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第二章「魔法学園の劣等生 入学編」
第61話「魔法講義」 ※イラストあり〼
しおりを挟む魔法! それは未知なる力。人々のあこがれの力。そして、畏怖の対象だ。
「いいですか。魔法とは世界の理に触れることによって具現化される力です」
いやあ、癒やされますなぁ。
魔法力学。
全ての力の源、魔力に関する講義。
講師はエルフのアメリア先生。
エルフというだけあって見た目は少女そのもの。しかも、人形のように整った顔立ち。金色の髪に金色の瞳。もう見ているだけで幸せです。
「ちょっと! ノゾミ君! 先生の話聞いていますか!」
「はい! 聞いているのであります!」
「ホントかなぁ?」
疑わしそうに睨みつけられるだけで、オレの心はメロメロです。その小さなお口もたまりません。そのペッタンコな胸もたまりません。
「ノゾミ様?」
隣に座るアンナが肘をつついてきた。
頬を膨らませて睨んでいる。
な、何も変なことなんて考えてないよ。
「ノゾミ様はすぐ顔に出るのでバレバレです」
なんだと……読心の術だと!
「はいそこ! おしゃべりしない!」
怒られてしまったではないか!
おのれアンナめ! 今夜おぼえていろよ。
「それじゃあ、アンナさん。魔法の具現化について説明しなさい」
指名されたアンナはため息一つついて立ち上がった。
「魔法とは自然界に満ちる力、マナを行使することを指します」
「力の存在は古くから知られており、祈祷や呪術などは魔法が体系化されるまで大きく信仰されていました」
魔法にも歴史がある。摩訶不思議な現象として、昔は恐れられ迫害されていた。
「それを解明し、効率的に運用できるようにしたのが大賢者と呼ばれるヨハル様です」
ヨハルとはエルフの長老の名だとミーシャに横から教えてもらった。
「魔法を使うためには三つの要素が必要となります」
アンナの答えは淀みない。
「その一つが、魔力。魔法を発動させるために必要なエネルギーです。これは精神力や生命力といった生命が生きる為に必要な力を指します。
二つ目は、呪文、魔法術式です。魔法は流れる力です。その流れを導き具現化させるためには高度の呪文詠唱が必要です。しかし、魔法術式――魔方陣の発見によってこれは簡略化されました」
魔法術式はコンピュータのプログラムのようなものだと思えばいい。力をただ放出するのではなく正しい手順を踏むことによって効率の良い別の力に変えるのだ。それによって火や水、風、光や闇といった魔法へと変わっていくのだ。それには術者の特性や性質によるところが大きい。
「魔法術式は巻物や地面などに書き込むことによってその力を発揮します。魔法術式に魔力を注ぎ込みあらかじめ決められた言葉で具現化されます」
魔法術式に魔力を注ぎ込み起動用のキーワードで魔法を発動する。そのプロセスは極秘とされ魔法術式も秘匿とされている。故に魔法術式は複雑化し魔法術式を見ただけではどんな魔法なのか判読することは困難だ。近年になり魔具に直接魔法術式を刻みこみ魔法発動を行うことが主流になりつつある。しかし、これだといくつもの魔具を準備しなければならない。
「魔法使いが主に使用する魔法はそれほど多くはありません」
攻撃用呪文と、回復系呪文、補助として解毒など――最低三種類の初級魔法を準備できれば一流の魔法使いと言われる。
魔法使いによってはその使用する魔法の属性に偏りがあった。初級魔法であれば――ある程度の素質があれば――六属性のすべての魔法を行使できるが、中級以上ともなれば、一人の魔法使いにつき一属性の魔法しか習得できないとされる。二属性ともなればかなり貴重な魔法使いとなり、三属性では伝説級ともいわれるほどだ。
「最後に、魔法の源となるマナです。万物に宿るエネルギーであり、この力をいかに引き出すかが術者の力となります」
ほえー、ただのかわいい女の子だと思っていたのに……さすが白竜族の巫女様だ。
「さすがですね! ノゾミ君ももちろんこのくらい知っていますよね?」
「も、もちろん……いえ、嘘です。ゴメンナサイ」
アメリア先生のキレイな瞳に嘘はつけませんでした。
罰として先生の個人的なお仕置きを! 是非!
「もう、今のは初等部の内容ですよ。しっかりしてください」
周りから笑いがもれた。
「じゃあ、ノゾミ君はさっきの内容をレポートとして提出するように。期限は今週中とします」
「個人レッスンとかは?」
「ありません!」
アメリア先生に怒られてしまった。
うむむ。思ったとおりにいかないようだ。
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