☆番外編【天乃屋兄弟】天乃屋兄弟と、伝統的七夕のお話。

あきすと

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いのり。

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今日は、伝統的七夕の日と言う事で
あの兄弟のお話を。

「兄貴、雨なかなか止まないね。」
『風情のある雨の降り方、しないよなぁ。』

朝からずっと雨。今月に入ってからの久し振りの
雨かと思って喜んでいたのもつかの間。

とんでもない雨量になってきているから
だんだんと、外を眺めては不安が募る。

『子供の頃みたいに、てるてる坊主でも作るか?』
「…もう、本当に心配してるんだよ。」
『無力だから、祈る事しかできない。』

兄貴は、本当はいつだって真面目に考えてくれている事を
理解してる。
俺も、同じ気持ちだから。ため息をつきそうになるけれど
今はただ目を閉じて祈る。

「もっと、優しい雨に変わって。」
『大切な人の元へ、無事にたどり着けるように……。』
天の川を渡るための船は、月。
半月の形になった、月の船で逢いに行く。

そんな、神秘的な話を兄貴はもちろん
知っているのだろう。
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