菅原一月短編集R-18

菅原一月

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嫌いと言えば言うほど。

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プロジェクトリーダーに選ばれた彼。一方、昇格組から脱落した私。
彼の人望の厚さ、機転のきく仕事ぶり、人間的魅力を私は存分に知っている。

具合が悪くなったと伝え、私はその場から静かに退場する。
私が立ち上がっても、誰も気にも止めない。

その日は、プロジェクトの打ち上げで、会社から歩いて15分の距離の居酒屋に集合していた。
プロジェクトメンバーである私も当然顔を出さないわけにいかず、皆の後をついて行く。
ビールで乾杯した後、あっという間に、彼はその場の空気を自分のものにしていく。

アルコールの香り。

成功したプロジェクト。
彼の手で。




彼の名前は、奥田匠。
一言でいうと、腐れ縁なのであろう。小・中・高も同じで、入社した会社も何故か同じだった。

私は、彼が嫌いだった。

小学校、彼と私は同じピアノの教室に通っていた。
何度目かのコンクール、彼は私が手に入れるはずであった優秀賞を手に入れた。

楽譜がよめないくせに。
彼は、譜面台に譜面を逆さに置くような馬鹿者だった。

私は、もうその頃から練習する過程が好きで、努力することに生きがいを感じていた。
努力して得た名声ほど尊く素晴らしいものはないだろう。

その時、私は小学生なのに、難解な曲を弾きこなすことが出来、ちやほやされていた。

一方、彼にはレッスンは必要なかった。
何故なら、彼は言葉を覚えるように、旋律を奏でていく。
ほんの少しのアドバイスで勝手に才能を伸ばす。

聴くことによって形作られていく曲は、彼の中で綺麗に消化され無限の可能性を秘めていく。
世代交代は行われる。私から彼への。


中学校。
私はピアノの世界で挫折したものの、音楽は好きだったので吹奏楽部に入った。
一方彼は、陸上部に入部した。彼が、吹奏楽部に入らなかったことにあきらかに安堵する自分。

トロンボーンという楽器をした後、私は昔から憧れていたトランペットを吹く担当になった。
学園祭や、コンテストでソロ演奏をするぐらいには様になっていた。
震わす唇はよく腫れて赤くなってしまったけど、憧れの楽器を吹く喜びはとても大きかった。

家にトランペットとメトロノームを持って帰って毎日練習した。
人より多く練習した成果で、私は1年生の時にコンテストに四重奏として出場させてもらい、見事に金賞を取り県大会までいくことができた。
地域の中学校の吹奏楽部で、トランペットの谷村と名前が囁かれるようになるぐらいには。
学年が上がった後、顧問の武田先生に「部長にならないか。」と言われ、私は部長になった。

そして、最後のコンテスト。違うチームで3重奏をするオーボエの倉敷くんが体調不良で休んだ。
何故か分からないけど、彼がきていた。奥田匠が。
顧問の武田先生と奥田のお父さんが知り合いで、応援で出場するらしい。

奥田匠はピアノ奏者なだけではなく、オーボエ奏者でもあったらしい。
しかも、とんでもなく良質な音と、繊細なリズムを奏でる。

私は金賞をとった。彼も金賞をとった。
私も彼も金賞をとったけど、彼は県大会の上位までいった。

動揺して演奏を間違えたから彼に負けたのではない。彼の実力が私より高かったというだけ。



高校に入学し、私は吹奏楽部にも入らず勉強に励む。
音楽は、感性によるものが多いから生真面目な自分には向いていないのかなとも思っていた。
朝昼晩、毎日勉強したら、すぐ成果がでた。高校1年生から高校2年生までは学年一位だった。
何故か、高校3年生の時の期末テストでは学年二位に落ちていた。

私の脳裏に嫌な予感が過ぎる。
彼は、奥田匠は、学校からバスで20分の駅前のファーストフード屋さんでアルバイトをしている。度々、駅前を通ると彼が、軽やかに接客しているのを見る。
そして、高校ではバスケットボール部に入った彼。

