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第1章

41.陰謀

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 「おまたせしました~。」
 5分ほど待つとそう言ってルーナさんが戻って来た。何故か後ろにはも居る。

 「ま、魔王様!?」『久しいの、サン!』
 『2人とも報告ありがとう。実は……。』
 驚く俺と相変わらずのハクに魔王様は一声かけると、今度は魔王様から情報を教えてもらった。

 なんでも半年前から人族と魔族の大陸の間の森で魔族が人を襲うという噂がたった。そしてその魔族は『…』という言葉を繰り返していたとか。それは人族のによって討伐され、各国にその情報が広まった。
 ひと月前から今度は獣族の大陸に現れ、人を襲いだしたらしい。魔王様の方でも調べてみるとどうやら人族のが最も怪しいようで、前から人体実験をしている噂など禁忌きんきに触れる事をしていて魔族撲滅ぼくめつかかげているのだとか。

 『とうとう実験が成功したから魔族撲滅ぼくめつに向け、本格的に魔族と獣族・人族の戦争を起こさせようとしているのだろう。あの王は何を考えているんだ…。』
 そう言って魔王様が愚痴ぐちをこぼす。

 『ともかく私共もそのキメラの正体を明かし、真実を広めなければならない。既に魔族の民も風評被害を受けていると宰相が言っていたしな…。』
 「俺達に出来ることがあればなんでも言ってください。少しでも力になりたいんです。」
 『そうじゃぞ!我とお主らの仲ではないか、遠慮はいらん。』
 「お二人共ウチの旦那の為におおきに。何かあればよろしゅうお頼ん申します。」
 『ありがとう。』

 俺達はそう言い残し、2人に挨拶をしてすぐに洞穴まで「テレポート」で帰った。


 「ただいま戻りました~。」『ワン!』
 「遅かったから心配したぞ!だが無事で何よりだ。」
 「朝まで3時間くらいしかないわよ~。早くおやすみなさい。」
 俺達が帰るとハルクさんとネージュさんが迎えてくれた。2人に一言伝えて俺達は奥に眠りに行った。
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