あっ! 飛んじゃった

日前蜜柑

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3、ホロロノッソの神達

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 翌日の朝、今滞在中の村の教会に来た。
 ホロロ村って名前らしく、教会に祀られているのはホロロノッソって神らしい。
 う~ん、土地神様かな?。

 教会の見た目は民家より少し大きい程度で、とても大神様を祀る教会とは思えない。
 まあ兎に角、中に入る。
さっさと終わらせないと次の村や町に行けない。

 作法は知らないが、一応両膝をつき手を組んで顔の前に置き、「ホロロノッソ様お招きいただき有り難う御座います。ペリエ只今参拝に伺いました」
 何か周りが薄っすら光ってる気がする。瞼は閉じてるのだけど、光は感じるんだよ。

『いらっしゃい。目を開けて良いわよ』
夢の中と同じ声がした。
ゆっくり瞼を上げると、そこにはまさに秀麗、凛として後光をたたえた女神様が。

『私がカロ、ホロロノッソの一柱よ』
一柱って事は他にもおいでに成るのかな、人間なら27歳位の大人な別嬪さんだ。

『我がホロロノッソの主神アロじゃ』
お爺さんと言うかゼウスの様な髭を蓄えた神様だね。

『私がスフロ輪廻転生の神よ。よろしくペリエさん』
健康的でスポーティな感じだけど、僕は申し訳なくも彼女を見て顔が赤くなった。凄く魅力的で可愛らしい上に僕と見た目の歳が近そうだ。
 ずっと行商してて彼女もいなかったので、何か胸がドキドキする。
 一目惚れとはこう言う事かな。
 でも神様だから不敬だよね。

『ふふふ、スフロがお気に入りかしら』
「めっ滅相も御座いません」
『そんな事は無いぞ、スフロを見たら良い』
カロ様に揶揄われ、アロ様に言われてスフロ様を見たら、顔を真っ赤にして俯いていらした。
「えっ···えっとぉ~」
『『元々スフロのお気に入りだからね』じゃのう』
神二柱がスフロ様を誂うと、スフロ様は二柱をポカポカと軽く叩いている。
 かっ、かわいい~。

『さてさて冗談はこれくらいにして、ペリエ貴方何で私達の言う事を信じないかなあ』
「あっいやそれは、僕は元々神様のいない世界······あれ」
『そう貴方は元々神のいない別世界の人。時々記憶が蘇る事があったでしょ』
『お主がその世界で亡くなった時に、スフロが魂を此方に呼び寄せ転生させたのじゃ』
『私はこの世界で輪廻転生の神をしています。貴方の魂が余りにも綺麗でしたので呼び寄せました』
「はあ?······そうですか」

『別に他意は無いのよ。ただ単に綺麗な魂は珍しいから目に留まり易いの』
『お主は67歳の時心不全で亡くなったのじゃが、67年生きてあれだけ魂が綺麗な事が珍しいからのう』
『すいません。余りにも綺麗なのでつい』
「あっいや、謝れる事は無いですよ。俺は普通に死んだだけだし、しかもまた人として世界は違えど、生を貰えた訳ですから」

『まあ私達でも運命は左右出来なくてね』
『お主荷物と一緒に馬車ごと盗賊に攫われてしもうたのじゃ』
『それで行く方がわからなくて、最近になって漸く見つけられました』
そうスフロ様が付け加えた。

 どうやら俺はまだ小さ過ぎて、盗賊達も面倒臭くなり、街道の側に木箱と一緒に捨てられたらしい。
 それを爺が拾って育ててくれたみたいだ。
 乳飲み子で無かったから生きられたのだろう。
 そしてもう少し大きかったら、逆に奴隷として売られていた様だ。

『普通は10歳前には教会で天恵の儀式を受けるんだけど』
『中にはそれをせぬ者がおる』
『まあ大抵は職業的に有利に成る程度の天恵ですから、そんなに特別な事では無いんです』
そうなんだ。

「んっ? 行商とは違う天恵も有り得るんですか」
『1柱の神が一つの天恵を1人に一つだけ付与する仕組みよ』
「僕は······」
『まだ付与されておらぬ』
『なので今回はこの三柱の内誰かが付与致します』
「成る程···分かりました」
『じゃあ誰が付与するか、ジャンケンしましょうか』
「はっ、えっジャンケン?」
『あの···それ程の天恵ではないものですから。カロ様や主神様も割といい加減なんです』
『あらあら、スフロちゃん。貴方ちょっと良いものを与えようとしてない?』
『カロ様······決してその様な事は』
「あの~」
『はっはは。ペリエが困っておるではないか。早々に付与いたそう。ここに十個の天恵を持ってきた。各神が好きなのを一つずつ受け取られよ』

随分大雑把なんだなあ。出来たら行商に関わる天恵が欲しいな。

『ぺっペリエ様なら、どの様な天恵でも大丈夫かと・・・思います』
『愛とは』『盲目じゃの』
『カロ姉さまアロさま止めてください』
『『あっ!』』

『『『飛んじゃった』』』

スフロ様が恥ずかしがって手を大きく振った瞬間に、主神のカロ様の手に有った天恵の光が全て、俺の身体に飛んで来て、身体に吸い込まれた。

『『『あ~』おっ』へぁっ』
スフロ様の変な声は可愛い。
じゃ無くて、どうなったの。

『付いちゃったわね』
『付いてしもうたの』
『剥がせませんか?』
『『無理じゃの』無理ね』
『・・・ごめんなさい』
『まあ構わんじゃろ』
『そうねペリエなら悪用はしないでしょう』
『お二柱ともすいません』

『それでは達者でなペリエ』
『またね~』
『まっまた何処かの教会に来てくださいねペリエさん』
『『デートの誘いじゃな』ふふふ、そうね』
スフロ様が二柱の神を真っ赤な顔をして睨んでいた場面で、ふっと意識が飛び教会に戻って来た。

「あの大丈夫ですか。少し長めでしたが」
「···可愛かった」
「はあ~?」
 俺は足が痺れてしまい、立ち上がろうとしたら、その場でばったりと倒れてしまった。
 ちょっと恥ずかしい。

   𓃗―――❄―――𓃗

 1/4・1/5の古川吉洋騎手はタガノデュードの1勝のみ。私の推し馬は全頭ボロ負け。1/11のすばるSにはキタノズエッジとニシキギミッチーの登録が有る。どちらも抽選待ちだが、両方出走が決まった。

 さて、どちらにと思ったが、古川吉洋騎手が乗るのはキタノズエッジだった。
正直ダート1400ならニシキギミッチーの方が強い。まあどうして決まったか分からないが、仕方無い事だ。
 騎乗予定馬のブッキングは、シリウスコルトとシェイクユアハートでも起こるだろう。何せ両方とも芝2000が主戦場だから。
 これで馬券はニシキギとキタノズの2頭流しに決まった訳だ(笑)。
 今週は2・3頭チャンス有りの馬がいそうだね。勝てると言う訳じゃ無いが。ソルチェリアなんかその筆頭だけど、平場の4R3歳1勝クラスだけど、下手なオープン戦より相手が強い。重賞クラスの相手じゃないかな。伝説の平場戦って処だね。


 今回の作品から文の始めを一段下げている。あれは西洋の方式で多分明治から日本で導入された。
 別に出版社がした事で、そうしなければ成らない掟は存在しない。
 おそらくアルファベットだと発音が日本とは違い、一文字では無いので後の文と繋がって仕舞わない様にだと思う。
 つまりは日本語ならおよそ必要姓を感じないが、西洋に合わせたと思われる。
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