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「もぉ…、何で今?」
だからって、何する訳でもなく
そっとしておいたけど。
お風呂から上がる頃には、しっかり
おさまっていた。
こんなので、璃端の顔見たり声聞いたり
して…果たして平気なのか?
自分がめちゃくちゃスケベみたいな気がして
恥ずかしくなってくる。
とりあえずお風呂から出て、髪を乾かしたり
したがら寝る方向での準備をする。
体が半端に熱い。
鏡を見ても、うっすらと頬が赤くなっていた。
台所で洗い物を済ませている間に
落ち着きはして来たけど。
スマホを持って、寝室に行く。
歯磨きもしたから、そのまま寝てしまっても
大丈夫にはしてある。
約束の時間の数分前、璃端からは
既にメッセージが届いていた。
一応、念のための確認だ。
もちろん大丈夫、と返信を打った後に
すぐに着信が入った。
「…!璃端?」
『要、こんばんは。ちょっとだけ久しぶりですね。』
「~…うん!」
『そっちは夜中ですか?』
「うぅん、まだそんな深くはないよ。」
『眠くなったら、遠慮なく言って下さいね。』
相変わらず、璃端の声は優しくて
心地よく響く。
「うん、ありがとう。大丈夫。」
ベッドに座った状態で、俺は映し出される
璃端の姿を見つめていた。
あー、カッコいい。
薄くメイクしてる。出掛けてたのかな?
『かなめ?』
「あ、…うん。なんかさぁ、璃端だぁ…って。」
少しの沈黙の後に、璃端が薄く笑って
『寂しいです。僕も…だって、要が近くに居ない。落ち着きません。』
スマホを持つ手が微かに震える。
「俺もだよ。あと、もう少しなのに…」
我慢が難しい。
後3週間で、璃端は帰国だと聞いてはいるけど。
『はぁー……。』
璃端からの深いため息が聞こえる。
余計に俺も凹む。
「ごめん。」
『謝らないで、要。よく、顔を見せて下さい。』
引き気味にスマホで、恥ずかしいけど
自分の顔を映し出す。
ほんと、璃端はどの角度から見ても
綺麗だしカッコいい。
「あ、お昼ご飯は済ませた?璃端。」
『ハイ。下宿先の親切な家主さんが作ってくれて。ここに来てからすこーしだけ太った気がします。』
「璃端は、細いからちょっとくらい体重が増えても全然分からないと思う。」
むしろ今まで線が細かったから。
俺としてはまだガッチリしたとしても
好きだと思う。
『要、お風呂は済んだみたいだね。』
「え?あぁ。後は寝るだけになってるよ。」
画面の向こうには確かに、璃端が見える。
なのに余計に1人である事を実感してしまう。
「駄目だな、俺やっぱり遠距離ってツラい。」
『僕も寂しくって…事あるごとに要の写真を見てるけど。』
「クリスマス前には絶対戻って来て。」
『それは、約束してましたよね。大丈夫だよ、安心して待ってて欲しい。』
お互いにため息をついてしまって
後の続かない気まずさに俺は笑う。
「…キスしたかったなぁ。」
ベッドの上に突っ伏して、チラッと
璃端を見つめる。
『そんな事、いつもは言ってくれないのに。』
確かにそうだ。
わざわざ、言えた事ではない。
「できないから、したくなるの。」
これは本当に俺の厄介な性分だと思う。
『要って、ちょっと眠いと…えっちになるよね。』
「え~…分かんないよ、そんなの。意識してないし。」
『だって、よく僕に擦りついて来て…触るでしょう?体のあちこち。』
体温とか、人の柔らかみを求めてるのかもしれない。
「触りたいんだもん。仕方ない…」
『あーあ、せっかく初めて見るパジャマが見えなくなった。あったかそうだったね。』
「コレ…は、璃端が時々買ってるショップの別ラインらしくて。これ以上は内緒。」
首だけ少しもたげて、璃端に話かける。
『寝ても良いんだよ?要。無理しないで?』
「んー…でもまだ、璃端の聲聞いてたくて。」
まぶたがゆっくり、下りてくる。
起きてよう、起きてようと白目を剥きそうに
なりながら耐えてる。
『っぷ…、要…可愛い…っ』
「笑うなぁ…っ、らって…ねむい。」
だからって、何する訳でもなく
そっとしておいたけど。
お風呂から上がる頃には、しっかり
おさまっていた。
こんなので、璃端の顔見たり声聞いたり
して…果たして平気なのか?
