悪党の食卓。 --王妃の実家は、たぶん黒幕説。--

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3人目の獲物・愚かなデコイ。

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思いっきり、やってしまいました…。
苦手な方はごめんなさい。

………………………………………………………………………


3人目の獲物・愚かなデコイ。
荒ぶる恋愛マイスター。
ミーナ・マーテル男爵令嬢。



 はーい!ミーナだよー!ごきげんよぉー!

 ミーナはいっつも可愛いく楽しく!アカデミーで過ごしてるよー!アカデミーは格好良い男の子がいっぱい居て、とっても楽しいの!


 でも、なんだか最近、いろんなことがおかしいんだ。


 よくわかんないけど、上手くいかないの。


 ジークはまだアカデミーに来ないし、アレクも昨日から来なくなっちゃった…。


 それに、なんでか、ステラまで居なくなっちゃったし…。


 今までステラが、ミーナの作ったお菓子を、綺麗にしてくれていたから、そのステラが居なくなったら、イリスにもお菓子を渡せなくなっちゃった…。



 お菓子を用意出来ない事をイリスに伝えると、優しいイリスは綺麗に笑って許してくれた。

「…少し残念だけれど、大丈夫だよ?…今までありがとう。皆にも伝えておくね?」

 って、言ってくれたの!


 イリスは優しくて、綺麗で、本当にとっても格好いい。


 だから、ジークとアレクの次に、1番好き!




 そんな事を考えてたら、あっという間にランチの時間になってた!不思議ー!


 意識したらお腹すいちゃったー!ランチにしよーっと!


 うーん。でも今日は、アレクも来てないし、どうしようかなぁ…。


 そうだ!展望テラスに行こうかな!

 
 久しぶりにみんなにも会いたいし!


▼△▼


 みんなに会えるの楽しみ!早く行きたくて、早く会いたくて、楽しく廊下を移動してたら、ミーナの行きたい道に令嬢達がいたの…。


「…男爵令嬢のくせに…」
「生意気なのよ…」
「鏡見た事あるのかしら…」


 令嬢達にコソコソ見られながら、クスクス笑われちゃった…。

 あーあ。今日も令嬢達から、陰口を言われちゃった…。



「ねぇ!ミーナの陰口を言わないでよ!嫌なことがあるなら、直接教えて!!」



 そう言うと令嬢達は、冷めたい目でミーナを見るだけで、何も言って来ない。



 だけど、少し離れるとクスクスと笑って、またミーナへの陰口が復活するの。なんかやだなー。


 これも、最近変わったことかもしれない…。

 今までは、もっと違った…。

 前も嫌だったけれど、正面から文句を言ってくる、子達ばかりだったのに…。


 何でこんなに変わったんだろう…?


 でも、代わりに、今まで言ってきてた人達は、何も言って来なくなった。それどころか、ミーナを応援して、親切にしてくれる人まで出て来たの…。


 …なんでなんだろう?

 …ミーナには、難しくてわかんないや。


 こういう時は、いつもステラが教えてくれたから…ミーナには、どうしたら良いかわかんないや…。



 うーん…。まぁ良いやー!



 考えるのやーめよ!



 それより、みんなと楽しくランチだよー!

 みんな元気かなー?
 久しぶりに会えるの楽しみぃー!

 そんな事を思って、元気に展望テラスの扉を開けた。



▼△▼



「みんなー!ミーナだよぉー!元気だったー?」


 大きな声でそう言って、開け放った扉の先には、以前とは違う光景が広がっていた。



 なんというか…貴族の男女が仲良くマナーを守って、お食事をしていたの…。


 ピカピカ光るお揃いの宝石を付けたお貴族様達が、お食事をしている…。


 なんだか、格式高いレストランに間違えて入っちゃった時…みたいな感じ…。



 …あれれ?なんだかミーナ、もしかしたら場違いかも…。



 でも、よくよく見ると仲良さそうな貴族の男女の、男の方は、ミーナが大好きなみんなだった。



 なんで?どうして?みんなミーナの事が好き!って、言ってたのに!!どうして他の女の子と仲良くしているの!?