バイトと部活で忙しい彼が、私を追い抜くことなんて出来ないはず。
私は、急な眩暈でふらつきながら無人に思われた教室を通る。

――たくみ~。学年一位とったって本当?
亜麻色の髪をゆるく巻いた顔の小さな女の子が、彼に問う。

――うん。部活もバイトも終わったし、後は勉強するしかないと思って。
甘めのフェイスに、細身だけれどもガッシリした体。
あめ色のツンツン頭は、おそらく本当は柔らかく、さらさらして風になびく。

そっか。
彼は頭の天辺から、足のつま先まで、完璧なのだ。


私は、何だか遠くの場所にいきたくなって。
自分の家から通えないような遠くの大学へ通う。


大学に入り、冷静に姿見の鏡で自分を見る。

小さい頃から、他の女の子より頭一つ大きくて身長は172cm。
女性なのに高い身長でからかわれるのが嫌で、目立たないようにしてきた。

何故、食が細く華奢な骨格であるにもかかわらず、身長がこんなにのびてしまったのだろう。
男になってしまいたいなと、男らしい服装をしたら、女なのにみっともないと母から言われた。

垢抜けない自分をどうにかしたくて、私は色々なファッション雑誌を勉強して。
はじめて髪を染め、化粧をした。
思い切って、冴えないジーパンを、膝丈のプリーツスカートに。
露出してこなかった二の腕などが見える服をきると、逆に違和感なく感じられた。

初めてのアルバイトも経験した。要領が良いと言われ、色々なアルバイトに手を出してみる。

イメージチェンジをした自分が定着してきた頃、色々な人に声をかけられるようになった。
奢ってあげるよ、とか。
付き合おうよ、とか。

でも、恋愛というものに取引しか感じられなくて、私は結局就職活動が終わっても、特定の相手を作ることはなかった。


入社式で、新入社員代表の挨拶をした男の子に見覚えがあった。
そう、それは長らく私のライバルであった奥田匠だったから。

でも、大学4年間会っていなかったから、ライバルであった憎しみも、たどり着けない悔しさも、一抹の羨望も感じずには済んだ。

正直、4年間で私も成長した。
昔よりも、軽やかにスマートに呼吸ができるようになったし、見た目も、少しだけ自信が付いている。
精神的にも随分大人になった。
何より部署が違うのだから、そもそも彼とは戦う土俵が違うのである。

ーーー嘘だ。彼は、海外事業部だったはず。

だから、ずっと私が関連企業と協力し、推し進めてきたプロジェクトのリーダーに彼が任命されるとは思っていなかった。
飲み込んだ唾液はうっすら苦い味がした。

誰も、顔色を蒼白にし呼吸を浅くする私に気づかない。


私が長年温めてきたプロジェクトは、彼の手で――
大きく花開き成功した。


戦わない。
戦わない。

彼は、
「谷村さん。今回はありがとう。谷村さんがいたから、プロジェクト成功できた。」
礼儀正しい。

「そうだよね。確かに、谷村さんの言うとおりだ。」
器が広い。

「ここは、しっかり決めないと駄目だよ。」
たるんでいない。

「そっか。分かった。俺が全責任を持つから。」
精神的に大人。


ハンサムなルックス。努力と、そして情熱。
スマートで紳士的な礼儀正しいジェントルマン。
第一印象ももちろん良く、一度会っただけでも印象に残る。

若いのにちゃらちゃらしていない。
良く専務など上役と、知的な会話を繰り広げている。


彼を分析すればするほど、彼は素晴らしい人間。
だけど、彼が輝いていけばいくほど、私は元気がなく萎びていく。

彼がいる場所からとにかく逃げたくて、私は辞表を上司のデスクに置いて消灯してから、今回の打ち上げにきた。


打ち上げ会場である居酒屋を離れ、数分歩くと、夜の静けさに私はやっと呼吸を深くする。
会社での私は、近寄りがたい雰囲気の仕事がまぁまぁできる女性。
仕事ばかりに夢中になって、特に親しい同期もできなかった。

