婚約破棄に乗じて戦場に赴く令嬢は英雄視される

小烏 暁

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第1章

第2話 私に聞かれていないと思ったのかしら?

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はい。そういう事です・・・彼は私の初恋の相手です。

「あ、ちょっと、ここではやめた方がいいわよ・・・もう、」
「僕をこんなにしたのは君のせいだよ?責任を取ってもらわなきゃ」
    熱いボディタッチをする二人を見ながら私はふつふつと心が煮えたぎった思いでいっぱいだった。
「あら、まだ居たのね?私達のスキンシップがそんなに羨ましいかしら?あなたも今日結婚する男爵様とすればいいじゃない。ふふ」
    明らかに何かを知っているような物言い、もしかして今日来る男爵様のことを知っているのか?
「それじゃあ私達はこれから寝室へ戻っているわ。もし見に来たかったら来るといいわ」
    そう言って二人は私の後ろの扉から出ていく、暗い廊下を歩きながら二人の後ろ姿をイライラしながら見つめた。

   不満な顔をしながら私はある場所へ1度向かうことにした。
    そこは皆さん大好きなトイレ。
    トイレの中に人がいないことを確認すると。
「くそ!!なんなのあの女は!どうしたらあんなに誠実なセイソ様が淫乱雄になってしまうの!?セイソというよりセイヨクよ!というか一体どれだけヤったら・・・」
    想像するとドキドキが抑えられなくなってしまい、お腹辺りが熱くなるのを感じた。もしかしたら濡れてるかもしれない・・・・。
「い、いけない・・・流石にこれ以上考え過ぎると・・・」
   そう!深呼吸・・・深呼吸しましょう。
「すぅーー、はぁーーー、すぅーー、」
   深呼吸すると幾分か落ち着きを取り戻した私は深いため息をつく。
「・・・・いや、まて、考えろ私、ポジティブになれ、」
    そうだよ、もしかしたら超絶イケメンで優しくって強くってカリスマ性のある男爵様と婚約するかもしれないじゃない!!
「そうよ・・・まだあったことも無いけど・・・きっと!」
    私は会ったこともない男爵の顔を想像する。イケメンで優しくて私の事を全力で守ってくれる理想的な男爵様。
「・・・えへ、えへへ~、」
    思わず口元が緩んでしまう。
    そんなことを考えていると足音が二つ聞こえた。
    まずい!どこかへ隠れないと!
    私は急いで洋式のトイレに隠れる。
「・・・でさー、あの男爵ずっと私の太もも見てたんだけど、めっちゃ気持ち悪かったのよね~」
「えぇ~、それ本当ですの?」
   やはり来たか・・・あれ、でもこの声どこかで聞いたような・・・・
「あ・・・・!」
   三女のシエルと四女のルイの声だった。
    この2人が話すところはあまり見た事がなかった、一体何の話をしているのだろうか?私はとても気になった。
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