セラフィム〜最弱ハンターは天使の代行者〜

小烏 暁

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第1章

[5]

「モンスターそっちに行ったぞ!」

    西条が大きな声でタンクに指示を出していた。
    それに答えるようにタンクはあっという間にモンスターを倒し、すぐさま味方のカバーに入る。

「こっちだ!モンスター共!『挑発の光!』」

    盾から赤い光が生じ、モンスター達はその盾目掛けて攻撃しようと突進してくる。

「今だ!魔法をぶっぱなせ!」

    そのタンクの言葉を合図に頭上から大量の火炎球が落ち、モンスターを一網打尽に焼き払う。

「おお、おお!やっぱ火炎魔法は清々しい位の殲滅力だなぁ!」

    感心したように七瀬さんは俺の怪我を回復魔法で治療しながら言った。

「そ……そうですね」

「なに拗ねてんだよ!良いじゃねえか!お前がゲートに入った矢先怪我してここで治療が完治するまで見てるのが嫌なのか?」

「七瀬さん……それは俺の心にかなりのダメージを与えてるんだって気付いてください!」

    俺は涙目になりながら彼女に向かって今にもグズグズになりそうな声を出す。

「それよりほら!もう完治したからさっさと前線に行きな!」

    俺は身体を確認する、怪我っていってもそこまで重症じゃなかったのだが彼女のおかげですっかり完治していた、流石に服までは元には戻らなかったが。
    なんだか彼女に頼りっぱなしで男としてどうなのかと思ってしまう。
    俺はすぐに前に進んだハンター達の元へ駆けつけようと走り出す。

「なぁ!火陽!」

    七瀬さんが俺を呼んだ。
    俺は走り出そうとした足を止め彼女の方を振り向く。

「どうしてハンターを続けているんだ?」

「……」

「いや、ほらだって、お前って言い方悪いかもしれないけどよ……最弱ハンターなんて呼ばれてるんだろ?」

彼女は目を背けながら話し出す。

「い!いや、ごめん、不謹慎だよな、こんな話、忘れてくれ!」

「親父の……」

    俺が言おうとした矢先、奥からは物凄い勝利の喝采が響き渡った。

「お!もう終わっちまったのか」

    彼女がそう言うと俺の元まで近付く。

「後でその話聞かせてくれ。今日空いてるだろ?」

    俺は七瀬さんの顔を見た。その顔はそこら辺の男なら一発で惚れるような、妖美な笑みを含めながら俺に話しかけた。      俺は彼女のその顔に、心臓の鼓動が速くなるのを感じた。

「は、はい!」

    顔が火照って熱くなっていく。彼女のこんな顔を見たのは初めてだった彼にとって、刺激が強すぎるらしい。

「ほら!早く行くぞ!」

    彼女も恥ずかしかったのか、耳を赤くさせながら早歩きで奥へと進んでいた。

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