズメバチは よわそうないもうとバチに ねらいをさだめていたの
にげて! いもうとバチちゃん!
そうだね にげて! だね
うん!
するとね とりさんのいったことを ずっときにしていた おねえさんバチたちがね いっせいに スズメバチにむかっていったの
うわっ すご~い!
すごいね
うん! すご~い!
スズメバチも いっせいにこられては どうしようもないわ ここはいったん ひきかえすことにしたの
ふう よかったあ~
ねえ よかったね
うん
でもね まだ あんしんは できないの
どうして?
そのスズメバチが なかまたちを つれてくるかもしれないから
そっかあ じゃあもう そのおはなばたけには いけないね
だいじょうぶよ あのおとこのこは ハチたちのことばがわかるから スズメバチたちにちゃんと イモムシたちのいばしょなんかを おはなししてくれるから
イモムシ?
そう スズメバチは はたけをあらすイモムシを たいじしてくれるの
へえ~ だけどどうしておとこのこは ハチさんたちの ことばがわかるの?
それはね あのかぞくのこどものころは みんな わかるみたいなの
へえ~ ふしぎ~
ねえ ふしぎね
うん ああ はやく そのおとこのこに あいたいな
ねっ
うん
ねっねっ それから それから?
うんうん それからね ミツバチたちは スズメバチのなかまがくるまえに いそいで すにかえることにしたの
⑬ でもまだ いもうとバチたちは ドキドキがおさまりません おまけに おなかはみつでいっぱいで きたときとはまたちがうから とぶだけでせいいっぱいです それにひきかえ おねえさんバチたちは はんぶんにわかれて いもうとバチたちをまもるようにまえとうしろをとびながら きようにからだについたかふんをまるめて おだんごにしながらとんでいます
かふんも もってかえるの?
そう かふんも ミツバチさんたちの たいせつなたべものになるのよ
へえ~
それでね こんかいは あんなことがあったから かふんのおだんごづくりを いもうとバチたちにおしえるのは またつぎにして とにかくいまは すのところまで いそいでもどっていくことにしたの
うん そうだね
ねっ
うん
するとようやくむこうに きいろいやねが みえてきました もうすぐです
おうちに ついたんだね
そう おうちに ついたの おとうさんが かえってきたミツバチたちに ほほえみながらいいました 「おかえり~ おかえり~」って
うんうん
すのなかにはいると なかまたちが はじめてのみつあつめだった いもうとバチたちを はばたきのはくしゅしで むかえてくれました
うわあ
けれど ホッとするのもつかのま もうひとがんばり しなければなりません
まだ おやすみできないの?
そうよ すってきたみつを なかまに くちうつしで わたさなければならないの そうすることで さらに ハチミツにかわっていくのよ
くちうつし?
そう
チュッチュ?
そうね チュッチュね
パパと ママみたいに?
あら そうね うふふ そうよ
パパとママは チュッチュで なにを つくってるの?
そうねえ パパとママはね あったかい かていを つくっているの
そっかあ
すきなひとと けっこんして おうちでチュッチュしてね
うん おうちでチュッチュする ねえねえ それから それから?
うんうん それからね
⑭ みつをうけとったなかまはね それを すのあなに たくわえておくのよ
へえ~
そのはたらきバチは たくわえがかりね
がかりがあるの?
ほらっ いろんなおしごと けいけんしてっておはなしした そのひとつよ
あっ そっかそっか ほかには どんなおしごとがあるの?
ほかにはね みつを かんそうさせる かわかしがかり それでようやく ハチミツができあがるのよ
どうやって かわかすの?
うん はねをね ブンブンさせて すいぶんをとばすの そのおしごとで はねはつよくなって みつあつめに とびたてるようになるのよ
そっかあ そうやって れんしゅうしてるんだね
そう そのとおり れんしゅうしているの
うん
それから できあがったハチミツに ふたをしたりする すづくりがかりね それから おそうじがかりや ようちゅうの おせわがかりや すの みまもりがかりもいるのよ
ほんとに はたらきバチさんなんだね
そうだね ほんとに はたらきバチさんね
う~ん でも……
うん でも なあに?
あのね そうやって やっとできたハチミツを とっちゃって いいのかなって
そうね みんなで いっしょうけんめいつくった ハチミツだものね
うん ミツバチさんたちの たべものでしょ?
うん そうよ
だいじょうぶかな とっちゃって
そうよね でもね ぜんぶとっちゃうことはしないから だいじょうぶ
ミツバチさんたち おこらないの? とっちゃうこと
ミツバチさんたちは おこらないわ
どうして?
それはね ハチミツをつくりすぎると スズメバチたちに みつかりやすくなるし たとえみつかっても すのなかに はいってこれないようにしてくれているし おはなばたけがたくさんあるところで くらせてもいるし さむいふゆも あたたか~く すごすことができるからよ
おとうさんの おかげで?
そう おとうさんのおかげでミツバチたちは ミツバチらしく おもうぞんぶん いきてゆけるのよ それにミツバチには にんげんをけんこうにするっていう そういったやくわりも ちゃんと わかっているとおもうのね
ほんとにえらいね ミツバチさんたち
ほんとにそうね
⑮ さてさて いもうとバチたちは かたらだについたかふんを きれいにまるめて たくわえがかりに わたしおえたところです つぎは とびながらのまるめかたを おねえさんバチたちに おしえてもらうことでしょう さあ またあした みつあつめに とびたっていかなければなりません はじめてのことばっかりで いもうとバチたちはつかれたでしょう こんやはゆっくり おやすみしましょう
うん いもうとバチちゃんたち おやすみなさい
ねっ おやすみなさい
うん たいへんだったもんね
ねえ たいへんだったもんね
うん
は~い ということで きょうのおはなしは これで おしまい
えっ? おしまい?
そう おしまい
ふう~ ドキドキした~
ねえ
うん
あらっ おなかのなかの いもうとちゃんも きいてたみたい いま おなかをけったわ
うふふ それから それからって いってるのかもね
そうね もうおしまいになったのにね このこはなんだか てがかかりそうね
うふふ でもママ あんしんして いもうとちゃんは わたしがちゃんと まもるから
(おわり)
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