「あまがみのみこと」

あまがみのみこと

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小話3

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犬神も歩けば「棒」と「粗相」に当たる

【序章:陽だまりの凶器】

天気も良くポカポカと暖かい日のこと

穏やかな老紳士に連れられた一柱の

「犬神様」が悠然と

散歩しておりました

しかし

その犬神様は周囲の匂いと

平和に夢中でキョロキョロと

よそ見ばかり

その前方には音もなくそびえ立つ

一本の電柱

私は心の中で叫びました

『危ない犬神様!

それは神域の柱ではなく

ただのコンクリートだ!』

しかし願いも虚しく「ゴツン!」

犬神様の鼻先に現世の物理法則が

非情に突き立てられました

【中章:繰り返される神の過ち】

さらに進むと驚くべき光景が

また別の方が別の犬神様を

連れて歩いているではありませんか

そして

この二柱目の犬神様もまた前を見ずに

キョロキョロ行く手には

どっしりと構えた一本の街路樹

デジャヴ(既視感)に襲われた私は

震えました『えっ、まさかこの展開……

嘘でしょ?』

「ゴツン!」

再び響く神と自然が衝突する音

一度あることは

まさに二度あったのです

【終章:預言の成就】

二度の衝突に気を取られ他者の運命を

案じていた私しかし真の「災厄」は

足元に潜んでいたのです前を見ずに

歩いていたのは私自身も同じでした

ヌチャ……

足裏に伝わる確かな

そして温かな感触それは犬神様が

残していかれた「聖なる粗相の証」

古の賢者は言いました

「犬も歩けば棒に当たる」と

しかし令和の「あまがみのみこと」は

身をもって知ったのです

「犬神も歩けば棒に当たり案じている

人間は粗相を踏む」

誰かがこの結末を数千年前から

預言していた気がしてなりません
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