今回のプロジェクトは私にとって、思い入れのあるとても大切なものであった。
それが私の手から離れていったとき、結末をみたら、すぐ会社を辞めようと思っていた。


高台から、ぼんやりと月をみる。
その日は、9月8日の十五夜で、満月だった。

ふぅ、仕事を辞めたらどう生きていこう。
会社は回っていく。私というコマがいなくても。

夏が終わり、秋の涼しげな虫の声がきこえる。


「ね。谷村さん。」
強引に右手を掴まれる。

なんで、打ち上げの主役がここにいるの。

そこに、いるはずのない奥田匠がいた。
私を真剣な眼差しで見つめる。掴んだ手の力は女性を相手にしては、やや強いようにも感じる。

「谷村さん。これ。」
そう彼が見せたのは、私が提出した退職届。

「もしかして、寿退社でもするの?」
私は首を横に振る。

「そうだよね。谷村さん、そういう相手がいるっていっていなかったもん。」
と彼はほっとした顔で言う。

「じゃあ、なんで辞めるの?」



「嫌いだから。」

「え?」
はじめてみる彼のまぬけな顔。

「私、奥田さんのこと嫌いなんだ。」

「俺、嫌われるようなことした?」

「身に覚えないの?」

「……。」
彼は頬に指をあて、思考する。

「もしかしてプロジェクト?」

「そう。まずはプロジェクト。あれの起案は私。」
それだけじゃない。

「奥田さんは、私のこと見覚えない?ピアノの教室も一緒だったし、中学も高校も一緒だったし。」
そう伝えると、彼ははっとした顔をした。

「というわけだから、私はあなたと同じ土俵に立ちたくない。」
同じ土俵にたつと、ろくなことないから。


「あんたなんて、昔から大っきらいなのよ。ほんの少し努力しただけで勝手に伸びていって、私が一生懸命築き上げたものを、いとも簡単に築き上げて。もう世界で一番奥田くんが嫌いなの。」


相手が深く傷ついてしまってもいいと、私は怒鳴り散らす。
自分も驚いてしまうぐらいに、彼に対して鬱憤が溜まってしまっていたらしい。

彼は、ぼんやり暴言を吐く私を観察し、にやりと笑う。
そう。不気味なことに、にやりと笑ったのだ。

彼の明らかに場違いな気味の悪い笑顔を目の辺りにし、怯んだ私はさらに弱いものが四方八方に攻撃して防御するように暴言を吐く。


「何よ。いつも、すましちゃって。何様なの。隠し切れない品の良さ?律儀で精神的に大人?何それ。綺麗過ぎて逆に気持ち悪い。あんたみたいな完璧な人間、大っきらいなのよ。目障りだから、今すぐ消えてよ。」

怒りで興奮すぎて、身体中の血液が沸騰する。
激しい運動をした後のように呼吸が苦しい。

目障りだから、こっちから消えてやろうというのに。
本当、いつも気に障る男である。


彼が、そんな私を凝視し口を開く。

「ーーーゾクゾクする。」

その言葉に私は、この男が、奥田匠がただの綺麗なばかりの男ではないことを予感する。
彼は、私を肉食獣のような獰猛な目でみる。そう。彼は草食獣の仮面をかぶった肉食獣で。決して刺激してはいけない類の生き物であった。

私は、先程から掴まれている右手に力をいれ、彼の手を振りほどこうとして、逆に彼の胸板に抱きしめられる。

「つぐみちゃん。俺、君とは運命だと思うんだ。」

「は?」

「だって、こんなに接点が多くて、いつも君は俺の背中を追っかけてきてくれたんだろ?」

「え……。」
追いかけてきたのはあんたで。抜かされた私はあんたの背中を後ろから見ていただけだけど。


「今、すべての記憶を探ったらいたよ。つぐみちゃん。」
こわい。
こわい。こわい。

「昔はひょろひょろして女顔した男の子みたいだったけど、綺麗に成長したね。」
何。この流れ。

逃げてしまいたいのに、彼は私をしっかり密着するぐらい抱きしめており、なかなかもがいても逃げることができない。

「今まで、人間にも。何にも。夢中になれなかったけど、....なんだか俺君には興味が持てそうだ。」
私の中で警報がなる。
火をつけてはならない場所に火をつけてしまった。