自分がめちゃくちゃスケベみたいな気がして
恥ずかしくなってくる。
とりあえずお風呂から出て、髪を乾かしたり
したがら寝る方向での準備をする。
体が半端に熱い。
鏡を見ても、うっすらと頬が赤くなっていた。
台所で洗い物を済ませている間に
落ち着きはして来たけど。
スマホを持って、寝室に行く。
歯磨きもしたから、そのまま寝てしまっても
大丈夫にはしてある。
約束の時間の数分前、璃端からは
既にメッセージが届いていた。
一応、念のための確認だ。
もちろん大丈夫、と返信を打った後に
すぐに着信が入った。
「…!璃端?」
『要、こんばんは。ちょっとだけ久しぶりですね。』
「~…うん!」
『そっちは夜中ですか?』
「うぅん、まだそんな深くはないよ。」
『眠くなったら、遠慮なく言って下さいね。』
相変わらず、璃端の声は優しくて
心地よく響く。
「うん、ありがとう。大丈夫。」
ベッドに座った状態で、俺は映し出される
璃端の姿を見つめていた。
あー、カッコいい。
薄くメイクしてる。出掛けてたのかな?
『かなめ?』
「あ、…うん。なんかさぁ、璃端だぁ…って。」
少しの沈黙の後に、璃端が薄く笑って
『寂しいです。僕も…だって、要が近くに居ない。落ち着きません。』
スマホを持つ手が微かに震える。
「俺もだよ。あと、もう少しなのに…」
我慢が難しい。
後3週間で、璃端は帰国だと聞いてはいるけど。
『はぁー……。』
璃端からの深いため息が聞こえる。
余計に俺も凹む。
「ごめん。」
『謝らないで、要。よく、顔を見せて下さい。』
引き気味にスマホで、恥ずかしいけど
自分の顔を映し出す。
ほんと、璃端はどの角度から見ても
綺麗だしカッコいい。
「あ、お昼ご飯は済ませた?璃端。」
『ハイ。下宿先の親切な家主さんが作ってくれて。ここに来てからすこーしだけ太った気がします。』
「璃端は、細いからちょっとくらい体重が増えても全然分からないと思う。」
むしろ今まで線が細かったから。
俺としてはまだガッチリしたとしても
好きだと思う。
『要、お風呂は済んだみたいだね。』
「え?あぁ。後は寝るだけになってるよ。」
画面の向こうには確かに、璃端が見える。
なのに余計に1人である事を実感してしまう。
「駄目だな、俺やっぱり遠距離ってツラい。」
『僕も寂しくって…事あるごとに要の写真を見てるけど。』
「クリスマス前には絶対戻って来て。」
『それは、約束してましたよね。大丈夫だよ、安心して待ってて欲しい。』
お互いにため息をついてしまって
後の続かない気まずさに俺は笑う。
「…キスしたかったなぁ。」
ベッドの上に突っ伏して、チラッと
璃端を見つめる。
『そんな事、いつもは言ってくれないのに。』
確かにそうだ。
わざわざ、言えた事ではない。
「できないから、したくなるの。」
これは本当に俺の厄介な性分だと思う。
『要って、ちょっと眠いと…えっちになるよね。』
「え~…分かんないよ、そんなの。意識してないし。」
『だって、よく僕に擦りついて来て…触るでしょう?体のあちこち。』
体温とか、人の柔らかみを求めてるのかもしれない。
「触りたいんだもん。仕方ない…」
『あーあ、せっかく初めて見るパジャマが見えなくなった。あったかそうだったね。』
「コレ…は、璃端が時々買ってるショップの別ラインらしくて。これ以上は内緒。」
首だけ少しもたげて、璃端に話かける。
『寝ても良いんだよ?要。無理しないで?』
「んー…でもまだ、璃端の聲聞いてたくて。」
まぶたがゆっくり、下りてくる。
起きてよう、起きてようと白目を剥きそうに
なりながら耐えてる。
『っぷ…、要…可愛い…っ』
「笑うなぁ…っ、らって…ねむい。」
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