 我慢が出来なくて、言葉に出そうとすると、近くにいたアルから声をかけられた。


 わーい!アルだ!相変わらず格好良い!…というか、もっと格好良くなったかも…?


「やぁ。ミーナ嬢久しぶり。君もランチかい?」


 良かった!前のアルと同じように優しいっ!


「…うんそうだよ!ねぇー!アル!ミーナの席どこぉー?」


「あぁ。ミーナ嬢が来ない間に、少し席の配置を変えたんだ。空いてる席だと……あっちかな?」


 そう言って、アルが指差したのは、すごく遠くの席だった。
 


「やだぁ!ミーナはアルと食べるの!だからあの席はやぁだ!ね?アル一緒に食べよ?」



 そう言ってアルの袖をちょこんと握り、下から見上げて小首を傾げる。こうすると、みんなミーナの言う事を聞いてくれるの!


 けれど、アルは困ったように笑うだけで、信じられない事を言い出したの。



「…ごめんね…それは難しいかな。今日は別の子と約束しているんだ。

 実は、ミーナ嬢が来ない間に、ミーナ嬢の言っていた【自由恋愛】の考え方を、ようやく理解出来たんだ。

 それで、彼女と親しくなれた…。

 だから、感謝しているんだ。ありがとうミーナ嬢。

 彼女と今日は約束しているし…その……彼女が大切だからさ、君とは一緒に食べれないんだ…ごめんね?」


 そう言って、アルは優しくて格好良い笑顔を浮かべて、ちょっと照れたように顔を赤らめた。




「………え?」

 アルは何を言っているの?




「俺もだ!ミーナ嬢!ありがとう」

「僕もです!ありがとうございます!」

「私も今までミーナ嬢の言う事を、わかっておりませんでした!ありがとうございます!」

「僕も!自由恋愛って良いな!ありがとう!」

「俺も!…」

「僕も!…」



 …そうやってみんなに、【自由恋愛】がわかったって、次々にお礼を言われちゃった…。


 なんで?


 自由恋愛は楽しくて、みんなが幸せになれる、魔法なのに…。


 それをみんなにわかって欲しくて、ミーナは頑張ってたのに…。


 ミーナの考えを、みんながわかってくれて、嬉しいはずなのに…。


 なんでミーナはこんなに、嬉しくないんだろう…。


 アルも言いたい事が言えたからか、自らの席に戻ってしまった。


 アルの席の向かい側には、綺麗な女の子が座っていた。よく見ると彼女のアクセサリーはアルと一緒だった…。


 それに、アル凄く嬉しそう…。


 あの格好よくて素敵な顔は、今までミーナの物だったのに…。


 自由恋愛は、早い者勝ちなのに…どうして?


 疑問は浮かぶけれど、答えてくれる人は居なくって、ミーナの中に怖い気持ちが湧いてきたの。


 この気持ちを、どうしたら良いのかわからなくて…。


 ミーナは堪らなくなって、展望テラスから逃げ出しちゃった…。


▼△▼


 ミーナは走って走って走って、1人になれるところまで行って、それで……わんわん大泣きをしたの。


 どうしてー!なんでー!とか、泣きながら、いっぱい叫んじゃった…。


 だけど、答えなんか返ってこないし、答えが思い浮かぶこともなかったの…。



 そんなことをしていたら、何だかミーナ辛くなっちゃったから、その日はそのまま帰って、いっぱい寝たの。



 でもでもそれでね、いっぱい寝たら、ミーナにはジークもアレクもイリスも居ることを思い出したんだ!


 だから、昨日はほんのちょっぴり寂しくなっちゃったけど、ミーナにはみんながいる!


 それに、もうちょっとしたら、夏休みが始まる!夏休み楽しみぃー!みんなと一緒に色んなところに行こー!アレクとジークとイリスとミーナで!



 良いんだもん!早い者勝ちだもん!3人のことは、ミーナ絶対に渡さないもんね!

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