彼は私の退職届を破く。
それの紙片は、風になびいて空に飛んでいく。

私は、その紙片を掴もうとして前に出る。
前に出たところが、運悪く階段で、私を抱き抱えながら奥田は転がっていく。

私の体は痛くなかった。
だけど、それは奥田の体を下敷きにしていたから。

「ね。奥田さん。大丈夫?」
大っきらいな男だが、死んでいた場合、寝覚めが悪い。

「ん。んん?あなた誰?」

そう。基地外男の記憶は、この時混沌としていたのだろう。
もう一度言うと、この時は。

「ねえ。自分の名前いえる?」

「俺は……。奥田匠。あなたは誰?」
名前だけ分かるだけいいか。

「自分の家は分かる?」
そういって彼に肩を貸すと、彼は足を引きずっている。

「どこか打ってしまった?」

「おそらく、足くじいた。」

どうしよう。

「奥田さん。家どこ?」

「三軒茶屋。」

「遠いね。」

うちのアパートに湿布あったかなぁ。あったと思うけど、とりあえず頬から血も出ているし消毒しなければ。

「うちに行こう。怪我しているから。」
そういって、彼の体を支えたたせて、ゆっくりと歩く。

 
後悔しても遅い。
その時、私は油断していたのだ。
立ち上がり進みだした彼が私の横顔をみる。その視線はギラギラしたものであったこと。
彼が記憶がないふりをしたこと。

涎をたらした野獣を、手当てのためとはいえ、家に招きいれてしまったことに。





ガチャ。
玄関ドアをあけ、迎え入れた彼をソファーに座らせる。その後、私はドアの鍵をしめる。
そして、寝室で砂だらけのスーツを脱いでいると。

「きゃっ!」
怪我人であったはずの彼に強い力でベッドに押し倒される。

目の前にある彼の顔は、甘めのフェイスに信じられない執着の瞳をギラギラとさせていて、私は視線があった3秒後に、彼が記憶など欠片も失われていないことに気付く。


「クックック。ねぇ。なんで。そんなに無防備なの。」

別にああいう会社の辞め方じゃなくても、違う会社の辞め方もあるんだよとネクタイをはずしながら囁く。
私の脱衣中のカッターシャツからは、ボタンがはずれ、濃い紫のブラジャーが扇情的にみえていて。

胸元を隠した隙に、ストッキングを荒々しく脱がされる。

「俺と張り合うなんて、なんて傲慢で....無謀で...素敵なんだ。女を見下していたけど、君みたいな子、そうそう男でもみないな。」

私は気付かなかった。
彼が周りを見つめるビー玉みたいな目に、何の感情も備わっていなかったことに。
空虚な気持ちで周りを冷静に見ているくせに、情熱的にも見える言葉を吐き出せる彼はとてもおそろしい悪魔なのだろう。

「女なんて、まぁまぁ顔が良くて、学歴よくて、運動神経よくて、身長あって、金持ちであれば、すぐ寄ってくる生き物だと思っていたのに。逆に、俺を目障りっていうなんて。不思議だね。つぐみちゃんは。」
俺ほどの好物件はないのにと続ける。


「いやだ。離して。」
暴れる私の両手をいとも簡単に片手で彼は拘束する。

「女はアクセサリー。男は、自分の親であれ敵だと思っているよ。」
彼の心はちっとも温かくなく氷点下のように、シンっと冷たい。


「だから、君が分からない。俺が欲しくない?」
ゾクリとするほどの色気。
彼はその壮絶な色香で数々の女性をたぶらかしてきたのであろう。

彼は私の、パンツごしの秘所を人差し指で探る。

「ほ、欲しくない。」

「そっか。」
彼は、そういって心底嬉しそうな、楽しそうな顔をする。

そして、人差し指で円を描く。

「ひゃっ…あ。」
なぞるかのような動きに私は、思わず声を出す。

「かわいい声。俺が欲しくないのにね。」

私は、精一杯の力を出すが彼の片手で動きを封じられてしまう。

「思う存分じらしてあげるね。欲しいってせがむようになるまで――。」




それから何時間時間がたっただろうか。
窓から見える景色は真っ暗闇から、やや朝焼けが浮かんでいる。

「あ…ああっ!もう、やめ。」
彼は、相変わらずパンツ越しから焦らすようにゆーっくりと私の秘密の箇所を愛撫する。
パンツはしっとりと汗ではない分泌液で、濡れている。

