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第1章
第5話 家出の門出よ!
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辺りが暗い夜道の中、私は満ち足りていた。
「はぁ~、スッキリした~」
こんなに清々しい気持ちになったのは生まれて初めてだ。周りの反応を思い出すとニヤケが止まらない。フフ・・・ざまぁないわ!
「それにしても私ってやっぱり魔法の才能あったのね~」
本で読んだことを真似してやってみた初めての炎魔法。ほかの魔法でも良かったのだけどその時は炎がいいなぁ、という気まぐれで出した魔法が、まさか成功するとは思わなかった。
「さて・・・あんなことを言ってみたは良いものの・・・・」
その後の事はノープランな私・・・1度キレたら収まるまで暴れだして今までに受けた鬱憤を晴らす・・・そして気付いた時には取り返しがつかないことになっている。
まさに今だけどね。
「でも私は決めたの!絶対にアイツらをギャフンと言わせてやるんだから!」
とにかくこの屋敷と当分お別れする訳だ。必要なものは持って来たし、あとは移動に必要な馬よね・・・
確か屋敷を出てすぐ近くに馬小屋があったはず・・・。
「元々ハネス家の馬なわけだし・・・1頭くらい借りててもいいよね?」
記憶を頼りに馬小屋へ辿り着いた私は、どの子を私の愛馬にしようか悩んでいた。
「うーん」
やばい・・・どの馬も同じに見えて仕方がないんだけど・・・一体どの馬が良いのかしら?
『ブルンッブルンッ!』
「どの馬でもいっかな・・・」
私は近場にいた白い馬に目をやる。
『!!』
私に見られていると気付いた馬は威嚇するように鳴いている。
「こ、こら…暴れるんじゃないわよ」
私が馬を出すために手網を付けようとしたら猛反対されるように暴れてしまった。
その暴れっぷりは手網を付けられて外に出る事を嫌がるというより、人間に嫌がっている雰囲気だった。
「うーん」
どうしよう、他の馬に変えてもいいんだけど…でもこの暴れっぷりは将来期待できそうなのよね~。
『ブルンッ!』と鼻を鳴らして威嚇する白馬。それでも私は諦めきれずにいた。
だって初めての家出なのに中途半端な馬を選ぶのは何だか嫌だったから。
「…面倒だからチャーム使おうかしら」
失敗することを想定して私は初めてその馬に魅了魔法をかけた。
人にしか効かないと本には書いてあったが…さぁ、どう出る!!
「ブルン…ブルン…」
私はそーっと白馬を触る。抵抗なし…というよりむしろ積極的?。
「ヒヒン!」
「あは、こらこら、そんな顔を舐めないで」
白馬は私の顔をぺろぺろぺろぺろ舐めている。どうやらチャームは大成功だ。
「こ、これで遠出に必要な物は…ちょっ、そろそろやめて……お化粧が崩れるでしょうが!」
「ヒ…!」
少し怖がった白馬、しかしこれで移動手段を確保した私であった。
「はぁ~、スッキリした~」
こんなに清々しい気持ちになったのは生まれて初めてだ。周りの反応を思い出すとニヤケが止まらない。フフ・・・ざまぁないわ!
「それにしても私ってやっぱり魔法の才能あったのね~」
本で読んだことを真似してやってみた初めての炎魔法。ほかの魔法でも良かったのだけどその時は炎がいいなぁ、という気まぐれで出した魔法が、まさか成功するとは思わなかった。
「さて・・・あんなことを言ってみたは良いものの・・・・」
その後の事はノープランな私・・・1度キレたら収まるまで暴れだして今までに受けた鬱憤を晴らす・・・そして気付いた時には取り返しがつかないことになっている。
まさに今だけどね。
「でも私は決めたの!絶対にアイツらをギャフンと言わせてやるんだから!」
とにかくこの屋敷と当分お別れする訳だ。必要なものは持って来たし、あとは移動に必要な馬よね・・・
確か屋敷を出てすぐ近くに馬小屋があったはず・・・。
「元々ハネス家の馬なわけだし・・・1頭くらい借りててもいいよね?」
記憶を頼りに馬小屋へ辿り着いた私は、どの子を私の愛馬にしようか悩んでいた。
「うーん」
やばい・・・どの馬も同じに見えて仕方がないんだけど・・・一体どの馬が良いのかしら?
『ブルンッブルンッ!』
「どの馬でもいっかな・・・」
私は近場にいた白い馬に目をやる。
『!!』
私に見られていると気付いた馬は威嚇するように鳴いている。
「こ、こら…暴れるんじゃないわよ」
私が馬を出すために手網を付けようとしたら猛反対されるように暴れてしまった。
その暴れっぷりは手網を付けられて外に出る事を嫌がるというより、人間に嫌がっている雰囲気だった。
「うーん」
どうしよう、他の馬に変えてもいいんだけど…でもこの暴れっぷりは将来期待できそうなのよね~。
『ブルンッ!』と鼻を鳴らして威嚇する白馬。それでも私は諦めきれずにいた。
だって初めての家出なのに中途半端な馬を選ぶのは何だか嫌だったから。
「…面倒だからチャーム使おうかしら」
失敗することを想定して私は初めてその馬に魅了魔法をかけた。
人にしか効かないと本には書いてあったが…さぁ、どう出る!!
「ブルン…ブルン…」
私はそーっと白馬を触る。抵抗なし…というよりむしろ積極的?。
「ヒヒン!」
「あは、こらこら、そんな顔を舐めないで」
白馬は私の顔をぺろぺろぺろぺろ舐めている。どうやらチャームは大成功だ。
「こ、これで遠出に必要な物は…ちょっ、そろそろやめて……お化粧が崩れるでしょうが!」
「ヒ…!」
少し怖がった白馬、しかしこれで移動手段を確保した私であった。
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