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第4話 「邪悪な陰謀」

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魔法国の首都に向かっていたタロウとアリスは、街道で謎の集団に襲われた。

「ぐああ!」

黒装束の集団が、手裏剣と火の魔法を乱射してくる。アリスが剣でそれを切り裂く。

「タロウ、用心しなさい!」

「分かった!」

タロウも連携して応戦する。窮地に陥るが、二人の戦いぶりに黒装束の集団は撤退した。

「なんだ、あの連中は」

アリスは不審そうにつぶやく。以前からの追跡者とは別団体のようだ。
その頃、魔法国の地下組織「黒の教団」では、頭目のゼノンが部下を集めて重大発表をした。

「我らの大目的を達成する時が近づいた。忘れるな、我らの目的は封印されし魔王バフォメットの復活である!」

部下たちは悪の野望に湧く。ゼノンが続ける。

「そのためには、あの若者タロウの力が必要不可欠だ。生け捕りにできるよう手配するのだ!」

タロウの超強力な魔力を利用し、魔王復活の儀式を行おうというのだ。
一方そのタロウは、アリスとともに王都に無事到着した。城下町はにぎわっている。

「ここで噂を耳にしてみるか」

アリスの提案で、二人は街の酒場に入る。そこで王国騎士の会話を盗み聞く。

「国王陛下は最近様子がおかしい。地下組織の動きかも知れん」

「然り、闇の陰謀が進んでおるというのは確かだ」

思惑通り有用な情報を得た二人。しかしその時、組織の刺客が酒場に現れた。

「お前らがタロウか、生け捕り命令が出ている」

客が逃げ惑う中、睨み合う三者。と、刺客が魔法を打ち出した。

「覚悟しろ!」

こうして、タロウとアリスは組織との戦いに巻き込まれていくことになったのだった。

先の戦いで黒の教団の刺客を撃退したタロウとアリスは、王都から脱出することにした。
二人は町を抜け、深い森の中を歩いている。

「ここなら追跡を振り切れるだろう」

とアリスが言う。
その頃、教団のアジトでは怒り心頭のゼノンが部下を集めていた。

「クソッ! どうしてあの若者を捕まえられなかった!」

下僕どもは頭を下げる。ゼノンが叫ぶ。

「今度こそタロウを生け捕りにできるよう、全軍を展開するのだ!」

一方タロウとアリスは小川で水を汲んでいた。

「ふぅ...ここで少し休憩しよう」

とタロウが言う。

「ええ、よいわね」

その時、「ザザザ」と気味の悪い音が森から聞こえてきた。

「この気配は...」

アリスが剣を抜く。

「グウォォォ!」

巨大な魔物オークが現れた。二人は驚く。オークは暴れまわり、木をなぎ倒してくる。

「危ない、アリス!」 

タロウがアリスをかばう。

「タロウ! 後ろに気をつけて!」

オークは猛スピードで近づき、強打を繰り出す。タロウは木に叩きつけられそうになる。
するとタロウの中で何かが爆発したように力がみなぎる。オークの腕を掴み返し、轟音と共にオークを吹き飛ばすのだった。

「この力は...」

タロウは自身の魔力の覚醒に気づく。アリスも驚く。

「タロウ...! 君の魔力がめざましく強力になったわ!」

こうしてタロウの魔力は、アリスを守るために覚醒したのだった。
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