「おね。がい。はぁあんっ…やめ。て。」

「いっぱい濡れてきたね。」
彼は長い間、同じ体制でいるのに疲労の色を見せない。
頬の傷は、消毒をされないままカサブタになっている。

ぴちゃ。ぷちゅぷちゅ。
「ーーーねぇ。なんで、濡れてきたか、分かる?」
思わず両手で耳を塞ぎたくなる内容であるが、両手は封じられている。

「ねえ。答えてくれないと、パンツ脱がしちゃうよ。」

私は顔を真っ赤にして抵抗する。

彼の手は私のパンツを脱がしにかかる。

「き。きもちいいから。」
そう私が慌てて答えると、彼はクスリと笑った後、瞳孔を開いてこちらをみて囁いた。

「俺のを、受け入れるためだよ。」
そういって、息をヒクっと飲む私の太ももから、するするとパンツをはぎとっていく。
暴れれば暴れるほど、パンツを脱ぐ手助けとなってしまって、何手助けしているのと、彼に笑われる。


そして、彼の細長いきれいな指は私の秘所を直接触る。
すっかり解され濡れそぼった秘所からは、くちゅる、と濡れた音がした。

「俺のは、これより長くて太いから、しっかり慣れて。」
恐怖に身を硬くする私に、彼はいたずらっ子のように耳元で囁く。


「ひゃっ…はあっああん!」
自分の口からでてくる喘ぎ声の音量が上がってくる。
彼の手から、与えられる快感は、生ぬるい自慰とは比べ物にならない強烈なものであった。


「可愛いね。つぐみちゃん。」
ブラジャーしているのに、しっかりたっているの分かるよ。と乳首を指で押される。
意外と大きい胸だね。やせているのにと、からかわれる。
こんな細い二の腕じゃ、とてもじゃないけど俺のこと押し返せないでしょ、と嗤われる。

「あ、ああ。あああっ。」
敏感な肉芽を優しくつままれて、頭を突き抜けるような快感に、私は息を吐くことができない。
秘部は、目の前の男の一物が早く欲しくて、モノ欲しそうに収縮しては蜜をたらす。

彼に。
だけど、彼にだけは屈服したくない。
そんな気持ちで、私は発情しきった雌の体を歯をくいしばって自制する。

「かわいい。つぐみちゃんのココ。黙視しても分かるぐらいウニョウニョ動いている。ここにいれたら気持ちいいんだろうなぁ。」

「はぁあっ…ああっ…。」
体中が羞恥と快感で熱い。何度も、巧みな愛撫でいってしまって頭がぼーっとする。

いつの間にか両手が自由になっていたけれど、力の出ない手のひらで彼の胸板を押し返すぐらいしかできない。

「かわいい。堕ちてもいいのに、なんで堕ちないの。」

もうどうなってもいい。
腰にくる甘い快感が気持ちよくて、挿れてと言おうとした途端、彼が下半身を脱ぎだす。

「陥落させるのは、既成事実を作った後でもいいか。」
そういって、彼はパンツから飛び出した禍々しい一物の先を私の収縮し、涎をたらす蜜口へ宛がう。

「はうっ…あああっ!!!」
私は、拒否の言葉も吐けず、彼の熱い肉棒を受け入れる。
ドクンドクンと、私の膣内を所せましと占領したそれは大きく脈打っている。

「あ、やば。ちょ。ちょっと出た。」
何が出たのか聞かなきゃいけないのに、私はあまりの圧迫感に歯を食いしばる。

「ちょっと、あまり締めすぎないで。」
って、処女だったの?と、膣口からにじむ赤い血をみて、彼は言う。

なんということだ。
大っきらいなライバルに、結婚相手にとって置こうとした処女を奪われてしまった。

「ぬ、抜いて。」
私が痛さに我に返っていうと、彼は抜けないと断言する。

「みちみちで、グジュグジュで気持ちよすぎて抜けない。」
一度、ださせて。そう告げて、腰をゆっくりと挿入する。

「ひゃあっ…ああんっ。」
残念なことに、処女とはいえ、たっぷり解された膣内は、牡の襲撃に嬉しそうに蠕動する。

「何その気持ち良さそうな声。つぐみちゃん、感じているの?」
彼は、心底嬉しそうに笑って、腰をねっとりと叩きつける。

彼はブラジャーからむき出しになった乳首を甘噛みし、ここからミルクでるかなと問いかけてくる。
がっちりとした彼の姿は見事で、優秀な牡に犯されていることに、潜在的に体が喜んでしまう。

「はぁ…ああ…んん。感じ…て…ない。」

「本当?」

「はぁうっ!」
じゃあ、感じているっていうまで、いっぱい繋がろうねといって、彼は私の乳首を赤い舌でチロっと舐めた。

朝方近くに始まった、卑猥な行為は昼過ぎまで続いた。

「ねぇ…つぐみちゃん…きもちい?」

「ハァ…いいっ…ああ…ぃいっ!。」
結合口からは愛液と精液が混ざった白濁した液体が激しい挿入で泡立っている。

「どこいいの…?ここ…?」
そういって、子宮口をエラのはった亀頭でえぐられると、私は頭を真っ白にさせてしまう。

「ひゃうっ…そこ…そこっ…。」
と強請るような目で彼の顔をみてしまう。

「何、その目。たまらないんですけど。俺のものにしたい。」
そういって、彼の玉袋は私の膣口をたたく。
再びその精子タンクから、たっぷりと子種を吐き出してくれるのかと、体中が期待してしまって、いやらしく肉棒に絡み付く。

「ねぇ。俺のものにしてもいいっ…?駄目でも、するけど。」

「や。や。やっ。」

「逝くよ。どうせ。つぐみちゃんも、この締まり具合だと逝きそうでしょ。一緒に逝こう。」

「は。は。あふっ。あ。逝っちゃあ。」
彼の挿入は次第に膣奥をねっとりと突くものに。私の奥底はソレを嬉しそうに歓迎する。

「逝くっ!」
どぴゅるっ。どぴゅ。
勢い良く優秀な牡の濃厚な白濁液が、彼女の子袋を温かく粘っこく犯す。

冷や汗一つかいたことのない彼の額から、汗がぽつりと私の頬に落ちる。

彼は、それに飽きることなく、日付が変わるまで何度も私を犯し続けた。




同期からメールが来てた。

件名:おめでとう!
寿退職するんだってね。しかも相手は、奥田さんだって言うじゃない。すごいよ。奥田さんって会長の孫でしょ。将来有望だね★
つぐみみたいに、綺麗な婚約者がいたら、そりゃあ誰のモーションにもかからないはずだわ。
お似合いカップルだと思う。
奥田さん、つぐみが素直にならないって愚痴ってたよ。
たまには、優しくしてあげたら。



結局、思う存分私はライバルで大っきらいである奥田匠おくだたくみにうまく丸め込まれ、退職理由が結婚のためということになった。

反発心旺盛な心より、素直な体の方がすぐ彼に陥落し、2度孕まされて、2人目が生まれた頃にやっと、彼をライバルではなく、旦那とみれるようになってきた。

「つぐみ。3人目はいいの?」

「い、いい。大丈夫。」

「本当に?もう一人ぐらい産まないと、俺から離れられないって気付けないかなって思ったんだけど。」

「大丈夫。大丈夫だよ。」
ちなみに、一人産んで、一ヶ月後すぐにまた妊娠している。彼の子を。
このペースで妊娠したら、閉経までに10人以上子どもを出産しなければいけない計算になる。

「本当?」

「本当。」

狂おしいぐらい好きだという彼の言葉に、私も愛していると答える。

「じゃあ、愛あるエッチをしよう。」
そういって、また抱きかかえられる。
胸板にぶつかった衝撃で、母乳が少し漏れる。

昔より幾分、赤黒くなったそそり立つ一物が、膣口に宛がわれ、一気に貫かれる。
「ひゃうっ。」

「涙、流して可愛い。つぐみちゃん。」
そういって、あまりの衝撃に零れ落ちた涙を舐めとられる。

「また、俺の子、孕んで。」

「はぁ…ああっ。ひゃい。」
お腹の奥をつく甘い疼き。
彼に最奥を突かれる度、どうしようもない幸福感と、快感が体中を支配する。


そうして、私はまた3人目を孕むことになるのだ。

彼との子は愛していると断言できる。

彼も、愛していると、その、あんなに最初酷く抱かれたのに、今もむちゃくちゃに抱かれるくせに思うのだ。


「愛してるよ。つぐみ。」
私は、顔を真っ赤にして、私もと答える。

遅く来た、恋愛感情を私はもてあます。

あの。
本当に。
私も。好きだから。

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